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戦艦武蔵 新潮文庫
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戦艦武蔵 新潮文庫

吉村昭【著】

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戦艦武蔵 新潮文庫

649

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2009/11/01
JAN 9784101117010

戦艦武蔵

¥649

商品レビュー

4

106件のお客様レビュー

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2024/11/22

終始、客観的な視点で物語が進むせいか「何でこんな馬鹿なことをしたんだろ」という感想がまず初めに湧いた。 冷静に後から振り返れば、とてつもない大きな船を造ることには人員もコストも材料も膨大なものになるし、出来たら出来たでまた人員や燃料が必要になり、挙げ句の果てに航空機からの格好の的...

終始、客観的な視点で物語が進むせいか「何でこんな馬鹿なことをしたんだろ」という感想がまず初めに湧いた。 冷静に後から振り返れば、とてつもない大きな船を造ることには人員もコストも材料も膨大なものになるし、出来たら出来たでまた人員や燃料が必要になり、挙げ句の果てに航空機からの格好の的になって総攻撃を浴びて沈没するという悲惨という他ないプロジェクトのように思えた。

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2024/11/11

漁網に使う棕櫚の繊維が誰かに買い占められたことを書き出しに使うのがプロの技。いや、取材の賜物というべきか。 尋常ではない巨大戦艦を造るための苦悩や苦心を書く前半が本書の面白いところ。 だから、竣工した武蔵を海軍に引き渡した瞬間に部外者にとなって、呉工廠を後にする三菱造船所の面々と...

漁網に使う棕櫚の繊維が誰かに買い占められたことを書き出しに使うのがプロの技。いや、取材の賜物というべきか。 尋常ではない巨大戦艦を造るための苦悩や苦心を書く前半が本書の面白いところ。 だから、竣工した武蔵を海軍に引き渡した瞬間に部外者にとなって、呉工廠を後にする三菱造船所の面々というシーンまでがあれば本書は十分だと感じた。 まあ武蔵の生涯という意味では就役後、撃沈されるまで書かないと落ち着かないというのはわかるが。 そして、設計図を焼いてしまったN太郎の話はやっぱり考えさせられる。 選ばれて極秘任務に抜擢されたものの、最年少なので下働きしかさせてもらえず、その間に同期生は仕事を覚えていく。 それに焦って不祥事を作り出したが、意に反して大事件となり任務にあたった同僚たちは拷問を受けて再起できなくなった人もいるという。 このエピソードを書くからこそ吉村昭だと思う。

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2024/10/03

その当時の日本における造船技術の叡智を集めて、秘匿の内に産み落とされた戦艦「武蔵」の生涯の記録です。かの有名な戦艦「大和」の2番艦、いわば次男坊にあたります。 「武蔵」の生い立ちとその後の運命に見る光と影は、世界の潮流にもがく戦時中の日本の姿そのものであり、単なる戦記とは違う凄み...

その当時の日本における造船技術の叡智を集めて、秘匿の内に産み落とされた戦艦「武蔵」の生涯の記録です。かの有名な戦艦「大和」の2番艦、いわば次男坊にあたります。 「武蔵」の生い立ちとその後の運命に見る光と影は、世界の潮流にもがく戦時中の日本の姿そのものであり、単なる戦記とは違う凄みを感じる作品です。また、飾り気のない文章で綴られる惨烈を極めた戦闘の描写と乗組員のその後には、心がえぐられます。 否が応でも戦争について考えさせられる、とても悲しい話です。

Posted by ブクログ