商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/07/07 |
JAN | 9784062170840 |
- 書籍
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畦と銃
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畦と銃
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商品レビュー
3.9
19件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「宝島」の前哨戦的作品。ある山間の村の歴史を個人の立場から描いた、らしいけど、少し手法が粗削りな感がある。 問わず語りな語り口が読みやすく躍動感も溢れるのだが、ウッドマンたちの会話が延々と続くところは閉口した。でも、これも宝島が出来上がるまでの試金石だと思うと許せます。
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「日本の根幹を支える農業・林業・畜産を描く絆と再生の物語」 などという帯文から堅苦しい内容を想像してたらとんでもない! 中身はエンターテイメントに徹した、ロック魂炸裂のクライムノベル。 離農を考える二十代後半の農夫・林野省の役人の若い女性・牧場の手伝いにくる小学生の視点でそれぞれ...
「日本の根幹を支える農業・林業・畜産を描く絆と再生の物語」 などという帯文から堅苦しい内容を想像してたらとんでもない! 中身はエンターテイメントに徹した、ロック魂炸裂のクライムノベル。 離農を考える二十代後半の農夫・林野省の役人の若い女性・牧場の手伝いにくる小学生の視点でそれぞれ語られているのだが、一人称視点の文体が全く違い、引き出しの多さに驚かされる。私は特に「第二次間伐闘争」の女性支点の、ニュートラルでポエティックな文体が好みだった。 キャラクターも立ちまくり!村中から頼りにされる最強の農夫(70目前)をはじめに、後家や古女房にモテまくりの色香匂い立たせる美青年、補聴器の上からヘッドホンを装備するその親友など、畔の区切りにおさまりきらない通称「あぜやぶり」と呼ばれる暴れん坊たちの活躍が痛快極まる。 就農・離農など、田舎の農村が抱える問題を取り上げながら、けっして堅苦しくならずエンターテイメントに落とし込んだ手腕は見事。 「(前略)百姓には百の業がある。その一つめが一揆だ」の演説はかっこよすぎる。 それでいてミステリーというにはささやかな成り代わりの仕掛けも憎い演出。 全編の共通項として「ミスリードによる人違い」が挙げられるのだが、ある人が帰還するエピローグでもそれは健在。餞別を見て初めて気付いた、自分は完全にだまされてしまった……。 登場人物も一部共通しており、「拳銃と農夫」のキャラクターが後の話に思いがけぬ形で登場する演出もスマート。同じ村を舞台にしながら時間が進んでいくので、あの人がまさかこうなるとは!と驚く。西部劇のカウボーイを例に引くまでもなく、農業とハードボイルドは相性がいいのかもしれない。 二話目の林業と共感覚を絡めた発想も面白いし、三話目は悪たれ牧童たちのジュブナイルな青春・成長小説で、皆テイストが違い飽きることなく一気読みできる。一番好きなキャラクターは惣。 惚れたら一直線の血筋を感じさせる、親子の会話に痺れた。
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方言丸出しの力強い言葉と、農業、林業、畜産という3つの第一次産業をテーマにした、ミナギという村を舞台にしたハードボイルド小説。 最強の農夫を巡る争いが、一揆に発展する。離農と就農という問題をガツンと一発入れるような衝撃を与える、「拳銃と農夫」。 「第二次間伐戦争」ではロック...
方言丸出しの力強い言葉と、農業、林業、畜産という3つの第一次産業をテーマにした、ミナギという村を舞台にしたハードボイルド小説。 最強の農夫を巡る争いが、一揆に発展する。離農と就農という問題をガツンと一発入れるような衝撃を与える、「拳銃と農夫」。 「第二次間伐戦争」ではロックフェス会場を作るためにn伐採を進める中で起こる林業の縄張り問題。山を守るロマンと、伐採作業の緊迫感、山に対する感覚である「感取り」という概念が面白い。 「ガウチョ防衛線」は、子供達が酪農場を襲撃してくる大人から守るという話。 3つのストーリーが少しずつ繋がっていて、ミナギという村への輪郭を徐々に決めていく。さくさくと進む力強くも軽快な文体で読み易い。
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