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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | WAVE出版 |
発売年月日 | 2007/10/15 |
JAN | 9784872903201 |
- 書籍
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苔とあるく
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苔とあるく
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商品レビュー
4.4
19件のお客様レビュー
倉敷の蟲文庫さんを訪れたのは、もう随分前のこと。あの時にひとはくの秋山先生のことを教わったのでした。自然科学の目とコケ愛に溢れた一冊。野外散歩、野山歩きが楽しみになります。
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「花よりもコケが好き」という岡山県倉敷市の「蟲文庫」店主・田中美穂さんのこの本を読んで、私も歩きながらコケが気になって仕方なくなりました。とても楽しい本です。
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『ちょっと庭に出てみただけでも、敷石のまわり、植木の幹や根本、プランターの中、お隣さんとの境のブロック塀……たぶんそれだけで軽く10種類はあるはず。そして、ルーペを使ってひとつひとつ覗いてみると、色も形もさまざまでじつにおもしろいのです』 余り他人には言ったことはないけれど、秘...
『ちょっと庭に出てみただけでも、敷石のまわり、植木の幹や根本、プランターの中、お隣さんとの境のブロック塀……たぶんそれだけで軽く10種類はあるはず。そして、ルーペを使ってひとつひとつ覗いてみると、色も形もさまざまでじつにおもしろいのです』 余り他人には言ったことはないけれど、秘かに苔を育てている。世の中では、やれ苔玉だの、コケリウムだのと、何だか小洒落た趣のコケ愛好家も居るけれど、自分のはもう少し地味な愉しみ方。道端に生えている苔を少し拾ってきて掌ほどの小さな鉢に植えて眺めるというもの。あんなに過酷な環境で育っているのだから家に連れてきたらさぞやぬくぬくと育ってくれるだろうと期待していると、案外上手くいかない。土が悪いのか、水をやり過ぎなのか、日に当て過ぎなのか、寒過ぎるのか、暑過ぎるのか、と色々手を掛けてみるが、手を掛ければ掛ける程元気がなくなっていくようにも見える。他の植栽とは全く違う。コケリウムを作ってみたはいいけれど、直ぐに茶色くなってしまって嫌になるという人も多いらしい。 そんな風に、余りにも世話の焼き甲斐が無いものだからやる気が失せてしまいがちなのだが、ホッタラカシて置くと、いつの間にか勢いが戻って緑色が鮮やかになったり。 この本もそんな風に採集しては枯れてしまう(実は枯れている訳ではないということは本書に書いてある通り!)を繰り返していた頃に手に取ったものだが、ずっとホッタラカシてあったもの。最近になってようやく苔との付き合い方の間合いが判って来たので、改めて読んでみた。 この本はいわゆるコケリウムの作り方などに書いてあるようなハウツーを要約した本ではない。それどころか、コケの育て方が知りたい、と思っている人の疑問にはほとんど答えてくれない(なのでパラパラと流し見した後に放って置いた本なのだ)。何しろ著者の「コケ好きの古本屋さん」は、自生している苔を観察するのが一番だと言うのだ(「やはり野に置け蓮華草」ということか)。つまり、実はその間合いこそ、つまり「育ててやろう」などという高慢な態度を忘れて向き合う姿勢こそ、コケと付き合うには必須の心構えなのだということを、著者は言いたいのだ。 何度も「枯らして」しまったコケを諦めきれずに取っておいて復活させた経験をした今でなら、そのことはよく判る。本によっては「水はけをよく」とか「保湿剤を使う」などと全く反対のことが書いてあることもあってどういうことなのかと困惑したりもするけれど、コケの正解はコケに聞くしかない。種類によっても違うし、基本的に苔は「育つところには育つ」し「育たないところには育たない」というマイペースな生物なのだ。だから「育ってくれますか」と祈るような気持ちでじっと待ってみることが何よりも大切だ。そのことを著者は熱く語る。 そう言えば、最近ようやく地面に埋めた踏み石の周りに苔が生えてきた。狙っていた訳ではないけれど、苔がその場所を適所と見極めるのには、造成した土地が周囲の環境と馴染む時間も含めて、やはり長いこと掛かるものなのだなと実感する。
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