商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2006/09/22 |
JAN | 9784004202257 |
- 書籍
- 新書
ペスト大流行
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ペスト大流行
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商品レビュー
3.8
25件のお客様レビュー
パンデミックが起こる度に紐解く本。 コロナ禍にあって、カミュの「ペスト」を読み、そして次はこの本を読んだ。 歴史書では軽く触れられるだけの疫病のインパクトを、ヨーロッパ14世紀のペストは大流行に焦点を当てて描き出す、岩波新書のベストセラー。 歴史家の重視しない題材に焦点を当てた...
パンデミックが起こる度に紐解く本。 コロナ禍にあって、カミュの「ペスト」を読み、そして次はこの本を読んだ。 歴史書では軽く触れられるだけの疫病のインパクトを、ヨーロッパ14世紀のペストは大流行に焦点を当てて描き出す、岩波新書のベストセラー。 歴史家の重視しない題材に焦点を当てた科学史家の着眼点の勝利。 科学史家村上陽一郎の出世作と言える。 ペストは歴史に登場して以来、かっきり300年サイクルで大流行を起こしているという。 14世紀、17世紀、そして20世紀。 突然アウトブレイクし、大量の死者を出した後、これまた突然収束していく。 カミュの「ペスト」でも、この病は、何の前触れもなく突然猛威を奮い始め、多くの人々の生命を奪って、社会に大混乱を与え、そして、人間の努力に関わりなく、突然消え去る。 300年サイクルが正しいとすると、体力を蓄え、変化を遂げつつあるペストが次にアウトブレイクするのは2200年頃か。
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あっと言う間に読了できました。疫病の中でも最大級のインパクトを持っていたペストについて、特に中世ヨーロッパへの影響について勉強したく本書を手に取りました。ペストは古代にも発生したらしいことがいくつかの文献から明らかですが、その状況が詳しくわかるのは、本書が中心的に書いている中世ヨ...
あっと言う間に読了できました。疫病の中でも最大級のインパクトを持っていたペストについて、特に中世ヨーロッパへの影響について勉強したく本書を手に取りました。ペストは古代にも発生したらしいことがいくつかの文献から明らかですが、その状況が詳しくわかるのは、本書が中心的に書いている中世ヨーロッパ(14世紀)でしょう。ボッカチオの「デカメロン」はじめ、当時のペストの状況を記述する手掛かりが多数残されています。 本書で興味深かったのは、様々な病因論です。14世紀当時の医学ではまだペスト菌は発見されていませんから(それが発見されるのは19世紀、北里柴三郎とイェルサンによる)、当時の人々は様々な原因を考えていたわけです。ただ病気が「感染する」ということ、また「隔離されていた」人々が罹患しなかった、という知見から、感染地域からの人々を一定期間隔離するような政策も打ち出されますが、本書によるとそれもペストの大災害が落ち着いた後だったとのこと。ペストは、それが主因ではなかったにせよ、それまで進行していた中世ヨーロッパの様々な社会制度終焉(例:荘園制度の終焉)や宗教改革へのダメ押しになったということが本書から理解できました。 ひるがえって現在に目を向けると、我々はCovid-19という疫病を経て、テレワークのような働き方の劇的な変化を目の当たりにしています。またCovid-19によってこれまで進んでいた社会のデジタル化に拍車がかかったことも間違いありません。大きな疫病が持つ社会変革の力を感じる本でした。
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本書で考察されている主に中世ヨーロッパでのペストの流行はさまざまなことを引き起こし、世の中もかえた。この時もユダヤ人の迫害が行われたりした事もあったのが描かれている。日本での関東大震災時の流言蜚語を思い出す。 人間の本質的な考え方や行動は変わらないと思う反面、現代では科学の進歩...
本書で考察されている主に中世ヨーロッパでのペストの流行はさまざまなことを引き起こし、世の中もかえた。この時もユダヤ人の迫害が行われたりした事もあったのが描かれている。日本での関東大震災時の流言蜚語を思い出す。 人間の本質的な考え方や行動は変わらないと思う反面、現代では科学の進歩もあり、中世のペストの大流行時と、今回のコロナに対する人々の臨みかたは違ってもいる。ここに明るい人間未来を見たいと思う。
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