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デザインのデザイン
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デザインのデザイン

原研哉(著者)

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デザインのデザイン

2,090

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2003/12/25
JAN 9784000240055

デザインのデザイン

¥2,090

商品レビュー

4.2

160件のお客様レビュー

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2024/12/03

前半がとても面白かった。 特に、「坂茂とトイレットペーパー」は私の理想とするデザインを体現したものだと思った。 デザインは見た目の美しさだけでなく、機能性も兼ね備えなおかつそこにデザイナーの哲学が潜んでいるというのが私の考える理想のデザインである。 哲学が潜んでいるのが一番のポイ...

前半がとても面白かった。 特に、「坂茂とトイレットペーパー」は私の理想とするデザインを体現したものだと思った。 デザインは見た目の美しさだけでなく、機能性も兼ね備えなおかつそこにデザイナーの哲学が潜んでいるというのが私の考える理想のデザインである。 哲学が潜んでいるのが一番のポイントで、それが前面に出ることはあまり美しいとは思わない。 以上は私の考える理想のデザインだ。 著者は、プロのデザイナーであるからそこには自ずと商業的要素が加わってくる。 著者がアートディレクションをした無印良品のコンセプトについて、「が」ではなく「で」というエピソードが印象に残った。 以下引用。 「無印良品が目指す商品レベル、あるいは商品に対する顧客の満足度のレベルはどの程度のものなのだろうか。少なくとも、突出した個性や特定の美意識を主張するブランドではない。「これがいい」「これじゃいなきゃいけない」というような強い嗜好性を誘発するような存在であってはいけない。(中略)すなわち「これがいい」ではなく「これでいい」という程度の満足感をユーザーに与えること。「が」ではなく「で」なのだ。しかしながら「で」にもレベルがある。無印良品はこの「で」のレベルをできるだけ高い水準に掲げることが目標である。(中略)「が」は時として執着を含み、エゴイズムを生み、不協和音を発生させることを指摘したい。結局のところ人類は「が」で走ってきて行き詰っているのではないか。消費社会も個別文化も「が」で走ってきてっ世界の壁に突き当たっている。そういう意味で、僕らは今日「で」の中に働いている「抑制」や「譲歩」、そして「一歩引いた理性」を評価すべきである。「で」は「が」よりも一歩高度な自由の形態ではないだろうか。(p109) 示唆に富んだ興味深い発想である。

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2024/11/14

著者のデザイナーとしての経験から、デザインの考え方について書かれた本。 デザインの簡単な歴史やアートとデザインの違いについて学べた。 アートは個人の自己表現として行われ、デザインは社会に共通している価値観に基づいて行われる。 個人と公共の対照的な概念だと感じた。 また、著者の...

著者のデザイナーとしての経験から、デザインの考え方について書かれた本。 デザインの簡単な歴史やアートとデザインの違いについて学べた。 アートは個人の自己表現として行われ、デザインは社会に共通している価値観に基づいて行われる。 個人と公共の対照的な概念だと感じた。 また、著者の幅広いデザイン事例が沢山挙げれていた。 その中でも特に、深澤直人氏がよく利用する「アフォーダンス」という理論に興味を持った。

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2024/08/31

まえがき 何かをわかるということは、何かについて定義できたり記述できたりすることてわはない。むしろ知っていたはずのものを未知なるものとして、そのリアリティにおののいてまることかま、何かをもう少し深く認識することにつながる。 第1章 デザインとは何か p.2 デザインとは、ものづ...

まえがき 何かをわかるということは、何かについて定義できたり記述できたりすることてわはない。むしろ知っていたはずのものを未知なるものとして、そのリアリティにおののいてまることかま、何かをもう少し深く認識することにつながる。 第1章 デザインとは何か p.2 デザインとは、ものづくりやコミュニケーションを通して自あいの生きる世界をいきいきと認識するであり、優れた認識や発見は、生きて生活を営む人間としての喜びや誇りをもたらしてくれるはずだ。 p.24 混乱した状況の中で信頼たる指針を生み出すのは地に足ついた状況観察の積み重ねである。デザインはメディアに従属するものではなく、むしろメデイアの本質を探り当てていく働きをする。 第2章 リデザイン p.29 デザインは基本的には個人の自己表出が動機ではなく、その発端は社会の側にある。社会の多くの人々と共有できる問題を発見し、それを解決していくプロセスにデザインの本質がある。 あーー 第3章情報の建築という考え方 p.63 感覚あるいかイメージの複合という問題について僕はこんなふうに考えている。デザイナーは受け手の脳の中に情報の建築を行っているのだ。視覚、触覚、それらの複合によってもたらされる刺激が受けての脳の中で組み上げられ、僕らがイメージと呼ぶものがそこに出現するのだ。 第4章 なにもないがすべてがある p.108 無印良品が目指す商品のレベル、あるいは商品に対する顧客の満足度のレベルはどの程度であろうか。少なくともら突出した個性や特定の美意識を主張するブランドではなない。「これがいい」「これじゃなきゃ行けない」と言うような強い嗜好性を主張するブランドではない。「が」は個人の意志をはっきりさせる態度が潔い。自由とは「が」に近接している価値観かもしれない。しかしそれを認める一方で、「が」は時として終着を含み、エゴイズムを生み、不協和音を発生させることを指摘したい、そう言う意味で、僕らは今日「で」の中に働いている「抑制」や「譲歩」、そして「一歩引いた理性」を評価するべきである。 第5章 欲望のエデュケーション p.135 その企業がフランチャイズとしている市場の欲望の水準をいかに高水準に保つのかと言うことを同時に意識し、ここに戦略を持たないとグローバルにみてその起業の商品が優位に展開することはない。 p.148 マーケットの要望に応えつつもユーザーの美意識に密やかに働きかけ、エデュケーショナルな影響力を生むような、そう言うデザインを目指していきたい。 第6章 日本にいる私 p.157 日本文化のシンプルな志向や、空っぽの空間にぽつりとものを配する緊張感はアジアの中でも特殊である。他のアジア地域では装飾ひとつとっても高密度で で緻密なディテイルをもつ。(これは)究極のシンプル、つまりゼロをもって全てを止揚することを思いついたのではないか。 第7章 あったかもしれない万博 p.179 古来より日本人は、叡智は自然の側にあり人間はそれを汲み取って生きていると考えてきた。人智の及ばない叡智に遭遇し続けることは、人間は もまた自然の一部であると言う謙虚な思考に自ずと導かれる。すなわち、日本人が古来より抱き続けてきた自然観に科学の先端の感性が接近してきたのだ。 第8章 デザインの領域を再配置する p.211 「独創性」というのは、いまだかつて誰もやってない斬新な方法で情報を表現することである。

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