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読んでいない本について堂々と語る方法
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2008/11/25 |
JAN | 9784480837165 |
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読んでいない本について堂々と語る方法
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商品レビュー
4
111件のお客様レビュー
本著は、読んでない本を堂々と語る、ハウツー本ではない。また、本を読まない事を推奨する物でもない。では何かというと、読んでない本について語るというより、読んでない自らを語る。つまり、著者によるエクスキューズ、懺悔本だ。 世に溢れる書物の数は膨大で、到底全てには目を通し得ない。更に...
本著は、読んでない本を堂々と語る、ハウツー本ではない。また、本を読まない事を推奨する物でもない。では何かというと、読んでない本について語るというより、読んでない自らを語る。つまり、著者によるエクスキューズ、懺悔本だ。 世に溢れる書物の数は膨大で、到底全てには目を通し得ない。更には、読んだことすら忘れてしまったような読書を、そもそも読書と呼べるだろうか。更に言えば、読書は自らの経験や理解を通して咀嚼されるものだから、他者と全く違う印象や解釈を得る事も多々ある。そこでは、自らの思考を反転させるには足らず、単に補強材料を集めるだけで、つまりは都合の良い単語の拾い集めになる事もしばしば。だからこそ、読書が必ずしも必要だとか、読書に意味があるとは言えない。向き合う姿勢によるのだろう。一々著者の主張に振り回されるのではなく、軸を持つ事で多面的な視点を獲得できるはずだ。 大衆が注意を払って耳を傾けているときに、読んだことがない本について語らされるのは悪夢であり、フロイトが「試験の夢」と呼んでいるものに似ていると著者は言う。ここで言う読書とは、他者へのアウトプットが前提になっている。そうではない。主張を身に付ける事で、書物自体を語るのではなく、自らに吸収した上で、思考材料にするのが読書の一つの本義では無かろうか。 故に他者へのアウトプットを前提にした読書論では軟弱、というのが、本著をきちんと読んだ後の感想だ。本そのものを堂々と語るなら、やはりきちんと読むようにしたい。
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本を読んだ、というのは曖昧なこと。ぜんぜん読んだことない本、流し読みした本、人から聞いた本、読んだが忘れてしまった本。最後の一つなんて読んだけど忘れてるんだから読んだと言えるのかたしかに疑問である。ならばたしかに読んだか読んでないかよりも、その書物との関係において、自分の意見を述べられるということが大切だというのもわかる。 世にある本を全て読むのなんて物理的に不可能だし、読みたいと思った本を全部読むことさえもこのままじゃ到底できないなと最近思っていたけれど、この本を読んでちょっと気持ちが楽になった。 エアプでいいんじゃん。
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ゆる言語学ラジオ発端で手に取りました。 死ぬまでに読みたい本を全て読むことはできないという絶望感に直面していた矢先、渡に船とばかりのタイトル。 思った以上に骨太だったし、読み応えはあったのだけれども書物との適度な距離感とテクスト至上主義みたいな作者や作品の意図と違う言質は許され...
ゆる言語学ラジオ発端で手に取りました。 死ぬまでに読みたい本を全て読むことはできないという絶望感に直面していた矢先、渡に船とばかりのタイトル。 思った以上に骨太だったし、読み応えはあったのだけれども書物との適度な距離感とテクスト至上主義みたいな作者や作品の意図と違う言質は許されないのだと怯えていた自分には新たな観点を与えてくれた。 完璧な読書なんてそもそも定義できないし、人はそれでなくても忘れていく生き物なので、自分の内なる書物からバーチャル書物へと敷衍していくことになんら罪を感じる必要はないと諭された気分。 第3章の心構えで述べられている批評の創造性というのは、批評に対する認識を転換してくれた。作品ありきの批評で二字的な産物だと思ってたけれど、作品はモチーフに過ぎず、自己の解放と言った側面が本質なのだとは。批評のネガティブなイメージが刷新された。 個人的にも、読んでない本や忘れてしまった本に対して創造性を駆使して恥じらいなく付き合って、他人に開示していこうかという、今後の読書に対するマインドが深化しました。
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