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男と点と線 新潮文庫
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男と点と線 新潮文庫

山崎ナオコーラ【著】

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男と点と線 新潮文庫

506

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2012/02/28
JAN 9784101383712

男と点と線

¥506

商品レビュー

3.6

44件のお客様レビュー

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2023/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あとがきにも書いてあった通り、この作家の書く物語、言葉選びのセンスはすごい。東京の話とか、名文製造機か?と思った。 フランス映画みたあとみたいな感じの読後感。あとを引く物語が多いなーと思う。 この本じゃないけど、人のセックスを笑うなと一緒になってた虫歯の話とかも、折に触れて思い出すし。 今回の短編も、とくに邂逅と、膨張の話はきっと今後も私の中に残り続けていく予感がしている。パリの話も良かった!

Posted by ブクログ

2022/10/19

違う国で起きた6つの物語集。 なんだけど、国が違うことはあとがきを読んでから気付いた。笑 外国を舞台にした話って妙に気取っていたり、優雅で羨ましいと思う反面、心がささくれだっている時は鼻で笑いたくなるような、若干の片腹痛さがあることが多い。 けれども、ゆるやかに飾らない言葉で...

違う国で起きた6つの物語集。 なんだけど、国が違うことはあとがきを読んでから気付いた。笑 外国を舞台にした話って妙に気取っていたり、優雅で羨ましいと思う反面、心がささくれだっている時は鼻で笑いたくなるような、若干の片腹痛さがあることが多い。 けれども、ゆるやかに飾らない言葉で綴られたナオコーラさんの小説は、あまりにも身近だ。だからこそ、外国が遠い世界のお話ではないような錯覚に陥る。 外国外国と言ってしまったが、6作品のうちのひとつ「膨張する話」は、唯一日本を舞台にした話で、そして私のいちばんのお気に入りだったりする。 高校3年生。2年付き合っている恋人とは一度キスをしたことがあるだけという、可愛いふたりなのだが、性に対する男子の興味と、照れからぶっきらぼうになる女子が、また違った意味で可愛い。 「なんか、顔が、…変だよ」(略) 「ごめん。お腹が痛くなってきたんだよね」(略) 「今日さ、久しぶりに海藤さんに会ったからさ、ずっと勃起してたんだよ」 「は?」 オレは面白いと思って言ったのに、海藤さんは真面目な顔をして聞いている。 「でも我慢しなきゃ、と思っていたらさ、今、お腹が痛くなってきた」 「そういうものなの?」 (略) 「もしセックスしたら、二人でもっと、いろんなことを話せるようになるよね」 と、オレは、木を見上げたまま、眉間にシワを寄せて、しんみり言った。 「いろんなこと?」 と海藤さんは聞く。 「ちんこの話とか」 「そんな話、したくない」 馬鹿げている。馬鹿馬鹿しくて素晴らしい。ああいいな。こういう会話、してるんだろうな、と思うと可愛い、高校生。 表題作の「男と点と線」もすごく良かった。 みんなが良いと思う相手を良いと思ってしまう自分がイヤで、斜に構えてムシしたりしていた男が、中年になり、ようやく純粋に相手を好きでいようと決意する話。 相手を好きだと思うことは、自分を低くすることなのだ。相手に優しくする権利が自分にあるというだけで、嬉しいことなのだ。 好きでいさせてくれるだけで、ありがたい。 さおりには何も求めない。さおりの周りにいる人間を、全員尊重する。そして、こそっと好きでいるのだ。さおりが喜ぶようなことを、少しでもできるようにする。対等でなくていい。大事にされなくていい。カップルになれなくていい。愛したい。見上げたい。惚れ込みたい。応援したい。 俺はこれからも、さおりと会う時はずっと、「あなたが大好きだ」という顔をして、一秒、一秒、見つめようと思っている。 純粋に誰かを好きでいることは、素敵だなあ。相手にわかる方法で、好きな気持ちを伝えられたら、と思ったし、伝えてほしいと思った。

Posted by ブクログ

2020/06/19

慧眼(けいがん:物事の本質を鋭く見抜く力)(2006) 夫婦の生き方。 長い目でコツコツと生きてる妻のマリエさん。 誰もが、これから先の人生なんて保証はない。 ただ、欲望や希望でその保証を作っていくのかな。 この先不安だけど、この人と居れば大丈夫な気がするし、大丈夫にな...

