商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 未來社 |
発売年月日 | 1984/12/01 |
JAN | 9784624300128 |
- 書籍
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政治的なものの概念
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政治的なものの概念
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商品レビュー
4.3
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有名な友敵理論について書かれた本です。 友と敵とを区別して対立する、それが政治だとするシンプルな見方なので、共同的な行為に対する目線がないという批判がありますが、時代状況を考えれば厳しい時代ほどシュミットの論が必然性を帯びてくる、という状態であり、今のような時代こそ必要な論考であ...
有名な友敵理論について書かれた本です。 友と敵とを区別して対立する、それが政治だとするシンプルな見方なので、共同的な行為に対する目線がないという批判がありますが、時代状況を考えれば厳しい時代ほどシュミットの論が必然性を帯びてくる、という状態であり、今のような時代こそ必要な論考であるといえます。
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公法学者であるカール・シュミットが、そうした法や法秩序としての国家、経済的領域としての社会などは、すべて「政治的なもの」によって基礎づけられているのであるという主張を展開する。その「政治的なもの」の徴憑は「友―敵関係」である。こうした視点であらゆる対立を観察すると、すべてが「政治...
公法学者であるカール・シュミットが、そうした法や法秩序としての国家、経済的領域としての社会などは、すべて「政治的なもの」によって基礎づけられているのであるという主張を展開する。その「政治的なもの」の徴憑は「友―敵関係」である。こうした視点であらゆる対立を観察すると、すべてが「政治的なもの」のうちに回収されていく。しかし中でも、決定的事態に際して決定する権力としての「主権」を有する政治的単位=国家こそが、「政治的なもの」の中でも特に重要である。政治の価値をいかなる基準によって判定するか、ということを考える際に、このシュミットの「政治的なもの」をめぐる議論は無視できないに違いない。
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(公)敵の概念は、日本ではなじみの薄いものであるように思われる。確かに戦前は軍国主義であったし、戦後も冷戦に巻き込まれて赤狩りを展開した。しかし、戦前のそれは宗教的含意と私情が濃厚なものであったし、戦後のそれは半分お遊びのようなものであり、命を賭けて戦うものではなかった(敵の側...
(公)敵の概念は、日本ではなじみの薄いものであるように思われる。確かに戦前は軍国主義であったし、戦後も冷戦に巻き込まれて赤狩りを展開した。しかし、戦前のそれは宗教的含意と私情が濃厚なものであったし、戦後のそれは半分お遊びのようなものであり、命を賭けて戦うものではなかった(敵の側には命を落とすことまで命じる用意があったのかもしれないが)。 シュミットのいう政治的なものの標識は、ヘーゲルのいわゆる国家を慎重に考慮しつつ、一般的にいわれるところの国家とその機能としての政治とは切り離されたものとして、提示される。これは、あらゆる領域が政治的なものの範疇に含められる可能性と、政治的なものの消滅が逆説的に国家の消滅を意味するという結果を表す。 この帰結は自由主義批判と国連批判として非常に強力である。国連が存在する限り、普遍的世界は訪れないし、自由主義は非政治的であろうとするがゆえに政治的である。 シュミットの思想は、洗練され、鋭敏であるゆえに、人を惹きつけるものがある。しかし、彼の政治標識が西欧で広く受け入れられるものであるとすれば、それはやはり恐ろしいことであり、政治的なものを無条件で肯定することの危険性は明白である。同時に、政治的なものが無尽蔵に生じ続けることの必然性を示している。 個人的に面白かったのは、法学について、誰が権力を握っているかだけだろう、ときって捨てているところ。身もふたもないw
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