世界がドルを棄てた日 の商品レビュー
結果論的には筆者の解釈や予想が間違っているものも多いのですが、歴史的な事象を理解するのには捗りました。
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現在の、世界的な経済・金融危機の解決をめぐって、これまでのドル本位制を死守しようとする勢力とドルに替わる、多極化とも言える複数の基軸通貨によって世界経済を運営しようとする勢力が影で暗闘を繰り広げていると著者は本書で説く。 しかし、一点だけ重要な観点が抜けていると思う、それは軍...
現在の、世界的な経済・金融危機の解決をめぐって、これまでのドル本位制を死守しようとする勢力とドルに替わる、多極化とも言える複数の基軸通貨によって世界経済を運営しようとする勢力が影で暗闘を繰り広げていると著者は本書で説く。 しかし、一点だけ重要な観点が抜けていると思う、それは軍事力だ。 米国は世界最強の軍事国家としている。そしてその軍事力が為替をはじめとする非関税障壁に影響を与えていると思われる。 世界通貨がポンドからドルに変わった日のイギリスの軍事力とアメリカの軍事力とを比較して、アメリカ以降の世紀を考えるとすれば、アメリカに対抗しうる軍事力を持った国はどこか? という問いから、ブレトンウッズ2を論ずるべきではないかと思う。 いずれにせよ、通常のマスコミ情報では決して得られない著者ならではの情報と分析からこれからの世界経済の覇権をめぐる水面下での攻防や暗闘の様子を垣間見ることができる力作です。
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