商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2007/10/24 |
JAN | 9784041171042 |
- 書籍
- 文庫
中原中也全詩集
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中原中也全詩集
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商品レビュー
4.5
21件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
人の性格が数種類に異なるように、文学のあり方も幾通りかあるだろう。例えば、活力に満ちた起伏のある物語もあれば、静的で浮き沈みのない、人生を冷静に観察する物語もある。夢想を語るものもあれば、美に耽るものもある。文学は、書き手の性格と発想のスタイルが作り出したものではないか。◆私が勝手に名づけている文学スタイルの一つに「自己言及」がある。自分の内面に沈潜し、闇に閉じこもり、やっと出てきた言葉を紡ぐ時、その言葉は、もはや闇を纏わず、光を発する言葉となって、聞く人を勇気づける。中原中也はその典型だ。例えばこの詩。「あゝ、おまへはなにをして来たのだと/吹き来る風が私に云ふ」(「帰郷」)。◆詩人は元来自己言及するものだと言えばそれまでだが、彼ほど自分そのものを憐み嘆き、揶揄し皮肉り、あるいは突き放す詩人もいない。「ホラホラ、これが僕の骨だ/ヌツクと出た、骨の尖(さき)。/見てゐるのは僕? 可笑しなことだ」(「骨」)。◆自己言及の文学は、自己を題材とするが故の過酷さがある。しかし中原は「詩人」だった。詩にはリズムがある。歌がある。中原は自らの悲痛をも軽やかに歌に乗せた。「馬車も通れば、電車も通る。まことに人生、花嫁御寮」(「春日狂想」)。三〇歳での死を目前に控えた詩にこれほどまでに諧謔の哀しみがある。これが「自己言及」の文学だ。◆ところで、現代の「自己言及」の文学は「スキマスイッチ」ではないか。「今、ぼくの中にある言葉のかけら/喉の奥 鋭く尖って突き刺さる」(「ボクノート」)(K) 紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2011年3月号掲載
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-2024.03.12.読了 詩の掲載だけで計715頁、 週に一度の「四方館 Body Training」、 その仕上げの朗読タイムで、声に出して読んできた。 ほぼ九ヶ月をかけて‥‥。
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中也全詩集を時間をかけて読んだ。今彼の詩を読んで所謂名作と言わてるものが物凄く際立っているように思えた。 好きだった作品をあげてみる。 山羊の歌より ・帰郷 ・失せし希望 ・汚れちまった悲しみに…… ・生い立ちの歌 ・時こそ今は… 在りし日の歌より ・冷たい夜 ・湖上 ・骨 ・北...
中也全詩集を時間をかけて読んだ。今彼の詩を読んで所謂名作と言わてるものが物凄く際立っているように思えた。 好きだった作品をあげてみる。 山羊の歌より ・帰郷 ・失せし希望 ・汚れちまった悲しみに…… ・生い立ちの歌 ・時こそ今は… 在りし日の歌より ・冷たい夜 ・湖上 ・骨 ・北の湖 ・一つのメルヘン ・冬の長門峡 未発表詩篇より ・春の夕暮 ・(概念が明日となれば) ・(秋の日を歩み疲れて) ・秋の日 ・幼なかりし日 ・夏の海 ・夏 ・湖上 ・砂漠の渇き ・(吹く風を心の友と) ・(疲れやつれた美しい顔よ) ・コキューの憶ひ出 ・細心 ・酒場にて(定稿) ・脱毛の秋 ・いちぢくの葉 ・朝 ・山上のひととき 以上29篇、高名な「山羊の歌」「在りし日の歌」以外にも抒情性豊かな詩篇があり、僕がこの本を手にした理由だ。 また、巻末にこれも高名な大岡昇平と小林秀雄の評伝が掲載されており、素晴らしい。
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