商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2011/11/11 |
JAN | 9784480094070 |
- 書籍
- 文庫
方丈記
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方丈記
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商品レビュー
3.8
14件のお客様レビュー
原文は想像以上に短い。推敲を重ね、無駄を削ぎ落として残ったものが、方丈記であり方丈庵なのだろう。 「完璧とは、何も足すものがなくなったときではなく、何も引くものがなくなったときに達成されるものである」を思い出した。ドラッカーとかジョブズとか多々引用されてるが、オリジナルは確かサン...
原文は想像以上に短い。推敲を重ね、無駄を削ぎ落として残ったものが、方丈記であり方丈庵なのだろう。 「完璧とは、何も足すものがなくなったときではなく、何も引くものがなくなったときに達成されるものである」を思い出した。ドラッカーとかジョブズとか多々引用されてるが、オリジナルは確かサン=テグジュペリだったか。 対句で物事を鮮やかに対比、列挙。繰り返しの語句による独特のリズムが味わい深い。 接続詞の使い方が印象的。語の意味や込められた思いは言うに及ばず、生み出される間が絶妙。冒頭の「しかも」は秀逸。 章分けはもとより段落や句読点も底本にはなさげ。著者が読み易さを考慮して追加か。読点がいい味を出しているが、多用しすぎの感も。 今なら、すわ盗作かと炎上しそうな箇所も少なからずある。解説によると、傑作を巧みに取り込んだ良質のオマージュ。 著者の長明愛が深い。好きすぎて、思い入れ思い込みが強すぎて、独断と偏見に基づく長明贔屓の解釈、推測、空想、妄想が解説に散見される。だが、それがいい。自覚はあるようで、一般には受け入れられていない自説には、定説ではない旨がちゃんと記されている。 なんか語りたくなる文章、超長文になったので以下割愛。
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荒廃した時代の中に置かれた筆者の優しい価値観が淡々と語られている随筆だった。 かなり昔の作品だが、現在の自分の思想にも通ずるところがあり、人間の営みや感受性は変わらないんだと感じた作品だった。 自分もこんな達観した世界に住みたいと思う。
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古典を読むといつも感銘を受けるのは、今とは常識も価値観も大きく異なっていたであろうにもかかわらず、人間社会の生きづらさは通底しているのだということ。 鴨長明は、方丈庵での侘び住まいにいかに自足しているかを、まるで「聞かれてもいないのに主張」するように綴っている。それは長明の心の激...
古典を読むといつも感銘を受けるのは、今とは常識も価値観も大きく異なっていたであろうにもかかわらず、人間社会の生きづらさは通底しているのだということ。 鴨長明は、方丈庵での侘び住まいにいかに自足しているかを、まるで「聞かれてもいないのに主張」するように綴っている。それは長明の心の激しさとも捉えられるけれど、私は、この世を愛したいという切なる想いの裏返しだったのではないかと思う。本当に他人のことがどうでもよいなら、俗社会で生きたって同じはずだ。でも実は長明は、「数にも入らない類の人々」の死を思い遣る繊細さを持つ。その一方で、社会において自分に嘘がつけず妥協できないがゆえに、本意ではないのに苛烈になってしまうこともある。そういう長明にとって方丈庵での暮らしは、距離を取ることで、できる限り自分のことも人間社会のことも傷つけずにいるための、精一杯の生きる方策だったのではないかと思う。
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