商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京大学出版会 |
発売年月日 | 2012/06/22 |
JAN | 9784130633321 |
- 書籍
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家族進化論
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家族進化論
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商品レビュー
3.7
4件のお客様レビュー
山極寿一さんの他の著書を読んで霊長類学に興味を持ったので手に取ってみた。人間の性質を捉えるためにホモ・サピエンスと遺伝的に近い類人猿を観察するという発想は個人的に目から鱗だった。 本書では様々な調査の結果を元に色々な霊長類がなぜ現在の生活様式に行き着いたかを考察し、そこからホモ...
山極寿一さんの他の著書を読んで霊長類学に興味を持ったので手に取ってみた。人間の性質を捉えるためにホモ・サピエンスと遺伝的に近い類人猿を観察するという発想は個人的に目から鱗だった。 本書では様々な調査の結果を元に色々な霊長類がなぜ現在の生活様式に行き着いたかを考察し、そこからホモ・サピエンスのどのように社会形態を変化させていったかに目を向けている。最終的には、現代社会が失いつつあるものを指摘している。 著者自身の経験と調査結果を通して現代人を解釈しており個人的には非常に楽しめた。 以下、本書の内容を踏まえて感じた事を記す。 人間と他の類人猿の大きな違いとしては家族を中心とした大きなコミュニティを形成する点が挙げられる。その中で分かち合いの精神をもつことにより人間の祖先は上手く繁栄することができた。これは現在でも狩猟中心で生活を行う民族に見られる。ここで重要なのはそのような民族は狩猟生活を営む上で権力が集中しすぎないようなうまい仕組みを持っている事である。 資本主義が中心に掲げられる昨今では権力が偏ってしまっている。これは人類が農耕技術を発明することで土地の奪い合いが発生し、果ては血生臭い戦争を繰り広げた末に辿り着いた結果である。国のような大きすぎるコミュニティは元々人間には扱いきれないのかもしれない。 現代人は隣にいる家族よりも顔も合わせないインターネットの向こう側の人間とコミュニケーションをとる傾向がある。しかしながら、人類の歴史は家族を中心とした対面コミュニケーションを前提とする期間の方が圧倒的に長い。そんなに早く生物は進化しない。我々はスマートフォンに気を取られがちだが、人と人との対面コミュニケーションの価値を再確認するべきではなかろうか。
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB09526368
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家族、とタイトルについているから最近の社会を考える、かと思うと大間違いで、霊長類の話である。ゴリラの群れと僕らの家族という単位はどう違うのか。性差の大小やら、脳の発達やらといった霊長類研究が、現代の人間社会にたどりつくまでの軌跡、だけど、人よりも猿関係が中心に見える。 最後の方で...
家族、とタイトルについているから最近の社会を考える、かと思うと大間違いで、霊長類の話である。ゴリラの群れと僕らの家族という単位はどう違うのか。性差の大小やら、脳の発達やらといった霊長類研究が、現代の人間社会にたどりつくまでの軌跡、だけど、人よりも猿関係が中心に見える。 最後の方で、現代の人間が持つ情報技術によってコミュニケーション方法が変わり、本来もっとも濃密であったはずの「家族」というものが破壊されてしまうのではないか、と。ドッキリ。家族というのは人間が人間たる仕掛けであって、それが壊れていくと、僕らは何処へ行くのだろう。温猿知人。
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