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カバに会う 日本全国河馬めぐり
1,760円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2008/11/13 |
JAN | 9784000224895 |
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カバに会う
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
もちろん、会ったカバのことも描かれてるけど、どちらかって言うとカバを取り巻く『句』の紹介本って感じ。 正直、カバほど俳句や歌に興味もないんで肩すかし感は否めないなぁ。 著者さんを存じあげたうえで読んだのなら、また違う感想になったのかも。 無知でごめんなさい。 ■ ■ ■ ■ ■...
もちろん、会ったカバのことも描かれてるけど、どちらかって言うとカバを取り巻く『句』の紹介本って感じ。 正直、カバほど俳句や歌に興味もないんで肩すかし感は否めないなぁ。 著者さんを存じあげたうえで読んだのなら、また違う感想になったのかも。 無知でごめんなさい。 ■ ■ ■ ■ ■ カバについて言うと 宇都宮動物園と丸山動物園のカバは幸せっポい風情。 地元バイオパークのカバさんも、日本カバ界に於いては大家族で暮らせているようで、なんとなし安心。 ■ ■ ■ ■ ■ ところでカバって草食じゃなく雑食だってきいたことあるんだけど。 その、1stインプレッションとのギャップが好きなんだけど。 この本では草食感満載。 肩すかし感の理由はそこにもあったのかもね。
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カバを眺めて自らもカバになっちゃおう。という本。 私もやはり「馬鹿なカバ」になってしまいたい気分だったのか、読むなりすっかり嵌った。八重洲ブックセンターで買い求め、山手線の東京駅から読み始めたのだが、品川までの僅かな間に3回は声をかみ殺して笑った。 あんまりなお馬鹿な...
カバを眺めて自らもカバになっちゃおう。という本。 私もやはり「馬鹿なカバ」になってしまいたい気分だったのか、読むなりすっかり嵌った。八重洲ブックセンターで買い求め、山手線の東京駅から読み始めたのだが、品川までの僅かな間に3回は声をかみ殺して笑った。 あんまりなお馬鹿な面白さに、思わず「これって、岩波書店の本だったよな?」と裏表紙を開いて出版元を再確認したりした。 岩波はその名の通りカタすぎる程堅いイメージの出版社だ。堅いイメージだけじゃない。先ごろ『新左翼とロスジェネ』を読んだが、その中で、朝日新聞と岩波書店とは一般の常識人からは左派だと思われ、一方筋金入りの本当の左翼からは「ブル新」だとか「プチなんとか」だとか「エセなんとか」だとか揶揄される可哀想な存在として説明されていた。 だがそれも、今は昔。左派だの知識人だのは一切合財ひとからげに、「昔」というラベルを貼られて、もう御破算也といった感じである。テーブルの下の届かないところまで押しやられたスリッパみたいな、遠い過去の歴史でしかない。 そういう気分の今日この頃の世間にとって、笑かしてくれちゃう岩波の本が現れても、全く違和感はないのだろう。「あのお堅い岩波がお笑いとは」と、戸惑いを感じちゃうのは私の様な昭和の枯れススキだけだ。 ともかく、一流の俳人として世に知られた著者が、自身の還暦をきっかけに、日本中のカバを大真面目に見て歩いた、ほんとうに馬鹿ばかしいカバの記録である。元々馬鹿かカバになりたいという潜在願望を持ち合わせていた人は、「あなたも河馬になりなさい」という著者の呼びかけに必ず嵌ってしまうことでしょう。 曰く、「カバのように見る。カバのようにふるまう。カバのように発想する。そうしたことによって、自分の殻を破り、自分を新しくしたい、と願い続けたのである。『あなたも河馬になりなさい』とは、まず自分への言い聞かせであった」んだそうな。 他にも、読むものを嵌める罠が随所にちりばめられた名文である。例えば、小川洋子愛読家のくせに『ミーナの行進』を読み漏らしている不心得者(私もその一人)は、そのカバに乗って通学する芦屋令嬢の物語を読まずにはいられなくなる。40年前カバやキャラメルのカバ型自動車が日本中を席巻していたのを目の当たりにした世代(残念ながら私は知らない)は何とも言えぬ郷愁をそそられる。 特に私を捉えたのは、著者がカバに惹かれるきっかけとなったのが、80年代中ごろの朝日ジャーナル誌のある連載だったという部分であった。 写真家の宮嶋康彦が書いた「檻の箱舟-動物園社会学」がそれ。 即座に「ああ、あの連載かぁ」と思い当たった私は、当時「朝ジャ」の愛読者だった(これも今は昔の話ですケド)。 日本中の動物園に十何頭という子孫を残し、わが国のカバ界におけるゴッドファーザーとしてギネスにも載った東山動物園の「重吉」。檻の中から逆に人間世界が良く見えるという視点。大口を開けたカバのあの忘れられない写真とともに、それらが鮮明に甦った。 先に、昭和がテーブルの下で届かなくなったスリッパのように遠のいたと書いた。だが、足の親指と人差し指とで靴下を器用に脱ぎ着できるのが、数少ない私の特技である。 本書を読んで、あはあは大笑いしながらも、昭和の頃の気分というスリッパを、足の二本の指で挟んで、少しだけ引き寄せることができた気がする。 著者の念典(ねんてん)さんにしみじみ感謝、です。 そして今日から、私もカバです。
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日本でも有数の巨大な俳句の結社を主宰する俳人の坪内捻典氏の、エッセイのような、紀行文のような、観察記録のような、動物日記のような、いろいろなもののような本です。 この本を読んで、私たちが受け取るのは、「人生とは楽しむものである」もしくは、「生きることは楽しむに値する」というメッセ...
日本でも有数の巨大な俳句の結社を主宰する俳人の坪内捻典氏の、エッセイのような、紀行文のような、観察記録のような、動物日記のような、いろいろなもののような本です。 この本を読んで、私たちが受け取るのは、「人生とは楽しむものである」もしくは、「生きることは楽しむに値する」というメッセージでしょう。 坪内氏は、大上段に構えてそんなことを言うわけではありませんが、本を読みながら、ふと立ち止まると、繰り返し繰り返し、そのメッセージが発信されていることに気がつきます。 そもそも、これがどんな本かということをお話しなければなりませんね。 『カバに会う』は、坪内捻典氏が、「日本中の動物園に飼われているカバに会いに行こう」と思い立ち、三年の歳月をかけて、日本国中29動物園の57頭のカバ、すべてに会い、挨拶を交わすという記録です。多くのカバは、なにをするでもなく、じっとカバ舎の前で1時間を過す坪内氏を、柵の向こう側に住む同族と思うらしく(たしかにご本人はちょっとムーミンパパ系ですから)、親密な興味を示してくるようです。その特権的な扱いを、まんざらでもない様子でほくそ笑む坪内氏が、なんとも愛らしく、人生の達人とは、かくあるべきだと思わせられます。 こんな余裕で自分史を書けたら、どんなに楽しいかというお手本でもあります。 坪内氏がカバ舎の前で詠んだ俳句 カバというかたまりがおり十二月 横座りして水中の秋の河馬 桜散るあなたも河馬になりなさい 水中の河馬が燃えます牡丹雪
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