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精神医学から臨床哲学へ シリーズ「自伝」my life my world
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精神医学から臨床哲学へ シリーズ「自伝」my life my world

木村敏【著】

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精神医学から臨床哲学へ シリーズ「自伝」my life my world

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ミネルヴァ書房
発売年月日 2010/04/17
JAN 9784623057511

精神医学から臨床哲学へ

¥3,080

商品レビュー

4.5

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2025/04/15

生い立ちと初期の経験: 幼少期や少年時代の思い出、家族との関係、音楽への関心などが語られています。 特に祖父の死が著者に与えた影響や、学生時代の経験が紹介されています。 医学への道と精神医学との出会い: 医学部入学の経緯、精神医学との出会い、恩師との出会い、大学病院での臨床経験な...

生い立ちと初期の経験: 幼少期や少年時代の思い出、家族との関係、音楽への関心などが語られています。 特に祖父の死が著者に与えた影響や、学生時代の経験が紹介されています。 医学への道と精神医学との出会い: 医学部入学の経緯、精神医学との出会い、恩師との出会い、大学病院での臨床経験などが描かれています。 ヴィッツゼッカーの「病院的人間学」が臨床姿勢に大きな影響を与えたことが重要な点として示されています。 ドイツ留学と現象学的・実存主義的精神医学との出会い: 二度のドイツ留学の経験が詳細に語られ、ハイデッガー、ビンゼッカー、テレンバッハといった著名な学者との出会いが思想形成に大きな影響を与えたことが強調されています。 現象学的な視点や実存分析といった、当時のドイツ精神医学の潮流に触れ、離人症や罪責体験に関する研究など、留学中に取り組んだテーマが紹介されています。 日本における精神医療への貢献と臨床哲学の展開: 帰国後の滋賀県立病院、水口病院での勤務経験、フランス語文献の読解、海外の精神医学者との交流などを通して、国際的な視野を広げていった様子が描かれています。 「非定型精神病」といった独自の概念の提唱や、分裂病(統合失調症)の研究への関わりが示されています。 晩年の京都大学での研究活動や後進の指導、河合文化教育研究所での活動や「臨床哲学シンポジウム」の開催など、精神医学と哲学の対話を促進する活動も紹介されています。 哲学との対話と独自の思想: 西田幾多郎、ハイデッガーといった哲学者からの影響、独自の人間理解、病理理解の展開が語られています。 「あいだ」という概念を中心とした思索、精神医学における「病気」と「症状」の関係性についての考察など、臨床経験に基づいた哲学的な問いの追求が重要なテーマとなっています。 結論: この書籍は、木村敏氏が精神科医としてだけでなく、深い哲学的思索を重ねながら、独自の臨床哲学を築き上げてきた軌跡を示す作品です。現象学や実存主義といった哲学的な視点を精神医学の臨床に応用しようとする試みは、現代の精神医療において重要な示唆を与えてくれるでしょう。

Posted by ブクログ

2014/12/14

木村敏の自伝ということで、単行本にもかかわらず、飛びついて買った1冊。買ったのは正解。やはり伝記(とくに自伝)はおもしろい。学生時代には音楽家になることまで本気で考えたという著者。いたるところにクラシック音楽についての記述がある。フルートの河合隼雄、チェロの村上陽一郎との共演なん...

木村敏の自伝ということで、単行本にもかかわらず、飛びついて買った1冊。買ったのは正解。やはり伝記(とくに自伝)はおもしろい。学生時代には音楽家になることまで本気で考えたという著者。いたるところにクラシック音楽についての記述がある。フルートの河合隼雄、チェロの村上陽一郎との共演なんていうのが実際に行われていたというのは感動的。ドイツ留学時の話とか、ヨーロッパ各地をめぐられた話は、先日読んだ米沢先生の伝記とあいまって、うらやましい限り。さて臨床哲学という言葉、かっこういい響き。養老先生とか、鷲田先生なんかも以前から使われているが、頭の中だけで考えている哲学から、外に出て実際に悩みを抱えた人々といっしょに考えていく姿勢、こういうものが現在いたるところで必要とされているのだと思う。極力哲学者の名前など出さずに語り合う。ふと気付くと昔の人も同じようなことで悩んでいたんだなあと感じる。そんな雰囲気がちょうどいい。さて、著者自身は精神医学の道に進まれたわけだけれど、病気ばかり見て人を見ない医学の現場に抵抗を感じ、昔から精神医学とは親和性の高い哲学の思索に入っていかれる。もちろん患者との人間的なつながりの中で。そこで臨床哲学。読み逃している木村先生の著作や翻訳書をもっと読んでみたい。そして、西田幾多郎にも挑戦しなければ。時間がほしい。

Posted by ブクログ

2013/10/15

現象学的・実存分析的精神病理学の学習者にとって、この先生の自伝ほど貴重なものはないかもしれない。臨床と哲学の解のない世界をあえて選択し、それを追求し続けた強靭でしなやかな思考の基盤にあったのは宗教ではなく音楽である。

Posted by ブクログ