商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 秋田書店 |
発売年月日 | 2010/08/05 |
JAN | 9784253104906 |
- コミック
- 秋田書店
COCOON
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COCOON
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商品レビュー
4.3
74件のお客様レビュー
☆3.5 徹底的な男性性の排除できらきら 『編集とは何か。』(星海社新書)に、「cocoon」の秋田書店の担当編集者だった金城小百合へのインタヴューが載ってゐる。 金城といふ苗字のとほり、沖縄のかただ。 インタヴューによると、当時まだ20代の若手だった今日マチ子は、ひめゆり...
☆3.5 徹底的な男性性の排除できらきら 『編集とは何か。』(星海社新書)に、「cocoon」の秋田書店の担当編集者だった金城小百合へのインタヴューが載ってゐる。 金城といふ苗字のとほり、沖縄のかただ。 インタヴューによると、当時まだ20代の若手だった今日マチ子は、ひめゆり学徒隊の話を引き受けるのに躊躇した。しかし金城が作家の描く描かないの決意表明のまへに、先に沖縄につれていって取材をさせ、金城の叔父の家に泊めてもてなしもした。 つまり、編集者が「引き返せない」やりかたまでさせた作品なのだ。 そしてこの「cocoon」が、今後の作者の方向性を決定させもした。 それが気になって読んでみた。 この話は、今日マチ子のあとがきにあるとほり《時代も場所もあやふやな、夢のなかで再生される戦争の話です。》が正確だとおもふ。 どことなく少女どうしの強い結束感がありながら、戦中のグロテスクさが遍在してゐる。 しかし戦中とはおもへぬ、妙に透明で乾いたタッチにきらきらがある。作者が女性であり、かつ絵の非写実的なタッチもそれをふくらませてゐる。そしてその、どこかハードボイルドのタッチの少女世界が、ふいにあらはれるグロテスクさをきはだたせる。 この印象に残る艶っぽさは、どうやら、少女しかゐない世界にあらはれた、東京からの器量よしの転校生・マユの存在と、そして蚕の繭=ガマに代表される少女的な空想メタファー(マユといふ名前もさうだ)が大きい。そして、マユといふ自律した存在の恢復役、または頼り頼られといった関係は、どこか百合のやうに見えなくもなかった。(真相は異なるが。) 私には、いくらかきらきらが誇張されてゐるやうに感じるこの作品の少女世界が、実際に沖縄で経験されたことなのか、わからなかった。 当時の男性的な戦争のさしせまる終局に、それも人間性すら木端微塵に破壊されうる緊迫に、こんな空想する余裕が、しかも少女性がはたして残ってゐたのか? それとも空想しかできぬほど追ひ詰められてゐたのか? この作品の主人公・サンは後者だ。グロテスクさも、まるでどこかファンタジー上のグロテスクさのやうな…… さらにマユのやうに自律して正気を保ち、自決からも逃れる人間が当時実際ゐたのか? 現在の価値観をもった作者によって設定されたキャラクターと感じなくもない。 乾いた筆致は少女の空想のうちでとまって、つきぬけなかった。いはば空想もまじへて追体験させる物語が、どれだけ実際であるか? 作者が体験したものでない以上、これが現実と地続きなのか、あやうさがつねにつきまとってゐた。 それはなかばフィクションであるゆゑの問題でもあるのだ。 やはり《夢のなかで再生される戦争の話》といふのが適当なところだらう。 私がこれを読んで思ひ出すのは、メタファーにたいするスーザン・ソンタグの決意表明である。ソンタグは大江健三郎との往復書簡でも、大江の用ゐたメタファーを批判した(『暴力に逆らって書く』朝日文庫)。 それは、危機的状況のなかでみづからメタファーに陥ることなく、むしろメタファーに抵抗する姿勢そのものだった。 そして私も、できるならばさうありたいと希求するのだ。
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ひめゆり学徒隊がモチーフの作品です。 戦争という出来事が、遠い過去へと隔離された特別な物語としてではなく、今を生きる私たちと同じような目線や価値観で描かれています。
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クラスメイトとともに学徒隊として戦地に赴く女学生のサン。はじめは友だちと共に無邪気だったサン。しかし戦況の悪化とともにひとりまたひとりと友を失う。悲惨で酷い戦争。その中でも少女は少女。死んで生きた少女たちの物語。国や上でどんな理由があっても実際やっているのは人間同士の殺し合い。人...
クラスメイトとともに学徒隊として戦地に赴く女学生のサン。はじめは友だちと共に無邪気だったサン。しかし戦況の悪化とともにひとりまたひとりと友を失う。悲惨で酷い戦争。その中でも少女は少女。死んで生きた少女たちの物語。国や上でどんな理由があっても実際やっているのは人間同士の殺し合い。人が人の命を奪うほど無意味なことはないです。
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