慧眼(けいがん:物事の本質を鋭く見抜く力)(2006) 夫婦の生き方。 長い目でコツコツと生きてる妻のマリエさん。 誰もが、これから先の人生なんて保証はない。 ただ、欲望や希望でその保証を作っていくのかな。 この先不安だけど、この人と居れば大丈夫な気がするし、大丈夫になるようになさる自分も居る。 妻さんが「スピード狂」というシャープペンシルで描いた絵は一体どんなのかしらー? スカートのすそをふんで歩く女(2009) 最後の三行がすっごい悲しい。 なんかわかる気がします。 ひとに求めることは、基本信じちゃいけない気がします。私は。 それに永遠っていうものがないし、 詰め込んで詰め込んで、満杯にして人を完璧に信じてはいけない。 なぜなら、よくある、信じてたのに、そうじゃなかったときの反動がすごいからです。 でも、信じないと、まず日常から生きて行けないから、 私は世界に一人しかいない人間だけど、世界に一人しかいない人間じゃないから。 でも、私は日々何かを信じてることは確かです。 あれーこれはなんか「矛盾」ってやつかな。 信じれない分、自分で何か、自分とそのものが一対になれるものを作って、 それを生き甲斐にして、生きて生きたい。 生きて行かなきゃ、信用なんて言葉を超えてる、家族がこの世界に居なくなったとき、 自分がしっかり入れなくなる気がするから。 邂逅(かいこい:偶然の出逢い)(2008) すっごい不思議な物語。 一瞬のうちに、人間以外の誰かも引き出した出来事が起きてた。 きれいだった。 膨張する話(2006) 少年と男性の狭間?にいる弓削田くんの、男生物全開なのが面白かった。 男と女は違う前に、 私とあなた、みんな一人一人違うのに、 訳わからなくなると、男とか女とか大人とか、そんなふうにひとくくりにしちゃうのね。 男と点と線(2008) こんなにこんなに、この人を愛そうと思って、 こんなに大切に出来る人なんて、素敵だと思った。 でも、それには、もうほかの人には作れない、 二人が作った、長年の距離があるからなのかな? この物語の先では、本当に距離が縮まってればいいな。 物語の完結(2008) あんまり安心して一緒に居れなくて、そんな雰囲気を感じるときに思う、 ヤマダさんの気持ちがすっごいわかったけど、 だんだん読んでたら、あまりにも同じことを気にしすぎるから、 もう考えるのここでストップしようよ! 逆にこんなに不安を抱くと、相手にちょっと悪いかもよ!って、思った。 客観的に観るってことは、本当に大切だ。 昨日、スムーズにいかなくて、いっぺんにイライラしている「女性」をいっぱいみた。 私もてんやわんやて、顔もどんよりしてたと思うけど、 そんな中見た、イライラしてる人を見たとき、 なーんか、イライラってマイナスだね。 すっごい可愛い子が、笑顔で、いいですよーって言ってくれた子もいたけど、 なんだかんだ言って、颯爽と帰って行った。 接客業って一瞬な時間な気がして、 その一瞬の人との関わりで、いろんな心情が爆発することがあるのね。 そうゆうぶつかりもあって、築けるものならいいけど、 その爆発が一瞬で始まって一瞬で終わる。 だから、私には無理だし、無理にしたいのだ。 喜怒哀楽を見れるのってありがたいことなのね。 謙虚なことは、自分を客観的に見ることでもあるから、 謙虚ってことは大切ですよ。って美容師さんが教えてくれたんだった。 ありがとうございます。

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