方丈記 の商品レビュー
原文は想像以上に短い。推敲を重ね、無駄を削ぎ落として残ったものが、方丈記であり方丈庵なのだろう。 「完璧とは、何も足すものがなくなったときではなく、何も引くものがなくなったときに達成されるものである」を思い出した。ドラッカーとかジョブズとか多々引用されてるが、オリジナルは確かサン...
原文は想像以上に短い。推敲を重ね、無駄を削ぎ落として残ったものが、方丈記であり方丈庵なのだろう。 「完璧とは、何も足すものがなくなったときではなく、何も引くものがなくなったときに達成されるものである」を思い出した。ドラッカーとかジョブズとか多々引用されてるが、オリジナルは確かサン=テグジュペリだったか。 対句で物事を鮮やかに対比、列挙。繰り返しの語句による独特のリズムが味わい深い。 接続詞の使い方が印象的。語の意味や込められた思いは言うに及ばず、生み出される間が絶妙。冒頭の「しかも」は秀逸。 章分けはもとより段落や句読点も底本にはなさげ。著者が読み易さを考慮して追加か。読点がいい味を出しているが、多用しすぎの感も。 今なら、すわ盗作かと炎上しそうな箇所も少なからずある。解説によると、傑作を巧みに取り込んだ良質のオマージュ。 著者の長明愛が深い。好きすぎて、思い入れ思い込みが強すぎて、独断と偏見に基づく長明贔屓の解釈、推測、空想、妄想が解説に散見される。だが、それがいい。自覚はあるようで、一般には受け入れられていない自説には、定説ではない旨がちゃんと記されている。 なんか語りたくなる文章、超長文になったので以下割愛。
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荒廃した時代の中に置かれた筆者の優しい価値観が淡々と語られている随筆だった。 かなり昔の作品だが、現在の自分の思想にも通ずるところがあり、人間の営みや感受性は変わらないんだと感じた作品だった。 自分もこんな達観した世界に住みたいと思う。
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古典を読むといつも感銘を受けるのは、今とは常識も価値観も大きく異なっていたであろうにもかかわらず、人間社会の生きづらさは通底しているのだということ。 鴨長明は、方丈庵での侘び住まいにいかに自足しているかを、まるで「聞かれてもいないのに主張」するように綴っている。それは長明の心の激...
古典を読むといつも感銘を受けるのは、今とは常識も価値観も大きく異なっていたであろうにもかかわらず、人間社会の生きづらさは通底しているのだということ。 鴨長明は、方丈庵での侘び住まいにいかに自足しているかを、まるで「聞かれてもいないのに主張」するように綴っている。それは長明の心の激しさとも捉えられるけれど、私は、この世を愛したいという切なる想いの裏返しだったのではないかと思う。本当に他人のことがどうでもよいなら、俗社会で生きたって同じはずだ。でも実は長明は、「数にも入らない類の人々」の死を思い遣る繊細さを持つ。その一方で、社会において自分に嘘がつけず妥協できないがゆえに、本意ではないのに苛烈になってしまうこともある。そういう長明にとって方丈庵での暮らしは、距離を取ることで、できる限り自分のことも人間社会のことも傷つけずにいるための、精一杯の生きる方策だったのではないかと思う。
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学校で習った記憶がありましたが、改めて読んでみるとめちゃくちゃ深い本でした。 著者の飾らない性格が文章から感じられ、とても親近感がわきました。 1212年に書かれた本作ですが、現代にも通じる考え方が描かれており、「やっぱり読み続けられている名著というのはすごい!」と感じました。 ...
学校で習った記憶がありましたが、改めて読んでみるとめちゃくちゃ深い本でした。 著者の飾らない性格が文章から感じられ、とても親近感がわきました。 1212年に書かれた本作ですが、現代にも通じる考え方が描かれており、「やっぱり読み続けられている名著というのはすごい!」と感じました。 ぜひぜひ読んでみてください
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平安末期に放蕩息子として、生まれた主人公は5度にわたる都に広がる天災を目にし、この都の生活に疑問を持ち、出家し、何不自由なく暮らしていた都での生活に別れを告げ山に小屋を作って、みすぼらしく、不自由な生活の中で自分の幸せを見つけるのだが…拘りが無くなったかのような生活の中で自己矛盾...
平安末期に放蕩息子として、生まれた主人公は5度にわたる都に広がる天災を目にし、この都の生活に疑問を持ち、出家し、何不自由なく暮らしていた都での生活に別れを告げ山に小屋を作って、みすぼらしく、不自由な生活の中で自分の幸せを見つけるのだが…拘りが無くなったかのような生活の中で自己矛盾に気付いてしまうのである。
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源平の争乱を鴨長明の目から見てみよう、と思って読んだ。ドラマとしての平家物語を、歴史の流れの中で感じることができた。福原遷都は五大災厄のひとつ、世の中終わりみたいな10-20年間だったんだな。長明の謎に包まれた人生もまた、簡素で美しい文章の中に昇華されている。この出会いをくれたN...
源平の争乱を鴨長明の目から見てみよう、と思って読んだ。ドラマとしての平家物語を、歴史の流れの中で感じることができた。福原遷都は五大災厄のひとつ、世の中終わりみたいな10-20年間だったんだな。長明の謎に包まれた人生もまた、簡素で美しい文章の中に昇華されている。この出会いをくれたNHKラジオ古典講読に感謝。
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有名だが全編読んだ事は無かったので、読破出来たことは趣深いw リズムのある美しい詩のような文章で、日々の普通の事が綴られているのが面白かった。 最後に住まわれていた庵を再現した所に行ってみたい。
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方丈記は実は文庫本にして20頁に満たない程のものであるとは知らなかった。 「草枕」の出だしとゴロの流れは全く同じと云うのは誰しもが知っていることだろう。 そして中身を読み進めると、終始漂う厭世感は、聖書のコヘレトの言葉(伝道の書)と同内容と言える。 歴史のフィルターを経過し...
方丈記は実は文庫本にして20頁に満たない程のものであるとは知らなかった。 「草枕」の出だしとゴロの流れは全く同じと云うのは誰しもが知っていることだろう。 そして中身を読み進めると、終始漂う厭世感は、聖書のコヘレトの言葉(伝道の書)と同内容と言える。 歴史のフィルターを経過して残っている書物には、国の違い、時代の違いを超えて、真理としての共通点が有るのだろう。
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流れるようなリズムがいい。慣れない古典でも心地いい。夏目漱石が愛読したのも頷ける。 中世文学の研究者である浅見氏がまとめた書。日本語訳に加え、時代背景や関連する書物の紹介が、理解を深める役割をしている。
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始めに原文、後半に解説。 方丈記って、実はすごく短いので、日本人の思想の原点として読むべきだと思う。 震災以降、変わってしまった日本人の死生観を見つめ直すためにも。
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