マスコミは何を伝えないか メディア社会の賢い生き方

下村健一【著】

• 販売会社／発売会社: 岩波書店
• 発売年月日: 2010/09/22
• JAN: 9784000248099

商品レビュー

2025/01/19

SNSの台頭によってかなりその地位が揺らいでいるとはいえ、いまだに一定の影響力を持つマスメディア。このマスメディアの立場から、どうしても偏りが生まれている実情と、その対策をまとめた一作。

メディアはその特性としてニュースになる部分を切り取ってしまう。それが全体を表しているわけではないため、鵜呑みにすると誤った(偏った)情報で判断してしまうことになる。(北京オリンピックの聖火リレーにおいて長野で起きた中国人の小競り合い)

まだ報道は人間が作り出すものなので、どうしても懲罰的な報道や対立構造を際立たせるような報道になりがち。こうした報道は時に被害者すらも地獄に落としてしまう。

こうした不完全なメディアに対して、受信者である我々も前提の理解や映っていない何かを想像できるだけの力が必要。特に我々は大量の報道を目にすると、分かった気になり、感覚が麻痺して想像量が欠如してしまう。これがメディリテラシーに繋がる。

2013/04/16

図書館より
どのような報道被害があるか、からそれの解決の方法をメディアの視点からそして受け手の視点から書いた本となっています。

実際にメディアで活躍されている方の本なので、報道被害についての話はどれもリアリティがあってなるほど、と思わされました。

各章で対談が入っているのも面白い。特に実際に報道被害にあった人や、事件被害者の遺族の方との対談は、普段テレビで見るだけで実際取材攻勢に遭ってしまう方の気持ちを考えることがなかったので新鮮でした。

メディアリテラシーについては本を何冊か読んできた中で、いかにニュースを額縁どおりに受け取るだけでなく、そこから自分は何を考えるかが重要である、ということを考えるようになってきたと思います。

2011/12/27

一つの情報源だけで鵜呑みにするのはやめましょう。たとえインターネット以外の調べ方が思いつかない場合であっても、せめてウェブ上の他の情報源もちゃんと洗って、複数の記述が一致する部分だけを、まあ信ぴょう性が高いのかなぐらいに受け止める、それがせいぜいだと思います。