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世界がドルを棄てた日 歴史的大転換が始まった
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世界がドルを棄てた日 歴史的大転換が始まった

田中宇【著】

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世界がドルを棄てた日 歴史的大転換が始まった

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2009/01/24
JAN 9784334975579

世界がドルを棄てた日

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商品レビュー

4.3

3件のお客様レビュー

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2025/10/06

シロウトがこう言うのは気が引けるが、専門家たちが「群盲象を評す」ような現状において、誤謬があったところで驚くに足らず。当然、田中氏の説を「陰謀論」と呼ぶ向きもあるが、そういう陰謀論なら読んでも損はない、と言いたいくらいだ。 田中宇氏は、2004年に出した『アメリカ以後』で「日...

シロウトがこう言うのは気が引けるが、専門家たちが「群盲象を評す」ような現状において、誤謬があったところで驚くに足らず。当然、田中氏の説を「陰謀論」と呼ぶ向きもあるが、そういう陰謀論なら読んでも損はない、と言いたいくらいだ。 田中宇氏は、2004年に出した『アメリカ以後』で「日本が米ドルを買い支え、買い取った米ドルで米国債を購入し、アメリカの財政赤字を補填しているが、日本はそれでよいのか?」と問いかける。 それから5年後に出した本書で、書こうとしたことの一つは「米国の上層部には、金融危機を悪化させ、米国の覇権を崩壊させようとしている人々がいるように感じられる」こと、それから「彼らの目的が何であるかを考察する」ことである、と述べる。 そして今度はアメリカにこう問いかける: <米国投資銀行リーマン・ブラザーズ破綻後、世界は基軸通貨としてのドルを棄てざるを得なくなった。なぜ米国はドルの価値を引き下げるような、財政赤字の急増や金融破綻の黙認を続け、ドルに象徴される自国の覇権を自滅させているのか?> アメリカは「金融危機を悪化させ、米国の覇権を崩壊させようと」した」。 例えば、金本位制の崩壊という1971年の「金ドル交換停止(ニクソン・ショック)」、ドル安・円マルク高を決めた1985年の「プラザ合意」等を行った。 シロウトの私も、そういう自滅的な行為をする「アメリカの目的」を知りたいと思う。 本書の「第3章 覇権の歴史と多極化」は「200年の近現代史を解読し直した壮大な歴史論になっている」と田中氏は述べる。 「国際的談合体制」「軍産複合体」「隠れ多極主義」「軍産英イスラエル複合体」等という作業仮説を使って近現代史の流れを分析し、「アメリカの目的」を考察する。 当否はさて措き、その考察はなかなか面白く、説得力がある。 昨今、「ディープステイト」が流行っている。 本書が出た2009年頃は、ディープステイトは一般的に使われていなかった。 あの馬渕睦夫氏によればディープステイトとは次のようである(要旨): <WASPに代りアメリカのエスタブリッシュメントの座を仕留めたグローバリストからなる左派ユダヤ人社会のこと。主要メディアを傘下に収めて世論を操作し、ドルの発行権を独占することで金融を支配し、CIAなどの情報機関を配下に置いて世界の裏社会と通じ、軍産複合体という軍需産業と多国籍企業を握って彼らのビジネスの便宜を図り、ネオコンというイデオロギー政策集団を使って世界戦略を遂行した。アメリカの実権を握り世界に影響力を及ぼし始めたのは、100年前のウィルソン大統領の時代だ。> 田中氏が言う「金融危機を悪化させ、米国の覇権を崩壊させようとしている人々」は、ディープステイトにほぼ該当するようだ。 今でも田中氏はディープステイトという用語を使っていないから、エライ。 横着者の私は「国際金資本」、「ユダヤ金融資本」等というような用語があるのに、新たにディープステイトを持ち出す必要はないだろうと思う。 ディープステイトは、「陰謀論」の本でよく使われている。 「金融危機を悪化させ、米国の覇権を崩壊させようとしている人々」が「国際金融資本」でもディープステイトでもよいが、彼らが易々とシッポを出すとは思えない。 確かな証拠もなく彼らの所業を論じると、「陰謀論」の誹りを受けることになる。 田中氏はある会合で「ぼくは陰謀論者です」と言ったそうだが、それはアイロニーに違いない。 田中氏は、可能な限り、註として典拠を示している。 それでも田中氏を「陰謀論」と呼ぶなら、そういう「陰謀論」なら読んでも損はないと思う。 話題は少し古いかもしれないが、本書は本質的な部分を論じているから、そういう意味で、今でも古さを感じさせない。 これから田中宇氏の他の著書も読んでみようと思う。

Posted by ブクログ

2024/09/06

結果論的には筆者の解釈や予想が間違っているものも多いのですが、歴史的な事象を理解するのには捗りました。

Posted by ブクログ

2010/10/10

現在の、世界的な経済・金融危機の解決をめぐって、これまでのドル本位制を死守しようとする勢力とドルに替わる、多極化とも言える複数の基軸通貨によって世界経済を運営しようとする勢力が影で暗闘を繰り広げていると著者は本書で説く。 しかし、一点だけ重要な観点が抜けていると思う、それは軍...

現在の、世界的な経済・金融危機の解決をめぐって、これまでのドル本位制を死守しようとする勢力とドルに替わる、多極化とも言える複数の基軸通貨によって世界経済を運営しようとする勢力が影で暗闘を繰り広げていると著者は本書で説く。 しかし、一点だけ重要な観点が抜けていると思う、それは軍事力だ。 米国は世界最強の軍事国家としている。そしてその軍事力が為替をはじめとする非関税障壁に影響を与えていると思われる。 世界通貨がポンドからドルに変わった日のイギリスの軍事力とアメリカの軍事力とを比較して、アメリカ以降の世紀を考えるとすれば、アメリカに対抗しうる軍事力を持った国はどこか? という問いから、ブレトンウッズ2を論ずるべきではないかと思う。 いずれにせよ、通常のマスコミ情報では決して得られない著者ならではの情報と分析からこれからの世界経済の覇権をめぐる水面下での攻防や暗闘の様子を垣間見ることができる力作です。

Posted by ブクログ