からまる

千早茜【著】

• 販売会社／発売会社: 角川書店/角川グループパブリッシング
• 発売年月日: 2011/02/28
• JAN: 9784048741736

商品レビュー

2025/01/18

リレー形式で主人公が入れ替わる連作。
誰もがどこか不安定な部分を抱えている。愛や性、生とは、なんなのか。
きっと正しい形はないのだと思う。誰にも分からないのだと思う。

死も生の一部。

湿り気のあるどんよりした表現が特にリアルで引き込まれた。

2025/01/01

・人は結局の所、1人なんだと。
でも、個人が思う、考え方やイメージ・行動動機。
どんな事でも良い。他者と共有できたりすると、凄く嬉しくなるんだよな。

・表出しさえしなければ、人は他者を自分が見たい様にしか見ないし、踏み込んでも来ないんだと思う。
だから、自分が知っている「自分」と他者がそうだと思う「自分」は違うんだと思う。

・本当の意味での多様性ってこうゆう事なのかな〜と。
それぞれの登場人物の立場で、死生観・私とは何？・海の底・無性生物・分かり合えないけどわかり合いたいやるせなさを、自分の内の対話する様に読めた作品。

・色で感情の機微を表現する所が新鮮。

2024/12/19

千早茜さんの本を古いものから順に読みすすめている最近、ドロドロと生々しい感じに少し疲れていたところで、こちらは読みやすくて素敵な短編だった。
とくに華奈子視点の「うみのはな」は田村の素直さに感化されながら、過去に向き合って、すっきりした気分で進んでいく姿が読後感がよくて、好き。