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原爆と検閲 アメリカ人記者たちが見た広島・長崎 中公新書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2010/06/25 |
| JAN | 9784121020604 |
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原爆と検閲
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原爆と検閲
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
戦時に於いて自らの手の内が相手方にバレてしまっては、戦いにならない。ポーカーゲームで相手の手持ちのカードを背後から撮影されている様なものだ。だから、戦争中は作戦内容、投入戦力、戦闘開始時期、兵器の能力についても、ある程度の内容なら開示可能かもしれないが、精度の高い情報になると秘匿...
戦時に於いて自らの手の内が相手方にバレてしまっては、戦いにならない。ポーカーゲームで相手の手持ちのカードを背後から撮影されている様なものだ。だから、戦争中は作戦内容、投入戦力、戦闘開始時期、兵器の能力についても、ある程度の内容なら開示可能かもしれないが、精度の高い情報になると秘匿されるのは当然だ。戦争相手に知らされないのは勿論のこと、自国民、時には推進する味方内部でも秘密にされる。原爆開発を推進していたフランクリン•ルーズベルト大統領時代に副大統領のトルーマンすらその事実を知らされてなかったとされるが、一番身近な人間にさえ秘密にされていたというのは有名な話だ。敵を騙すには先ず味方からという表現もある。 本書はそうした戦争と検閲の歴史について、その背景•理由から検閲によって守られた秘密と、それに対する批判など、あらゆる方向から検閲について分析する内容となっている。そのテーマの中心となるのは、かつての日本が経験した太平洋戦争であり、終戦間際に日本の二都市に投下された原子爆弾と、投下後の記事に関する検閲となっている。有名な話ではあるが、原爆投下後の広島や長崎の残留放射線の影響については、報道については寛容と言われるアメリカでさえ、最初は影響はないと言っていたくらいである。原子爆弾については、第二次世界大戦時には各国(特にドイツなど)が既に実現可能性と、その威力に注目しており日本でも研究が進められていた。この開発成功の事実はアメリカも厳しく情報統制していたから、前述の様なトルーマンの件もある程度は納得いく。 因みに広島や長崎の惨状が明らかになるのは、いくら規制を効かせても、戦後も次々と亡くなる市民がいる事は、容易に世界に伝達されていくし、死者の存在という事実はやがて秘密にしておく事はできなくなる。情報とはあくまで必要時に秘匿される事でその価値は大きくなるものであり、この原爆の件で言えば、開発段階と成功のタイミングがピークになる。そしてその目的は戦争の勝利、アメリカ側の視点で言うなら少ない犠牲で戦争を終結させるという表向きの表現になる。実際は戦後のソ連との核開発競争に勝利すると言う秘匿の目的もあるだろうが。そして、ピーク後の検閲の意図•目的は、非人道的である兵器使用の批判回避という別の目的にすり替わる。この様に戦争と検閲は密接に絡んでいるばかりでなく、目的を変えながら、上手く戦争が検閲を利用して情報をコントロールしている事を本書は分かりやすく伝えている。軍部と報道は兄弟みたいなものという表現は正にぴったりである。お互いが支え合って共通の目的に向かって走っていく様なものだ。 日本でも最近インテリジェンスに重きを置く政府の考え方がニュースから伝わってくる。前述した様に、情報を押さえたり都合によって出し入れをコントロールするのは、外国との競争や共存のためにはある程度必要な事だと理解する。問題はその程度や使い方であるが、国民の目でしっかりチェックしていく必要があると、改めて気付かされる一冊だ。
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戦後、GHQにより日本のメディアの原爆報道が規制されていたのはよく知られているが、欧米側のメディアも検閲や自己規制が働いていたことを示した本書。背景には陸軍航空隊が空軍に昇格するに当たり、戦後をにらんで、原爆の威力を強調しすぎないように力が働いたこと、冷戦に向けて核情報の保秘が働...
戦後、GHQにより日本のメディアの原爆報道が規制されていたのはよく知られているが、欧米側のメディアも検閲や自己規制が働いていたことを示した本書。背景には陸軍航空隊が空軍に昇格するに当たり、戦後をにらんで、原爆の威力を強調しすぎないように力が働いたこと、冷戦に向けて核情報の保秘が働いたこと、人的被害は伝えないように自己規制が働いたことなどが挙げられていた。原爆投下直後の10日に日本政府が「非人道的戦争方法の使用」だとスイスを通じて米国に抗議していたことも初めて知った
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2010年刊行。 原子爆弾製造、あるいは原子爆弾の効果・影響(特に人体への)に関する報道について、どのような規制・検閲があり、それがジャーナリストの心性にいかに影響し、さらには米国世論に及ぼした影響について、本書は解き明かしていく。 日本軍による重慶爆撃や戦中の捕虜待遇をきちんと理解しつつ本書を読むのであれば、戦争報道・プロパガンタの一端を冷静に見ることができる一書である。 また、低線量被爆の問題は、現代日本では避けて通れない問題意識であるが、この問題が原爆使用から連綿と続いていることを本書から看取しうるであろう。
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