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ザ・ロード
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 2008/06/25 |
| JAN | 9784152089267 |
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商品レビュー
4
69件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
不思議な読後感のある本だった。 私の手元の版についている帯には「各紙誌で絶賛の父子小説」とある。 その通り、本書はひたすらに父子が道を征く小説である。 舞台は、何らかの理由でほぼ完全に滅びてしまった後のアメリカ。 地面はどこもかしこも灰が覆い、草木は炭となって点在するか枯れ果てている。街々は滅びて建物はほぼ全て廃墟と化し人の姿は基本的にはない。人間以外の生き物に至っては一切登場しない。死に絶えてしまったようだ。 そして、空も厚い灰に覆われているようで、景色は常に灰色または闇。 陽の光はぼんやりとしか射さず、どうやらかなり寒いようだ。 そんな中、父子は生きるために、ひたすら南を目指して歩いている。 廃墟で見つけたショッピングカートに、かつての生活の名残り……缶詰などを見つけてはそれを積み込んでどうにか生きている。 ほとんど見かけはしないものの、もし他に人間の気配があったとしたら、それはどちらかと言えば危険信号。 相手も生き残るために何をしてくるか分からないのだ。 生きるか死ぬかの緊張感の中、彼らは歩き、生きるための糧を探し、悪意ある人間から隠れ、そしてまた歩いていく。 本書は不思議な小説だ。 歩けども歩けども、景色は好転しない。 彼らは歩き、疲弊し、次第に衰弱していく。 それでも歩いていく。 いよいよ食糧も尽き、もうダメかという時でも、彼らは最後の力を振り絞ってヨタヨタと歩いていく。 彼らを突き動かすものは何だろうか。 そして読者である私も、死と荒廃の景色しか見せてくれないこの本を、まるでこの親子と同じような執念を持ってページを繰り続ける。 めくってもめくっても景色は変わらない。 私を突き動かすものは何だったか。 恐らく、それは「期待」、あるいは「希望」。 このような世界でも、生きて、前に進んでいけばいつかどこかで事態が好転するかもしれない。 ひょっとしたら生存者たちが作ったコロニーがあるかもしれない。 ここまで酷い荒廃を見せているのは北米大陸だけかもしれない。 理性で信じられなくても、心のどこかがそんなことを期待してしまうから、彼らは歩くし、読者はページをめくる。 我々はなぜ生きようとするのか。 それが生き物の本能だからと言うのは簡単だが、では何がその原動力となるのか。 人は皆、漠然と将来に対する「期待」や「希望」を埋め込まれてこの世に生を受けているのかもしれない。 絶望に囲まれた小説で「希望」を心の中に見出す。 そんな不思議な読書体験だった。
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短い段落で物語られて行く。 厳しい。そして少しの救い。 代表作とされるブラッドメリディアンが1985年で、その後が国境三部作。1992年、1994年、1998年。本書は2006年発行で2007年度ピュリッツァー賞。 わたしの好きなのは国境三部作の世界だなとあらためて思う。
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展開がファミコンアクションゲーム。敵に遭遇→缶詰ゲット→敵に遭遇→缶詰ゲット…がゲームオーバーまで続く感じ。ハッピーエンドが想像できないストーリーで子を持つ親の立場として読むのがしんどい。
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