商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2007/12/20 |
JAN | 9784122049529 |
- 書籍
- 文庫
西ひがし
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西ひがし
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パリをはなれ、連れ合いがパリにいるときに、自分でシンガポールやマレーシアやインドネシアの各地を飛び回り、金の算段をしたかと思うと使ってしまうという生活である。アジア旅行といえば言えなくもないが、常に金の心配をしながら、さらに金の算段を目指しての旅であった。アジアの貧乏旅行記として...
パリをはなれ、連れ合いがパリにいるときに、自分でシンガポールやマレーシアやインドネシアの各地を飛び回り、金の算段をしたかと思うと使ってしまうという生活である。アジア旅行といえば言えなくもないが、常に金の心配をしながら、さらに金の算段を目指しての旅であった。アジアの貧乏旅行記としても旅行者にはやくだつであろう。
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自伝三部作の最後 もっとも辛らつ 太平洋戦争直前のシンガポールやマレーの雰囲気が伝わってくる 「支配者が要求していることは、国民皆兵であると同時に、現に、婦女皆娼であったではないか」 みっともなく情けなく不義理とうそにまみれた、自身の過去を40年ののちに暴きだす凄さ 同時に...
自伝三部作の最後 もっとも辛らつ 太平洋戦争直前のシンガポールやマレーの雰囲気が伝わってくる 「支配者が要求していることは、国民皆兵であると同時に、現に、婦女皆娼であったではないか」 みっともなく情けなく不義理とうそにまみれた、自身の過去を40年ののちに暴きだす凄さ 同時に海外で放浪していた 妻、森三千代はどんな思いでいたのか?
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本書は金子光晴の自伝的放浪記の三部作、「どくろ杯」「ねむれ巴里」に続く三作目だ。上海から東南アジアを経てヨーロッパへ。そしてこの三作目では、ヨーロッパから、再び、東南アジアを放浪する。 金子光晴は1895年に生まれ、1975年に79歳で亡くなっている。三部作に描かれた放浪は、昭和...
本書は金子光晴の自伝的放浪記の三部作、「どくろ杯」「ねむれ巴里」に続く三作目だ。上海から東南アジアを経てヨーロッパへ。そしてこの三作目では、ヨーロッパから、再び、東南アジアを放浪する。 金子光晴は1895年に生まれ、1975年に79歳で亡くなっている。三部作に描かれた放浪は、昭和3年から5年間に渡った。昭和3年は1928年なので、金子光晴の30代前半から後半にかけての放浪である。 放浪と言うと、一人旅を思い浮かべると思うが、金子光晴の放浪は、妻の森三千代との駆け落ち風の放浪である。妻の森三千代に自分以外の恋人がいると考えた金子光晴は、二人の仲を裂くために、放浪の旅に出かける。これが旅のきっかけである。 旅行記と言えば旅行記、滞在記と言えば滞在記なのであるが、とてもユニークなものである。 まず書かれたのが、金子光晴の晩年、すなわち、実際の放浪から随分と時間が経ってから書かれている。従って、書かれていることは金子光晴の記憶に頼っているわけであり、細部については正確かどうかは分からない。 この放浪の旅は、赤貧の旅であったし、そもそもが日本を出る以外に何の目的もない旅であり、かつ、金子光晴という人は、あまり先のことを考えない人であったようなので、書いてあることは、その時その時の描写と感想である。全体を貫く何かがあるわけではない。 三部作全体を読んでみて強く印象に残ったのは、金子光晴の精神の自由さである。 とにかく、ほとんど何にもこだわらない。もともと金子光晴は、詩人として有名な人である。そういった言葉の達人が、何にもこだわらない気持ちで書く旅行記は、ユニークな面白さがある。
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