商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 原書房 |
発売年月日 | 2009/12/10 |
JAN | 9784562045419 |
- 書籍
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水魑の如き沈むもの
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水魑の如き沈むもの
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「刀城言耶」シリーズ“長編”第五弾。 奈良の山村で「水魑様の儀」と呼ばれる雨ごいの儀式が数年ぶりに行われるということで、現地の村を訪れた怪奇小説家・刀城言耶と編集者・祖父江偲。 儀式の当日、村の山奥にある〈沈深湖〉で行われた「水魑様の儀」の最中、言耶を含む関係者達が見守る中で「...
「刀城言耶」シリーズ“長編”第五弾。 奈良の山村で「水魑様の儀」と呼ばれる雨ごいの儀式が数年ぶりに行われるということで、現地の村を訪れた怪奇小説家・刀城言耶と編集者・祖父江偲。 儀式の当日、村の山奥にある〈沈深湖〉で行われた「水魑様の儀」の最中、言耶を含む関係者達が見守る中で「神男」を務めた宮司の息子が不審な死を遂げてしまい・・・。 シリーズお約束の“前振り長すぎる問題”が、前作『山魔の如き嗤うもの』では薄まっていて、せっかく“おっ読みやすくなった!”と嬉しく思っていたのに、結局本作の冒頭部分での言耶&阿武隈川&祖父江の三人の怪異談義が脱線しすぎて、別ベクトルで“冗長復活”しておりました( ;∀;) (ホント、話が進まないんよねー・・。) とはいえ、宮木正一君の語りのターン(所謂本筋)に入ってからは、物語の中に徐々に引き込まれいき、言耶達が現地を訪れてからの展開には、目が離せなくなりました。 儀式の最中に起きた「神男」の不審死を皮切りに、次々と起こる宮司連続殺人・・共通しているのは“水魑様の神器”が凶器に使われていることですが、その意味とは? さらに、今回の惨劇と13年前にもあった“儀式中の「神男」の死”との関連性は・・? 儀式に携わる四つの神社(水使、水内、水庭、水分)の中で一番権力を持つ水使神社の奥にある“一つ目蔵”と呼ばれる蔵の謎とは・・等々・・。 深まる不可解な謎の数々と、因習に囚われた村の独特な雰囲気とが絶妙にマッチして、ついついこの世界にどっぷり浸りながら読みこんでしまうんですよね~。 で、シリーズ名物(?)、二転三転する言耶の解決編ですが、今回は言耶自身も見切り発車的に推理を披露する羽目になったことを表明しているので、読者側も“これは検証も兼ねた解決編”だなと承知の上で、いつも以上に推理が覆されまくる、言耶の“一人「毒チョコ」ショー(※)”をお楽しみ(?)頂けるという感じになっております。 (※:言耶シリーズの二転三転する解決編の特徴→ある謎に対して複数の解が呈示されていく“多重解決もの”の古典『毒入りチョコレート事件』より) 何度も真犯人が覆る中、私も途中から“あの人が犯人では?”と予想していたのですがそれが“当たった!”と思ったら、最後の最後でこれがまたひっくり返されて“えー、そうくる?”と驚愕した次第です。 因みに、ちょいと気になったのが正一君の母・左霧さんの出身地が〈神々櫛(かがくし)村〉ということが作中で描かれていて、ここってシリーズ一作目『厭魅の如き憑くもの』の舞台となった村ですよね? しかも“さぎり”という名前は、“あの家系”の筋の人・・・にも関わらず、その件を明かされた時の言耶のリアクションが薄くて“おいおい、あんなにガッツリ関わったのに忘れたの?”と、突っ込みたくなりました。 とりま、今回も因習×怪異×ミステリのブレンドを堪能させて頂きました。 余談ですが、本書はシリーズ“長編”の第五弾ですが、前作『山魔の・・』と本作品との間に短編集『密室の如き籠るもの』があるようでして、次はこちらを読んでみたいと思います~。
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2.9。期待しすぎたらしい。どうも色々ぐずぐずして進まない印象あるし、何より編集者がうっとうしい。このシリーズではワースト。残念。でもオチは良かった。イイ人だなーと思ってたからホッとした&最初に戻ってもう一度ホッとした。ただ二人ばかりとばっちり?可哀想…。
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このシリーズは初読でした。 民俗学メインのホラーミステリ小説で、前半はホラー味が強く、だんだんミステリが強くなっていく形です。割と人間関係的な所が複雑になっていくのでところどころで整理しないとごっちゃになるかも。割と人情味がある話なので読後感はさっぱりします。
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