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帰還 ゲド戦記 4 岩波少年文庫591
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2009/02/17 |
| JAN | 9784001145915 |
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商品レビュー
3.9
28件のお客様レビュー
本作は3巻の『さいはての島へ』から18年という期間を空けて出された4作目であり、物語は『さいはての島へ』の直後から始まる。 ゲドと共に墓所を抜け出した少女テナーは、ゴント島で魔法使いでゲドの師オジオンに預けられていた。 しかし、魔法使いになることを望まなかったテナーはオジオンの...
本作は3巻の『さいはての島へ』から18年という期間を空けて出された4作目であり、物語は『さいはての島へ』の直後から始まる。 ゲドと共に墓所を抜け出した少女テナーは、ゴント島で魔法使いでゲドの師オジオンに預けられていた。 しかし、魔法使いになることを望まなかったテナーはオジオンの元を離れる。テナーは新たに『ゴハ』と自らを名乗り、人並みの生活を送ることを決める。 それから十数年の歳月が流れ、ゴハのパートナーであったヒウチイシは亡くなり、ゴハは未亡人となっていた。娘と息子は家を出ており、ゴハは一人で農場を切り盛りしていた。 そんなゴハの元に友人のヒバリが駆け込んでくる。性加害を受け、その場で生きたまま焼き殺される寸前だった少女がいる、と。 ゴハは名前もわからないその少女を預かり、『テルー』と名付ける。 ゴハはヒバリや、女まじない師コケの助けを借りながらテルーの居場所を作ってあげる。 そんな折にオジオンが亡くなってしまう。時を同じくして竜に乗ったゲドがゴントに戻ってきた。 しかし、ゲドは魔法の力を失っており、かつてのような気力もなく意気消沈としていた。ゴハはそんなゲドも自宅に連れていき看病することに。 そして都ハブナーからは王アレンが戴冠の儀に友人であるゲドを招きたいとやってくるのだが……。 自分はゲド戦記は3巻まで読んだことがあったものの、それ以降のゲド戦記のシリーズ作品はまったく知らないでいた。 4巻目は初めて読むのだが、これはちょっとスゴくて圧倒された。これまでのゲド戦記のシリーズの世界が180度転換するような作品でもあり、より深みを増すような作品だった。 そこには男性の物語であるゲド戦記で、いかに女性たちが虐げられているか、そしてこの世界で女性たちがどのように暮らしているのかが描かれている。 想像の世界の、架空の世界の出来事じゃないか、と思われるかもしれないが、現実世界の写し鏡としても描かれている。なので、アースシー世界ってのは酷いな、なんてことにはならない。今、我々が住んでる世界と大して変わらないと思いながらこの物語を見ていくことになる。 アースシー世界では魔法は男性のものである。村のまじない師(産婆や占いなどを扱う)レベルの魔法は女性たちが扱うが、より高度な学院などで学び、各町に配属されるような魔法は男性の魔法使いだけのものである。 そしてこの世界でも家のことは女の仕事として扱われている。魔法使いはなぜか女性と深い関係になることはなく、独身のまま生涯を終えることが多いらしい。それもあってゲドがゴハの元で一緒に住むことになってからが面白い。 ゲドやオジオンは魔法使いとしてのルールを守って生きているので、自分の身の回りのものは自分でどうにかする。ゴハはこれまで一般人のヒウチイシと暮らしていて家事は女性がやる仕事として生きてきたので、ゲドが自分の皿を洗ったり身の回りのことをすることで衝撃を受ける。 だが一方で、ゲドも内面化している男性的な自分本意な考えなども描かれる。そういう描写には男性である自分もギクッとしたりした。 確かに4巻がフェミニズム的と言われるのも納得ではあるのだが、それは別段ラディカルな描写でもなくてこれくらいは当たり前にやっていいでしょ、そう思う。 また女性が生きていくことで向けられる視線や、抱く恐怖なんかも現実とリンクするようなカタチで描かれているのも印象的だった。 またこれまで以上に内面描写が多い。主人公であるゴハがとても繊細かつ複雑な内面を持っているのが描かれる。その描写がキレキレなのもあってゴハが、これまでのゲド戦記に登場したキャラクターで最も好きになったかも。 一方のゲドは、これまでアースシーの世界で多くの逸話を残した伝説の大賢者的立ち位置で、これまではどこか孤高の人的な存在だった。だが、魔法を失ってしまってからはとても小さくて人間らしく見える。人生のほとんどを共に生きてきた魔法という存在を失ってしまうので、それもしょうがないのだが、やっと人間になれたという感じもあって良かった。 ゲド戦記の世界により深みが出て、更に今後の展開にも期待したくなる作品だった。
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私には普通に面白かった。 当時ゲドのことで評価が別れたようだが。 やはり三巻で力を使い果たしたよね、ゲド。 テヌーはこわれた腕輪の時も感じたが、感情が乱高下するのは今回も一緒。 ジブリのゲドででてくるテルーが出てきたけど、ジブリとルグウィンの作品は全くの別物と思った方が楽しめ...
私には普通に面白かった。 当時ゲドのことで評価が別れたようだが。 やはり三巻で力を使い果たしたよね、ゲド。 テヌーはこわれた腕輪の時も感じたが、感情が乱高下するのは今回も一緒。 ジブリのゲドででてくるテルーが出てきたけど、ジブリとルグウィンの作品は全くの別物と思った方が楽しめると思う。 テルーが最後どうなるのかが気になる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
もやもやしたものが残ってしまった。テナーの立場が元々『高位(男の姿がない世界)』だったから、元の地位だったらこうではないのにみたいなものにも見えてしまう。つまり『自分が女性だから不当に扱われている』ではなくて、『自分は高位であるはずなのに、相手(男)が不当に扱ってくる』という対立っぽく見えちゃうんだよな。 では、子どものテルーの立場はどうかと言えば、男たちが執着する必要性がわからない。 この世界設定とテルーの設定と物語のテーマがいまいち合致せず、モヤっとしたものしか残らなかった。個別に見たら素敵だという事はわかるのだけど、合わせると微妙にあちこちズレてるような感じがする。 それとも私が感じた『物語のテーマ(女子供の苦しみと男たちの苦しみ)』は間違っていて、単に『物語(世界観)を楽しむ』に全振りしたらよかったのだろうか。 ゲド戦記を楽しみにしていただけに、世界観に没頭して楽しむことも、物語に惹かれることも、テーマに感動することも出来ない自分にがっかりし続けてる。 キャラクターが魅力的かと言われても、うーん。これというエピソードが見当たらない。設定が強烈で、設定だけで押してる感じがする。テナーに至っては『普通の女になるために努力した』となっているけど、それは『全てを持ったものの特権』でしかなくて、共感しずらいんだよな。こういうの全部もやんとする。 そして、最初の方は『貧しい人たち』『持たざる人たち』への視線が差別的で、読んでて辛くなってしまった。テナーの特権性がよくわかる。『短気で、無知で、陰険で、みだら』54-55pとコケばばに対して書いてある。これが、最後の方は体調が悪いと聞いたら駆けつけるくらいには仲良くなるのだから不思議だ。 物語は、火の中に放り込まれたテルーをテナーが育てる話。色々あって最後にはテルーは竜であるカレシンから「わが娘」と言われるのをテナーとゲドは聞く。 テルーはゲドとテナーを父母として、今は人間として生きることを決める。 ごちそうさまでした。
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