商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2009/09/03 |
JAN | 9784167586058 |
- 書籍
- 文庫
玻璃の天
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玻璃の天
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商品レビュー
4
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ベッキーさんシリーズ第2弾(文庫)
直木賞を受賞したベッキーさんシリーズの第2弾。 人の思いが引き起こす謎をベッキーさんとお嬢様が解決します。 「人間のごく当たり前の思いを、率直に語れる世」ではなかった時代のお話ですが、 悲しいことがあった、乗り越えようとしている今現代に、改めて重みを感じるセリフや場面も。 ...
直木賞を受賞したベッキーさんシリーズの第2弾。 人の思いが引き起こす謎をベッキーさんとお嬢様が解決します。 「人間のごく当たり前の思いを、率直に語れる世」ではなかった時代のお話ですが、 悲しいことがあった、乗り越えようとしている今現代に、改めて重みを感じるセリフや場面も。 そしてベッキーさんの過去も・・。
スウィーティー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
玻璃の天 「街の灯」で初登場した深窓の令嬢と女性運転手のベッキーさんが主人公のシリーズ2作目です。 舞台は昭和初期の日本。昭和8年のようなので、竹蔵の母の生まれた年です。 時代は戦争に向かって坂をころがるように傾いていきます。この時代背景の中で起きる大小の事件で、登場人物の台詞の中に北村氏の重い問いかけがあると感じています。 「あなたは時代に流されることなく、どのように対峙していけますか?」 物語は3つの連作となっています。 「幻の橋」は、ロミオとジュリエットならぬ対立する祖父兄弟の孫娘(主人公の同級生)と孫の恋にからめて、祖父兄弟の対立の謎を解きます。 「想夫恋」では、お琴の先生と同級生との駆け落ち騒動の中で暗号を解を解いていきます。 「玻璃の天」では、右翼の弁士が転落死した事件の顛末を推理するお話ですが、ベッキーさんの生い立ちや過去の悲しい出来事が明らかになります。 「玻璃の天」の中で、乾原という奇妙な建築家の言葉に竹蔵はとても共感しました。 沢山の犠牲を出した十字軍に関して、”使命感を起こさせるから始末が悪いんだ。そりゃあ、神様がやることとしては邪道じゃないか?”とコメントし、”わたしよりも、異教徒一人の命の方がよほど大切なのだと説く神がいたら、中略。。。俺は神の前に跪くね”ととても天の邪鬼な考えを吐きます。 これらの言葉は、右翼の弁士がからんだ悲しい過去故のものですが、時代の空気が段々と傾斜していっている今に於いて、流されないための重要な考え方の一つなのではないかと竹蔵は感じています。 シリーズ3作目をとても期待しています。 竹蔵
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私と別宮さんの昭和初期の物語。一作目と同様に私たちの知らない昭和初期の空気を満遍なく感じられる。 この二作目では、ベッキーさん(別宮)の素性が見えてきて、よりドラマティックになってきた。ミステリー要素より人間関係の機微に唸るシリーズ。
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