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谷崎潤一郎マゾヒズム小説集 集英社文庫
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谷崎潤一郎マゾヒズム小説集 集英社文庫

谷崎潤一郎【著】

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谷崎潤一郎マゾヒズム小説集 集英社文庫

528

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2010/09/16
JAN 9784087466065

谷崎潤一郎マゾヒズム小説集

¥528

商品レビュー

3.5

81件のお客様レビュー

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2025/09/02

谷崎潤一郎のマゾヒズム関連作品を集めた短編小説集。石を投げればマゾヒズム小説に当たりそうな谷崎作品の中から厳選された下記6作品が収録されています。 『少年』 少年がマゾヒズムに目覚める物語。永井荷風が絶賛したとのこと。性の目覚めとマゾヒズムの目覚めがほぼ同時に訪れる点が早熟な谷...

谷崎潤一郎のマゾヒズム関連作品を集めた短編小説集。石を投げればマゾヒズム小説に当たりそうな谷崎作品の中から厳選された下記6作品が収録されています。 『少年』 少年がマゾヒズムに目覚める物語。永井荷風が絶賛したとのこと。性の目覚めとマゾヒズムの目覚めがほぼ同時に訪れる点が早熟な谷崎潤一郎らしい。 真っ白な右脚の脛を見せた光子の初登場に「この人が女王様だ」と思ったものだが(だいぶ谷崎の嗜好にやられてます)、弟の信一が最初のご主人様だった。やがて、夜の西洋館で覚醒した姉が女王様となる。 夜の西洋館に忍び込む濃密な描写が秀逸。西洋館で待つのは洋服の美少女。もちろん素足。まだまだ“洋服“は特別な時代です。 『幇間』 幇間を載せた花見船の描写がワクワクする。河原や橋の上の人びとを巻き込みながら船は隅田川を登っていく。 幇間三平に「惚れた女に指図されたい、馬鹿にされたい」という嗜好が多少あるのはわかるけれども、三平のは、マゾヒズムというよりただのお調子者の幇間気質なんじゃないかと思う。コミュ力があって潤滑油となれる現代社会でも重宝される性格ですね。 『麒麟』 谷崎のデビュー翌年の作。「孔子を主人公に書いてみました。漢文の素養くらい当然持ってます。」みたいな作品。 孔子が衛の南子夫人に太刀打ちできなかったって話で、南子夫人の被虐趣味に引き込まれたとか魅せられたという話ではないのに、何故この『マゾヒズム小説集』に収録されたのか、僕には分かりません。 『魔術師』 「少年」「幇間」「麒麟」とデビュー間もない作品が続いたが、これはデビュー7年後の大正期の作品。西洋やオリエント等々への憧れを絢爛な文章で並べ立てた幻想文学。「乙女の本棚」向きだなと思ったら、既刊でした。中公文庫版の「人魚の嘆き・魔術師」の挿絵が素晴らしいそうなので、今度見てみようと思う。 『一と房の髪』 大正期、震災後の作品。混血の男3人がロシアの亡命貴族の未亡人を奪い合い、震災で倒壊した建物の中で火の手の迫る中、決闘をするのだが、語り手の男は命が惜しくなり自分だけ逃げ出してしまう。 震災前の『魔術師』と連続で読まされると、「震災をキッカケに何かが変わってしまったんだろうな」と深読みしたくなります。 『日本に於けるクリップン事件』 「マーダーケースブック」にも収録されていたホーリー・クリッペンの事件を紹介し、「日本でも同様の事件が見つかったよ」と報告する変な構造の小説。クリッペン事件の動機を勝手に解釈して、マゾヒストの精神構造について熱く語る部分が面白い。ついつい説明したくなっちゃうんでしょうね。 本作は芥川龍之介と谷崎との有名な論争のキッカケにとなった作品らしいのだが、それはマゾヒズムとは別の話。

Posted by ブクログ

2024/12/26

エロティシズムとしてのM性に訴えてくるのは、最初に収録されている「少年」くらい。後はモチーフや設定としてマゾをとりあげてはいるが、それに由来する人間の心理の複雑さであったり、耽美の追求であったり、マゾヒズムとは何かという解説であったり、どちらかというとマゾヒズムという「世界観」を...

エロティシズムとしてのM性に訴えてくるのは、最初に収録されている「少年」くらい。後はモチーフや設定としてマゾをとりあげてはいるが、それに由来する人間の心理の複雑さであったり、耽美の追求であったり、マゾヒズムとは何かという解説であったり、どちらかというとマゾヒズムという「世界観」を冷静に描写しているという感じ。一方で「少年」には、おふざけの遊戯の成り行きから年上の少女に支配される行為の蠱惑さそのもの、つまり萌芽ではあるがエロの官能そのものが描かれていて、これを恋愛として昇華すれば谷崎なんだろうけど、これをさらに人として超えてはならない猟奇や変態として追求すれば江戸川乱歩だなぁと思った。この2人の作家の関連性を調べてみたら、なんと完全な同世代作家同士でどうやらお互いにリスペクトする間柄だったようだ。純文学作家のイメージの谷崎潤一郎と娯楽小説作家の江戸川乱歩の境界は原初的にはないも同然で、官能小説の中には純文学のような感情の機微を描いたものもあるだろうし、純文学もエロ目的で読めないこともないのと同じだなと思った。

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2024/06/08

未読のまま放っておいた。 谷崎のマゾヒズム小説6篇を集めた文庫本 マゾヒズムとは.... 相手から精神的、肉体的苦痛を与えられることによって性的満足を得る異常性欲。 オーストリアの小説家ザッヘル=マゾッホのからの語。 被虐性愛。マゾ。 マゾか。 ないな、自分には….. だ...

未読のまま放っておいた。 谷崎のマゾヒズム小説6篇を集めた文庫本 マゾヒズムとは.... 相手から精神的、肉体的苦痛を与えられることによって性的満足を得る異常性欲。 オーストリアの小説家ザッヘル=マゾッホのからの語。 被虐性愛。マゾ。 マゾか。 ないな、自分には….. だから登場人物たちの気持ちに、どれも感情移入はできない。 それよりも、これらヘンテコリンなお話を、流麗な文章で綴っていく谷崎の筆力、というより魔力に恐れいった。 "鹿麟"の南子(なんし)夫人の残虐や、 "魔術師"における魔術師に魅入られた主人公の悲劇とか... 6篇のなかでは、 "ーと房の髪"の露西亜人、オルロフ夫人が凄ぶる魅力的であ る。 彼女が、舞踊"石橋(しゃっきょう)"の獅子の精のような赤毛の持ち主ってのがスゴい。 石橋の獅子の精の赤毛って、ほんと真っ赤っかですよ。 そんな美貌の赤毛夫人の虜になっていく3人のオトコたちが、あの関東大震災を交えた話として展開され、なかなかスリリングです。

Posted by ブクログ