図説 「最悪」の仕事の歴史 図説シリーズ

トニーロビンソン, デイヴィッドウィルコック【著】, 日暮雅通, 林啓恵【訳】

• 販売会社／発売会社: 原書房
• 発売年月日: 2007/09/26
• JAN: 9784562041190

商品レビュー

2024/02/24

歴史の授業でこういうのを取り上げたら、産業革命や人権問題などがもっと理解できるだろう。自分を取り巻く環境の見え方が変わってくる。もとはテレビシリーズらしいので、ぜひ映像で見てみたい。

2022/08/08

こんなものまで仕事として成り立っていたのかと驚くものが多かった。最悪の仕事というだけあって、汚い、臭い、心身の危険、体力的にキツイ、対価が安い、というもののオンパレード。複合要素を含んでいるものが多く、うわーという感じで読んでいたが、こういった光の当たらない仕事で生活し、社会の下支えの一端になっていたのかと思うと非常に興味深かった。

2021/01/30

ローマ時代からビクトリア朝（20世紀頭）までの英国を中心とした西洋での最悪の仕事を紹介する．西洋の華々しいイメージが粉砕される.

一部の王族や貴族が優雅な暮らしをしていた一方，急激に増大した人口と追いついていない都市インフラ，モラルと制度が発展途上で行われる経済活動（産業革命＝人間の労働力化）で多くの人が
汚い，危険，キツい，低収入，退屈，仕事（3K+2T)をしていた

印象的なのは時折挿入される最悪の仕事に従事する人を移した写真を見ると，その人の顔つきが痩せこけたりはしているものの凛々しさを感じることがあったということ．現代から見れば最悪の仕事で誰もやらないものかもしれないけど，当時はその仕事をするのは選択肢の一つで，自分の置かれた状況を受け入れていたようにも見える．人間は相対的にしか物事を評価できないという一面が垣間見える．

英国では最悪の仕事をテーマにしたテレビ番組がバラエティとしてではなくヒストリー，ドキュメンタリーとして作られていたらしい．気になる．

“職場で惨めな思いをしたり，不当に扱われたと感じた日には，あなたの仕事よりはるかにおぞましい職業についていた歴史上の無数の人々のひとりでないことを，感謝していただきたい”

”私たちの歴史が作られてきたのは，それぞれの時代の”最悪の仕事”に従事した，無名の人たちのおかげなのである．彼らこそ，この世界を作ってきた人なのだから”
最後の一文はこれ．とても良い締めだ．

ローマ：饗宴でわざと吐瀉して次に備える．⇨「反吐収集人」

ヒル収集人

絞首刑より斬首刑の方が珍しく，貴族にだけ許された．戦場で刃で命を落とす高貴な理想を反映したもの

化学薬品としての尿，糞便

硝石集め人＝火薬の原料＝原料は尿＝国家にとって欠かせない＝他人の家を好きに掘り返して良いという特権

”古き良き風景”のためにそこに住まう苦行者を雇う金持ち．　スケールが違う

ビクトリア朝の最悪の仕事”皮なめし”
革は産業を支える必要不可欠な産物だったのにその生産過程は最悪の仕事5条件を満たすもので，それに従事するものは社会の除け者にされていた，