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自己啓発の時代 「自己」の文化社会学的探究
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自己啓発の時代 「自己」の文化社会学的探究

牧野智和【著】

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自己啓発の時代 「自己」の文化社会学的探究

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 勁草書房
発売年月日 2012/03/09
JAN 9784326653720

自己啓発の時代

¥3,190

商品レビュー

4.4

14件のお客様レビュー

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2021/07/22

「行動を変えて自分を変える」というのは普遍的なものではなく近年に特徴的なものである。それを先導してきた自己啓発書籍を分析した一冊。 「就職用自己分析マニュアル」、女性のライフスタイルについて提唱してきた『an・an』、ビジネスマンに「●●力」を伝えてきたビジネス雑誌、を分析して、...

「行動を変えて自分を変える」というのは普遍的なものではなく近年に特徴的なものである。それを先導してきた自己啓発書籍を分析した一冊。 「就職用自己分析マニュアル」、女性のライフスタイルについて提唱してきた『an・an』、ビジネスマンに「●●力」を伝えてきたビジネス雑誌、を分析して、「内面の技術対象化」の確立のさまを振り返っている。つまり、「抽象的な人生訓」から「テクニカルな自己向上ノウハウ本」への変化を分析している。 他に類を見ない事柄が書かれた本でとても面白い。   面白いのだけど、著者の次作『日常に侵入する自己啓発』を先に読んでしまったので、それと比較すると刺激が足りなく感じる。 それは仕方なくて、次作は本書の発展版ともいうべき位置づけなので。それに比べると本書は基礎研究という感じである。 十分に面白い基礎研究なんだけどね。

Posted by ブクログ

2020/07/31

向上心つよつよ人間なので  (向上心は不安症だからかな。不安から逃げたいからかも) 去年のゼミで、 「なぜ現代では自己啓発がこんなにも受容されうるのか?」 自己啓発の内部にいる人間として、客観的に社会を分析することはとても難しかった。 だからこそ、本当の意味で初めて批判的に見る...

向上心つよつよ人間なので  (向上心は不安症だからかな。不安から逃げたいからかも) 去年のゼミで、 「なぜ現代では自己啓発がこんなにも受容されうるのか?」 自己啓発の内部にいる人間として、客観的に社会を分析することはとても難しかった。 だからこそ、本当の意味で初めて批判的に見ることが、否定的に見ることではないことを学んだ。そんな経験をくれた本! そして、やっぱり人から社会を見るってとても難しいけれど、、出来たらかっこいい。 社会学の、当たり前を疑うってことの本質は、 当たり前を疑うことで、そこからはみ出ている人やものが見えてくる。 でもその人たちだって社会を構成するだいじな要因じゃないか!って。 生きている全員で作るのが社会だよって。私は感じる。 社会学は、自分が見えてるものが、いつまで経っても全部にはなりえないことを教えてくれる。 でもその事実を知ってる人と知らない人なら、 絶対知っている人の方が、 人に優しくできる本当に強い人だと思う。 そして今の私は、社会学の役目に対して一つそのような解釈をしている。 社会学の価値観、、好きなんだよな。 あと!!お世話になってる院生の先輩が、修士論文でこれに対して、牧野さんが気づけていない観点でバチーンってハマる説をだすのだが

Posted by ブクログ

2020/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 春山らの著作は、潜在意識や未開発の右脳といった一見「不可視の」「不可触の」対象を論じながらも、それらに具体的に働きかけ変革していく、ポジティブ思考やイメージトレーニングといった実践的技法(倫理的作業)を提示した点に、それ以前の自己啓発書ベストセラーにはない特性があると筆者は考えている。すなわち、これまでは心がまえの体得や「心の充実」のように抽象的にしか論じられなかった人間の内面を技術的に具現化し、またそれが多くの読者を獲得した点にこれらの著作の意義があると考えるのである。ポジティブ思考等はこれらの著作に始まるものではない。しかしこれらのベストセラーは、人間の内面を技術的に処理しうるものとみなす感覚を拡散させていく社会的機能を果たしたという点で重要な著作だと考えられるのである。(p.59)  自己への微細なまなざしそのものが新規大卒採用市場の状況認識や採用プロセスと結びつくその契機にこそ、社会問題を個人化する最もミクロな駆動員があるということ、また今日における「統治」の実践――すなわち行為者個々人による自動的な調整を促し、またその責任を個々人に引き受けさせるような社会問題の処理形式――が駆動する可能性があるということを私たちは認識しなければならないのである。(p.130)  文化とは、あらゆる社会的闘争目標(賭金)がそうであるように、人がゲーム(賭け)に参加してそのゲームに夢中になることを前提とし、かつそうなるように強いる闘争目標の一つである。そして競走、競合、競争といったものは文化に対する関心なしではありえないが、こうした関心はまたそれが生み出す競走や競争それ自体によって生み出されるのだ。(Bourdieu 1979)(p.256)  今日の社会において、人生のさまざまな問題を自己をめぐる問いへと絡め取ろうとするトラップ(ゲームへの誘い)が多く張り巡らされ、そこに知らず知らずのうちに、あるいは強制的に巻き込まれている人々がもしいるのであれば、そこに逃走線や抵抗線を、トラップを撹乱するような「トラブル」を起こすための資源を準備しておくこともまた意味のあることだと考えるのである。(p.258)

Posted by ブクログ

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