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定本 納棺夫日記
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定本 納棺夫日記

青木新門(著者)

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定本 納棺夫日記

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 桂書房
発売年月日 2007/07/01
JAN 9784903351353

定本 納棺夫日記

¥1,650

商品レビュー

3.9

11件のお客様レビュー

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2024/03/23

生が死を内包しているなら。 金や名誉にどれほどの価値があるのだろう。 日々仕事に忙殺される人生に価値はあるのだろうか。 いつか己の人生すべてに関わる人たちへの感謝を持ち、安らかにいけるなら。 それが短くとも長くとも。 最期まで納得のいく生を送ったということなのだと思う。

Posted by ブクログ

2023/10/01

「納棺夫日記」は、本木雅弘主演の映画「おくりびと」の原作だとずっと思っていたが、今回、実際に「納棺夫日記」を読んで、映画とは異なる内容にとまどった。Wikiで調べてみると、実際の経緯は以下のようなものであったらしい。 本木雅弘は、「納棺夫日記」を読んで感銘を受け、筆者の青木新門を...

「納棺夫日記」は、本木雅弘主演の映画「おくりびと」の原作だとずっと思っていたが、今回、実際に「納棺夫日記」を読んで、映画とは異なる内容にとまどった。Wikiで調べてみると、実際の経緯は以下のようなものであったらしい。 本木雅弘は、「納棺夫日記」を読んで感銘を受け、筆者の青木新門を訪ね自ら映画化の許可を得る。ところが、その後、映画の脚本を見せると、青木新門の納得を得ることが出来ず映画化を拒否される。最後に青木からの「やるなら全く別の作品としてやってほしい」との意向を受け、「おくりびと」というタイトルで、「納棺夫日記」とは別の内容で、別の作品として映画化されることになった、というものである。 映画「おくりびと」の公開は2008年、私が観たのも随分以前の話なので、ストーリーの詳細は忘れていたが、とても良い映画だったという記憶がある。今回、「その映画の原作である」と誤解したまま本書を読んだので、とまどったのである。本書を読む前は、映画の原作であるというイメージを持っていたので、「納棺夫としての仕事の日常」を描いたものだと思っていた。もちろん、そういう部分や、その背景となる筆者のこれまでの人生についての記述もあるが、でも、筆者の書きたかったのは、宗教についてであったように思える。 最後の方は、宗教家的なかなり専門的な話になり、なかなかついていくのが難しい内容となる。ただ、その前提としての筆者の疑問、「死に近づいて、死を真正面から見つめていると、あらゆるものが光って見えるようになる」のではないかということを説明し、そのことについての思索に多くの紙数が割かれている。 そのような経験をした多くの人たちの証言(実際には作品)を紹介しているが、その中でも、1965年に癌でなくなった高見順が死の1年前に発表した詩が印象深い。 【引用】 電車の窓の外は 光にみち 喜びにみち いきいきといきづいている この世ともうお別れかと思うと 見なれた景色が 急に新鮮に見えてきた この世が 人間も自然も幸福にみちみちている だのに私は死なねばならぬ だのにこの世は実にしあわせそうだ それが私の心を悲しませないで かえって私の悲しみを慰めてくれる 私の胸に感動があふれ 胸がつまって涙がでそうになる ・・・・・・・・・・・・・・・ 【引用終わり】 このような境地に至れた人は幸せだと思う。そこに至るまでの道筋をどうイメージするかが宗教観だと筆者は主張し、その具体的内容について解説しているのだと理解したが、やや難解。 あまり考えたこともないようなことに触れることが出来たという点では新鮮ではあった。

Posted by ブクログ

2023/05/14

知人の紹介で借りて読んだ本 宇宙の存在から人間の生き様、死に様に至るまで 濃厚な内容となっている 感銘を受ける言葉や引用も多かったが 納棺夫日記の後半は恐れ多い光の話が主だち 捉え方が難しいと思った 本文は 「新生活互助会社員募集」という新聞広告の求人を偶然目にした著者が面接...

知人の紹介で借りて読んだ本 宇宙の存在から人間の生き様、死に様に至るまで 濃厚な内容となっている 感銘を受ける言葉や引用も多かったが 納棺夫日記の後半は恐れ多い光の話が主だち 捉え方が難しいと思った 本文は 「新生活互助会社員募集」という新聞広告の求人を偶然目にした著者が面接を受けたところ その仕事が納棺だったため納棺夫となった経緯もわかる「納棺夫日記」と 著者の詩と童話 著者の短編小説という3つの構成で成り立つ  詩と小説は 宮沢賢治氏に影響を受けた感が強く オリジナル性を欠いたように思ったこともあり星は2つ 世の中には様々な仕事があるのだと思う 納棺夫という死に直面する仕事に携わっている著者の言葉は心にしっかり届く 死に携わっているからこそ 生の部分がくっきり見えてくるのだろうとも思う 以下に心に留まった部分を4つ挙げる 『言葉で衝撃や怒りを覚えるのは、自分が最も気にしていることを突かれた時である。人は日ごろ気にしていることをあからさまに非難された場合、血が逆上するほどの怒りを覚えることがある』 『三島は自作の『憂国』を自ら解説して「私の許しがたい観念の中では、老年は永遠に醜く、青春は永遠に美しい。老年の知恵は永遠に迷妄であり、青年の行動は永遠に透徹している。だから、生きていればいるほど悪くなるのでありがとう、人生はつまり真っ逆さまの頽落である。』 『国ために志願して銃を持って戦場へ出向いても、人を殺さないこともあるし、いやいや徴兵されても、大量の殺人をすることもある。人を助けようとして人を不幸にしたり、人に冷たくして人を救うこともある。』 『すなわち星たちが死を迎える一瞬に、ニュートリノが光速で抜け出し、次の瞬間に星の構成物質が爆発して死を迎える。そして、その残骸から再び新しい星が生まれる。太陽も地球も地球上の生物も、はるか昔に爆発して死んだ多くの星が残した残骸物質から生まれたのである。』 大変興味深い内容の文章だけど …『多くの星が残した残骸物質』という表記が気になる 頭痛が痛いというのに似ている 多くの星の残骸物質…と書いた方がしっくりくるんじゃないかな…   三島由紀夫氏の『憂国』という本を読んでみたいと思った 引用したように解説の部分だけでも十分気になる 『人生はつまり真っ逆さまの頽落である』という文ひとつとっても非常に興味深い 毎日少しずつ 人は年をとって死に向かっている それをどう捉えて どう生きるか  考えたり 考えなかったり 人間の大きなテーマであり ちっぽけな迷いごとでもある  日々 今を最高に楽しく 一生懸命 時に怠惰に 生きていきたい どう生きるかは 誰もが自分に許される範疇で自分で決めることができるから    

Posted by ブクログ

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