商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2010/08/19 |
| JAN | 9784003279625 |
- 書籍
- 文庫
緑の家(下)
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商品レビュー
4.1
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ノーベル文学賞受賞のバルガス・リョサ氏の代表作。ピウラを中心としたペルー・アマゾン地域を舞台に、40年に渡る5つの物語を分解し時系列を変え交錯させ再構築して物語を紡いでいる。そのため一度で全体像を理解することはほぼ不可能。しかし終盤に向かってすべての物語が繋がり纏まっていく奇妙な...
ノーベル文学賞受賞のバルガス・リョサ氏の代表作。ピウラを中心としたペルー・アマゾン地域を舞台に、40年に渡る5つの物語を分解し時系列を変え交錯させ再構築して物語を紡いでいる。そのため一度で全体像を理解することはほぼ不可能。しかし終盤に向かってすべての物語が繋がり纏まっていく奇妙な感覚を味わる。初見は起承転結はほぼ分からないまま字面を追う読み方になろうが、それでも惹き付けられる不思議な魅力がある。作品の根幹がしっかりしている完成度の高さゆえだろう。ラテンアメリカ文学には知識習得や感情移入や娯楽性といったものとは異なる小説だけが持つ固有の表現手段を試す作品が多いが、その代表的作品といえよう。
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たしかバルガス=リョサは自伝『水を得た魚』で、登場人物について詳細なメモを書きながら、フォークナーの『野生の棕櫚』を読解していったと書いていた。彼はそのときの読書の快楽を思い出しながら、この複雑な構成の小説を書いたのだろう。わたしは完全にはあらすじ、人物相関図を把握できなかった。...
たしかバルガス=リョサは自伝『水を得た魚』で、登場人物について詳細なメモを書きながら、フォークナーの『野生の棕櫚』を読解していったと書いていた。彼はそのときの読書の快楽を思い出しながら、この複雑な構成の小説を書いたのだろう。わたしは完全にはあらすじ、人物相関図を把握できなかった。しかし、テーマが何だったかのほうが重要だ。たとえ狡猾に生きようとする密輸業者などがいても、彼らはしょせんは徒花であり、尼僧院や軍部という権力、権威にインディオなどの庶民が抑圧され、搾取され、廃棄されていくペルー社会がテーマだ。
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40年に渡る南米の密林と砂漠に生きる人々の生活を描いた群像劇。 文体や物語自体で苦労することはないが、構成がとても難解で慣れるまでスムーズに頭の中を整理できず苦労した。人が大勢出てくるし、同じ人を違う名称で呼ぶのなんて序の口で、時系列と場面がごちゃごちゃに切り替わるし、何の脈...
40年に渡る南米の密林と砂漠に生きる人々の生活を描いた群像劇。 文体や物語自体で苦労することはないが、構成がとても難解で慣れるまでスムーズに頭の中を整理できず苦労した。人が大勢出てくるし、同じ人を違う名称で呼ぶのなんて序の口で、時系列と場面がごちゃごちゃに切り替わるし、何の脈絡もなき突然回想に入って、しかも回想になったことに気付きにくいといった正直最初は読ませる気あるのか疑いたくなるような構成だった。ただ、慣れてからは物語の面白さに引き込まれ構成故に上手く騙されていた部分が分かってきて、この小説の醍醐味を味わえたと思う。読み終わった今となっては、全部時系列順とかに並んでたらここまで楽しめる小説にはならなかっただろうと思うまでになった。 全体を通してあまりテーマ性が見えて来ず、この小説でテーマ性を求めることは陳腐なのかもしれないが、どこか不安を抱え何かを求めている人たちの物語だったと思う。時間とともにどんどん立場も状況も変わっていく中でも、それでも過去は追いかけて来て、そんな中で過去に囚われ変われない人もいれば過去を笑い飛ばせる人、過去を活かしている人と様々な向き合い方が示されていた。物語の時間が進むにつれ、私自身も一緒に年を取っていったように思える小説だった。人物が「生きている」ということを強く感じた。 個人的には、最後のセバーリョス医師とガルシーア神父の会話が好きでこれまでの40年を見てきた二人の会話は驕った見方かもしれないが私の感想のようだった。
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