商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2010/10/01 |
JAN | 9784591119259 |
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「帰宅」 無責任に家から逃げ出してしまったのだから、その結果は当然受け入れなくてはならない。 ずいぶん温かく迎えられた、と思う。 「最初に出ていかなきゃよかったのよ」という、アレクサンドリーヌの言葉が、心に残る。 まったくだ。 「小さな弟」 そうか、子供たちには見せないのか。 い...
「帰宅」 無責任に家から逃げ出してしまったのだから、その結果は当然受け入れなくてはならない。 ずいぶん温かく迎えられた、と思う。 「最初に出ていかなきゃよかったのよ」という、アレクサンドリーヌの言葉が、心に残る。 まったくだ。 「小さな弟」 そうか、子供たちには見せないのか。 いや、子供たちの世話が大変で、出産にさしさわりがでるから、預けられるのか。 新しい家族。 「いちばん罪深い者」 なんというか、微笑ましいというか、愛すべき人物というか。 分かった顔して気どっている人たちよりも好感が持てると、私はつい思ってしまう。 「ふたりの乞食」 なんと愛される乞食! 家がある乞食! 爺さんの死に際の描写は、かわいそうだった。 夫婦の死別は、辛いだろう。 一人になってから働きに出るというのは、なんだか不思議なようにも見えるけれど、大切な人を失った心を埋めるためなのだろうな、と思う。 「強情な娘」 気持ちが、よくわかります。 こうしたほうがいい、と頭の奥のほうではわかっている。 それでも、意地というか、今までの自分の行動との一貫性の惰性・感情は強い。 理不尽さから怒りや不服の感情を持つのも当然だし。 可愛そうに。 彼女には彼女の言い分と苦しみがあり、それは実にリアルに描かれている。 「老人の死」 大切な人を失って、気力と生命力が無くなってしまう様が、上手に描かれていた。 ああなるほど、こんな感じなのか、と。 通夜や葬式では周りに人がいて、なんとなく気が張っていたけれど、いざ一人の生活が始まると、ぼんやりして食欲がなくなり、死に向かってゆく。 悲しいな。 「甚七南画風景」 自分の人生を辿るように、気の向くままに老後の毎日を生きている。 なんと幸せな。 家族も、困ったり怒ったり呆れたりしながらも、おじいさんを大切にしている。 ああ、こうありたい。 そう思える晩年だ。 最後の一文に、なんだか死の予感も漂っていて、ほのかに切ない。 「みかげ石」 私は自然描写が続くと飽きてしまう。 多分、想像力が弱いのだろう。 だから、この話は比較的退屈だった。 読むのに時間がかかってしまった。 現実と童話が入り混じったかのようなテイストだった。
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フィリップ『帰宅』『小さな弟』『いちばん罪深い者』『ふたりの乞食』『強情な娘』『老人の死』 坪田譲治『甚七南画風景』 シュティフター『みかげ石』
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大きな石でできたとても古い腰かけから思い出される、お祖父さんの忘れがたい話、シュティフィターの「みかげ石」が印象的でした。
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