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逃亡くそたわけ 講談社文庫
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逃亡くそたわけ 講談社文庫

絲山秋子【著】

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逃亡くそたわけ 講談社文庫

605

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2007/08/10
JAN 9784062758062

逃亡くそたわけ

¥605

商品レビュー

3.6

103件のお客様レビュー

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2025/02/10
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21歳の女子大生である「あたし」は、もともと軽いうつ病の気があったのだが、突如躁に転換し、軽い気持ちで自殺を図る。 結果入院させられた病院は、拘束されているわけではないけれども、退屈だ。 ここにはいられない、と、財布と鍵だけ持って病院を脱走する。 たまたまその時中庭にいた「なごやん」を誘って。 「なごやん」なんて言うから、名古屋出身なんだろうとは思ったけれど、なんとなく小柄で猫背の貧相なおじさんかと思ったら、元慶応ボーイの24歳。 軽いうつということだけど入院しているのは、一人暮らしだからなんだろうか。 ちなみに「なごやん」というのは、故郷の名古屋を捨てた「なごやん」が愛する名古屋の銘菓の名前。 行き当たりばったりの逃避行は、疾走感と同じくらい閉塞感に満ちている。 どれだけ逃げても、病気は治らないのだ。 いずれ病院に戻されることになる。 さらに、九州の果てまで行ってしまえば、その先は車では行けないのだ。 飛行機で、船で、九州を脱出したところで、結局地球の重力からは自由になれやしない。 それでも、何かが吹っ切れて、たぶん二人は病院へ戻るだろう。 「なごやん」の退院は少し伸びてしまうかもしれないが、都会コンプレックスが減った分、故郷への愛着を自覚したのだから、まあまあよしとしよう。 会社に戻れるかはわからないが、社会へは戻れる。 「あたし」は多分まだ退院は無理だと思う。 幻聴・幻覚が本当に消えたのかもわからないし。 つまり、近い将来二人は別々の人生を生きていくことを互いに理解している。 もともと恋愛感情などもなく、行き当たりばったりの逃避行なのだ。 けれど、多少のお金は持っていたとしても、病気を抱えて不安だらけで、それでもふたりは一週間生き延びてきたではないか。 万引きだったり当て逃げだったり畑泥棒や無銭飲食もしたけれど、車中泊などもしながら、日帰り温泉にも入ったり、たまには贅沢にホテルに泊まったり。 そんなんでも、生きていけるんだなあ。 型にはまらなくても生きていくことはできるんだなあ。 という、謎のエールをもらったような気がした。

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2024/11/22

⚫︎感想 精神病院から抜け出した男女2人が九州を駆け巡る。方言がとてもいい味を出している。 絲山秋子作品ふ3冊目。男女の友情というか、人間同士の繋がりを気持ちよい読後感をくれるところが絲山作品に通底するところだ。こちらの作品は、九州を必死で駆け巡る2人の珍道中といったところ。ちょ...

⚫︎感想 精神病院から抜け出した男女2人が九州を駆け巡る。方言がとてもいい味を出している。 絲山秋子作品ふ3冊目。男女の友情というか、人間同士の繋がりを気持ちよい読後感をくれるところが絲山作品に通底するところだ。こちらの作品は、九州を必死で駆け巡る2人の珍道中といったところ。ちょっと切なくて、ちょっと笑えて、ちょっといい話。一気読み。 ⚫︎本概要より転載 21歳の夏は一度しか来ない。あたしは逃げ出すことにした。 軽い気持ちの自殺未遂がばれて、入院させられた病院から。 逃げるのに思いつきで顔見知りを誘った。24歳の茶髪で気弱な会社員。 すぐに「帰ろう」と主張する彼を脅してすかして車を出させた。東へ。そして南へ。 __おんぼろ車で九州の田舎町を駆け抜けるふたりの前にひろがった暑い夏の物語。

Posted by ブクログ

2024/02/19

ある男女、恋愛関係でも、友達関係でもない、の二人の逃避行物語。絲山氏お得意のど直球な言い回しが小気味よい。この逃避行に楽しさ要素は全くないのだが、主人公たちがたどった道のりをドライブしたいと思った。

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