商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
| 発売年月日 | 2008/07/24 |
| JAN | 9784041053294 |
- 書籍
- 文庫
芋虫
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芋虫
¥572
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商品レビュー
4
96件のお客様レビュー
短編がこんなに入ってるとは思わなかった。 どれもはらはらどきどきの話だった! 読みたかった芋虫は文字なのにリアルに想像できてグロすぎた
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芋虫 野中の一軒家にとじ籠められ、行末に何の望みも失った、殆ど無と云ってもよかった二人の男女にとっては、それが生活の凡てであった。動物園の檻の中で一生を暮らす、二匹のけだものの様に。 そんな風であったから、時子が彼女の夫を、彼女の思うがままに、自由自在に弄ぶ事の出来る、一個の大き...
芋虫 野中の一軒家にとじ籠められ、行末に何の望みも失った、殆ど無と云ってもよかった二人の男女にとっては、それが生活の凡てであった。動物園の檻の中で一生を暮らす、二匹のけだものの様に。 そんな風であったから、時子が彼女の夫を、彼女の思うがままに、自由自在に弄ぶ事の出来る、一個の大きな具と影像すに至ったのは、誠に当然であった。又、不具者の恥知らずな行為に感化された彼女が、常人に比べてさえ丈夫丈夫していた彼女が、今では不具者を困らせる程も、飽くなきものとなり果てたのも、至極当り前のことであった。 彼女は時々気狂いになるのではないかと思った。 物も云えないし、こちらの言葉も聞えない、自分では自由に動くことさえ出来ない、この奇しく哀れな一個の道具が、決して木や土で出来たものではなく、喜怒哀楽を持った生きものであるという点が、限りなき魅力となった。その上、たった一つの表情器官であるつぶらな両眼が、或時はさも悲しげに、或時はさも腹立たしげに物を云う。しかもいくら悲しくとも、涙を流す外には、それを拭うすべもなく、いくら腹立たしくとも、彼女を威嚇する腕力もなく、遂には彼女の圧倒的な誘惑に耐え兼ねて、彼も亦異常な病的昂奮に陥ってしまうのだが、この全く無力な生きものを、相手の意にさからって責めさいなむことが、彼女にとっては、もう此上もない愉悦とさえなっていたのである。 「ユルス」 時子はそれを「許す」と読み得た時、ハッと凡ての事情が分ってしまった様に思った。 不具者は、動かぬ身体を引ずって、机の上の鉛筆を口で探して、彼にしてはそれがどれ程の苦心であったか、僅かに片仮名三字の書置きを残すことが出来たのである。 「自殺をしたのかも知れませんわ」 あの柱には「許す」と書いてあった。あれは彼女が先に不具者の胸に「ユルシテ」と書いた言葉の返事に相違ない。彼は「私は死ぬ。けれど、お前の行為に立腹してではないのだよ。安心おし」と云っているのだ。 この寛大さが一層彼女の胸を痛くした。
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ー芋虫ー 気持ち悪くて描写がリアルで 生々しくて、不穏。 でもそれだけじゃない、ちょっぴり切ない。 このキモさと切なさのバランスが絶妙かも。
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