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原爆と検閲 アメリカ人記者たちが見た広島・長崎 中公新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2010/06/25 |
JAN | 9784121020604 |
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原爆と検閲
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商品レビュー
4.4
6件のお客様レビュー
アメリカの原爆投下は同国民の間では戦争を早く終わらせたということで正当化されている。政府の思惑はもちろんあるだろう。だが、大衆社会での影響力を増していたメディアが、そして個々の記者がどう行動したのかはなかなか伝わってこない。学びの多い本だった。 著者は読売新聞記者からフリーラン...
アメリカの原爆投下は同国民の間では戦争を早く終わらせたということで正当化されている。政府の思惑はもちろんあるだろう。だが、大衆社会での影響力を増していたメディアが、そして個々の記者がどう行動したのかはなかなか伝わってこない。学びの多い本だった。 著者は読売新聞記者からフリーランスを経てアカデミズムの世界に身を転じた。記者として被爆50周年、フリーランスで被爆60周年のドキュメンタリー制作に携わり、アメリカで原爆の悲惨が知られていないのか疑問を抱いたいという。 理由は構造的な問題もあり、複雑だ。戦時下のアメリカで実施された「民主主義を守るため」の検閲、記者の前にアメリカ国民としての愛国心、陸海軍に対してその下の「格」扱いだった陸軍航空軍のアピールしたいとの思惑、一方で非人道性は喧伝されたくない政府の事情など。新聞社・通信社内の力学もあったのかもしれない。 最も印象に残るのは、広島・長崎に入った記者たちのその後だ。アメリカ政府の原爆投下に関する公式見解を踏襲する人ばかりでなく、積極的なメディア露出の割にほとんど触れなかった人、大量破壊兵器に懐疑的な発言まで踏み込んだ人とさまざまだった。 日本人ゆえに感じる部分、人類共通の感情など、私自身、アメリカに対する諦めと希望とないまぜの気持ちになった。
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戦後、GHQにより日本のメディアの原爆報道が規制されていたのはよく知られているが、欧米側のメディアも検閲や自己規制が働いていたことを示した本書。背景には陸軍航空隊が空軍に昇格するに当たり、戦後をにらんで、原爆の威力を強調しすぎないように力が働いたこと、冷戦に向けて核情報の保秘が働...
戦後、GHQにより日本のメディアの原爆報道が規制されていたのはよく知られているが、欧米側のメディアも検閲や自己規制が働いていたことを示した本書。背景には陸軍航空隊が空軍に昇格するに当たり、戦後をにらんで、原爆の威力を強調しすぎないように力が働いたこと、冷戦に向けて核情報の保秘が働いたこと、人的被害は伝えないように自己規制が働いたことなどが挙げられていた。原爆投下直後の10日に日本政府が「非人道的戦争方法の使用」だとスイスを通じて米国に抗議していたことも初めて知った
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2010年刊行。 原子爆弾製造、あるいは原子爆弾の効果・影響(特に人体への)に関する報道について、どのような規制・検閲があり、それがジャーナリストの心性にいかに影響し、さらには米国世論に及ぼした影響について、本書は解き明かしていく。 日本軍による重慶爆撃や戦中の捕虜待遇をきちんと理解しつつ本書を読むのであれば、戦争報道・プロパガンタの一端を冷静に見ることができる一書である。 また、低線量被爆の問題は、現代日本では避けて通れない問題意識であるが、この問題が原爆使用から連綿と続いていることを本書から看取しうるであろう。
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