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卵をめぐる祖父の戦争 ハヤカワ文庫NV
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 2011/12/09 |
| JAN | 9784150412487 |
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卵をめぐる祖父の戦争
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卵をめぐる祖父の戦争
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商品レビュー
4.4
92件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「ナイフの使い手だった祖父は18歳になるまでにドイツ兵を2人殺している」 一体どんな経緯があってそんなことを? 祖父が語る昔話は、第二次世界大戦下のロシア・レニングラードを舞台にした、卵をめぐる特別な1週間だった――。 味方軍の大佐の娘の結婚式のために卵を1ダース探すのかふんふんと、あらすじから気軽に読めるコメディ小説かなと思って購入しました。 そんわけあるか、戦争中の話やぞ。 その上、舞台はレニングラード。ドイツ軍に囲まれ味方からの供給の途絶えたこの都市で、人々を苦しめるのは戦火だけではありません。冬の過酷な寒さと飢餓です。 人肉、地雷、生きるために性的暴行を受け入れる人々……徐々に明らかになっていく戦争の本来の姿と犠牲となっている人々の登場に何度も胸が苦しくなりました。 それでもね、やっぱりコメディ要素は十分に感じられるんですよ。 臆病な17歳の少年・レフに、嘘と冗談が得意なおしゃべり脱走兵・コーリャ。 常に緊迫した状況が続きますが、彼らの下半身だって常に正直で下ネタのオンパレード。さらにコーリャは本当によく喋るし、なんだかんだでレフだって心の中がずっとおしゃべりです。 友情だってどんどん育まれ絆が強くなっていく。 等身大の彼らの明るさが愛おしく、だからこそ戦争中という苛烈な描写のギャップが辛くなる。 できることならもっと平和な時に小競り合いでキャッキャしてほしかった。 翻訳や解説の方々が述べてらっしゃいましたが、二人の会話こそが戦時下の自由の象徴でもあるんですよ。 そんな彼らが次々と遭遇する過酷な試練、コーリャの話術や人脈でなんとか切り抜ける姿はまさに冒険。 物語への感想とは別にして、展開の妙と言いますか、本当に流れが上手いし熱いなぁ~と唸ったのがやはり最後の対アーベントロート少佐戦。 卵を探して人々と出会い道を進んでいくうちに、どんどんとドイツ軍包囲網内に近づいていくレフたち。試練も惨忍さが極まっていきます。いつしか目的は一人の無辜の少女を酷く扱った、ドイツ軍のアーベントロート少佐への復讐に代わり……。 いや君たち卵はどうした、そしてレフはいつナイフで活躍するんだ。 この疑問が対アーベントロート少佐戦で一気に解消されるのが、物語の展開として非情に熱かった。 レフが一人立ち向かうことになる展開も一切無理がなく、カタルシスが全てここに詰まっていました。 憎むべき相手であるはずのアーベントロート少佐のキャラも強い。できれば平和な世でもう一度レフと戦ってほしかった。 果たしてレフとコーリャはどうやって目的を達成するのか。 次々と出てくる女の子たちに祖母はいるのか。 下ネタ混じりに過酷な戦時下を進んでいく青年たちの友情と冒険譚、ぜひお楽しみください。
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ナチスドイツ軍のレニングラード包囲戦中にソ連で脱走兵として捕まり、国民全体が飢餓の最中、軍の大佐の娘の結婚式用の卵1ダースの調達を命じられる少年二人の話。 下ネタばかり言う憎めない美少年コーリャとチェスは得意で自信がない少年レフのロードノベルです。 卵を探し歩く中での戦争の地...
ナチスドイツ軍のレニングラード包囲戦中にソ連で脱走兵として捕まり、国民全体が飢餓の最中、軍の大佐の娘の結婚式用の卵1ダースの調達を命じられる少年二人の話。 下ネタばかり言う憎めない美少年コーリャとチェスは得意で自信がない少年レフのロードノベルです。 卵を探し歩く中での戦争の地獄が強烈です。なかなかキツいです。 でも人物の魅力でぐいぐい読まされました。二人が喋ってばかりいて、辛い状況なのに不思議と前向きになれます。
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昔読んだときにはfeelしない気がして途中で挫折してしまっていたデイヴィッド・ベニオフの長編小説を改めて読み直した。きっかけはあるPodcastの影響。わたしは読書に関してもかなり影響を受けやすいのだけれど、そんな自分のことも、影響からはじまる読書のチャンスも、わりと愛おしく思っ...
昔読んだときにはfeelしない気がして途中で挫折してしまっていたデイヴィッド・ベニオフの長編小説を改めて読み直した。きっかけはあるPodcastの影響。わたしは読書に関してもかなり影響を受けやすいのだけれど、そんな自分のことも、影響からはじまる読書のチャンスも、わりと愛おしく思っている。 さて。これは祖父が孫に語る戦時中の特別だった7日間の物語。卵はひとつのきっかけで、それよりも残酷で凄惨で愚かな戦争のなかにも、あるいはだからこそ(であれ戦争は絶対に肯定しないけれど)あった青春の、友情と恋をめぐる物語。 祖父が孫に語る、ということは若き日の彼はこの戦争に生き残るということでもあって、つまりは傷付き苦しみ疲弊しながらもある種のハッピーエンド(解決と言ってもいい)に向かうことが“わかっている”物語。それでも読み進めていけば、そのなかには幾つものドラマがあって、冷めることなくのめり込んで、悲しんだり憤ったり喜びを感じたり、ときにニヤつきながらあらゆる角度から感動していた。ああ、物語を読むというのはこういうことでもあったのだった、と改めて思ったりもして。寄り添うように読んでいけば、しっかりとfeelしてくれる素晴らしい小説だった、と今回は納得できた。 それとこれは、もうひとつの書かれることのなかった小説にまつわる物語でもあって。『中庭の猟犬』というタイトルのその小説は、もし読むことができたならきっと大好きになっていたような気もしている。引きこもりの男と犬にまつわる物語。ああ、そうだデイヴィッド・ベニオフはあのピットブルブルを救うことからはじまる傑作、『25時』を書いた作家だものな、と少し本編から離れたところでも納得していたのだった。
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