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ドストエフスキーの人間力 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2008/05/28 |
JAN | 9784101489230 |
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ドストエフスキーの人間力
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ドストエフスキーの人間力
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#63奈良県立図書情報館ビブリオバトル「アニバーサリー」で紹介された本です。 2016.2.20 https://m.facebook.com/events/783944221739603?view=permalink&id=791610527639639
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本好きにとって必読書と言われているドストエフスキー作品ですが、暗くて難解で不幸にあふれているドストエフスキー作品にはなかなか親しみを持てないまま。 それでも、その良さを理解したい気持ちがあり、なにかとっかかりがないかと読んでみた本。 著者の齋藤先生はドストエフスキーが一番好きな...
本好きにとって必読書と言われているドストエフスキー作品ですが、暗くて難解で不幸にあふれているドストエフスキー作品にはなかなか親しみを持てないまま。 それでも、その良さを理解したい気持ちがあり、なにかとっかかりがないかと読んでみた本。 著者の齋藤先生はドストエフスキーが一番好きな作家で偏愛しているそうですが、それは作中の登場人物が、みんないろいろな形で「行き過ぎた」、ヒステリックな人たちだからだそう。 その不条理さと激しさに苦手意識を感じている私にとって、新鮮な見方です。 著者は、登場人物をいつくしみ愛しているわけではなく、人間的には全く何の魅力もない彼ら「どうしようもない人々」の過剰なエネルギーを偏愛しているのだそう。 その理由が「こんなどうにもならない人たちでも世に存在していいのだとわかると、とても楽になる」というのですから、ドラスティックで面白い考え方です。 でもそう考えることで、ドストエフスキー作品を私のように「引いて」ではなく「面白がって」読むのは、結果的に楽しい読書ができており、プラスの効果が上がっています。 さっそく著者に見習って、行き過ぎたキャラクターたちを楽しみながら、眺めるように読んでみようと思います。 興奮状態がほぼ最初から最後まで続くような、ある意味異常すぎる作品群。それを「祝祭空間が生まれる」と表現する著者。 物事のとらえ方のように、小説は読み方ひとつでずいぶん印象が変わってくるもの。それによって理解力も変わってきます。 ようやくドストエフスキー作品をエンジョイできそうな糸口が見えてきました。
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ドストエフスキーの作品に登場する人物を取り上げ、そのアクの強い「人間」の姿について論じている本です。 ドストエフスキーの作品世界と言えば、キリスト教やロシアの「大地」といったテーマがすぐに思いつきますが、著者の視線はただ「人間」だけに向けられています。マルメラードフの卑屈さをは...
ドストエフスキーの作品に登場する人物を取り上げ、そのアクの強い「人間」の姿について論じている本です。 ドストエフスキーの作品世界と言えば、キリスト教やロシアの「大地」といったテーマがすぐに思いつきますが、著者の視線はただ「人間」だけに向けられています。マルメラードフの卑屈さをはじめとする登場人物たちは、それぞれの「癖」を「技」にまで突き詰める「過剰な人」であり、そんな彼らが互いに出会うことで、ドストエフスキーの作品世界をカーニヴァル的な祝祭空間に化していくのだと著者は語っています。 宮沢賢治とともに、著者が若い頃からどうしても本を書きたいと考えていたというドストエフスキーを扱った本書は、著者の数多くの本の中でも読者をぐいぐい引っぱっていく力に満ちており、ドストエフスキーの作品世界への優れた手引きになっているのではないかと思います。ただ、本書の中でドストエフスキーの作品に登場するアクの強い人物たちを語っている著者の姿と、テレビの中でいつもニコニコしている著者の姿がなかなか折り合いがつかず、どことなく落ち着かない気分にさせられたのも事実ですが。
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