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逃亡くそたわけ の商品レビュー

3.6

105件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

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  4. 2つ

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  5. 1つ

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2026/04/14

絲山秋子さんの離陸に心を奪われて、もう一作読もうと購入していたこちら。精神病棟からの逃亡記はそこそこいままでも読んだことありそうな設定つつ、登場する2人の心の動きや様子がとてもリアルでわかるし生きていることを感じられた。移動は人を何か強くするのかしら。九州の田舎の描写もグッときた...

絲山秋子さんの離陸に心を奪われて、もう一作読もうと購入していたこちら。精神病棟からの逃亡記はそこそこいままでも読んだことありそうな設定つつ、登場する2人の心の動きや様子がとてもリアルでわかるし生きていることを感じられた。移動は人を何か強くするのかしら。九州の田舎の描写もグッときた。

Posted byブクログ

2026/04/06

 芥川賞作家の絲山秋子さん、本作では直木賞候補にもなっており、守備範囲広く多才です。以前、自費出版ZINE『妄想書評』で笑い、本作もぶっ飛びタイトルに惹かれ手にしました。  躁うつ病の女性「あたし」(博多出身21歳)と、うつ病の男性「なごやん」(名古屋出身24歳)が、精神病院を...

 芥川賞作家の絲山秋子さん、本作では直木賞候補にもなっており、守備範囲広く多才です。以前、自費出版ZINE『妄想書評』で笑い、本作もぶっ飛びタイトルに惹かれ手にしました。  躁うつ病の女性「あたし」(博多出身21歳)と、うつ病の男性「なごやん」(名古屋出身24歳)が、精神病院を脱走し、九州を舞台におんぼろ車で逃亡するロードノベルです。  逃亡は「北へ」のイメージですが、本作では博多から指宿まで、目的のない南下する逃避行で、南のイメージも相まって湿っぽい雰囲気がなく、乾いた爽やかさが感じられます。  「あたし」と「なごやん」の関係性が絶妙です。「あたし」のばりばりの博多弁と、東京にこだわり頑なに標準語で話すいじられキャラの「なごやん」の会話が全編を貫き、この2人の対比が際立ちます。  苦しい現実から脱走し、高揚感からか軽犯罪も重ねますが、不安や幻聴の他、当然ながら突発的な困難が頻繁に付いてまわります。それでも、2人のユーモラスな会話、自分の居場所を求める行動は、疲れている読み手の一服の清涼剤となります。  寄り道だらけでも、結局行き詰まって元に戻っても、苦しい今を別物に交換したい想いと行動には価値がある気がします。2人のその後を応援したい気になりました。続編の『まっとうな人生』があるようなので、いつか読みたいと思います。

Posted byブクログ

2025/04/15

メロンパンみたいな落石という表現がよかった。 マルクスとかウィトゲンシュタインとかヘーゲルとか出てきた。解説が渡部直己だったが、美味かった。

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2025/04/13

自殺未遂して精神病院に入院した「あたし」は「なごやん」を道連れに病院から脱走。九州横断の旅が始まる。名古屋出身なのに頑なに標準語のなごやんと博多弁のあたしの会話が絶妙に面白く凸凹コンビっぷりが良い。梅崎春生の『幻化』の影響はあるが悲壮感は全くない。

Posted byブクログ

2025/02/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

21歳の女子大生である「あたし」は、もともと軽いうつ病の気があったのだが、突如躁に転換し、軽い気持ちで自殺を図る。 結果入院させられた病院は、拘束されているわけではないけれども、退屈だ。 ここにはいられない、と、財布と鍵だけ持って病院を脱走する。 たまたまその時中庭にいた「なごやん」を誘って。 「なごやん」なんて言うから、名古屋出身なんだろうとは思ったけれど、なんとなく小柄で猫背の貧相なおじさんかと思ったら、元慶応ボーイの24歳。 軽いうつということだけど入院しているのは、一人暮らしだからなんだろうか。 ちなみに「なごやん」というのは、故郷の名古屋を捨てた「なごやん」が愛する名古屋の銘菓の名前。 行き当たりばったりの逃避行は、疾走感と同じくらい閉塞感に満ちている。 どれだけ逃げても、病気は治らないのだ。 いずれ病院に戻されることになる。 さらに、九州の果てまで行ってしまえば、その先は車では行けないのだ。 飛行機で、船で、九州を脱出したところで、結局地球の重力からは自由になれやしない。 それでも、何かが吹っ切れて、たぶん二人は病院へ戻るだろう。 「なごやん」の退院は少し伸びてしまうかもしれないが、都会コンプレックスが減った分、故郷への愛着を自覚したのだから、まあまあよしとしよう。 会社に戻れるかはわからないが、社会へは戻れる。 「あたし」は多分まだ退院は無理だと思う。 幻聴・幻覚が本当に消えたのかもわからないし。 つまり、近い将来二人は別々の人生を生きていくことを互いに理解している。 もともと恋愛感情などもなく、行き当たりばったりの逃避行なのだ。 けれど、多少のお金は持っていたとしても、病気を抱えて不安だらけで、それでもふたりは一週間生き延びてきたではないか。 万引きだったり当て逃げだったり畑泥棒や無銭飲食もしたけれど、車中泊などもしながら、日帰り温泉にも入ったり、たまには贅沢にホテルに泊まったり。 そんなんでも、生きていけるんだなあ。 型にはまらなくても生きていくことはできるんだなあ。 という、謎のエールをもらったような気がした。

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2024/11/22

⚫︎感想 精神病院から抜け出した男女2人が九州を駆け巡る。方言がとてもいい味を出している。 絲山秋子作品ふ3冊目。男女の友情というか、人間同士の繋がりを気持ちよい読後感をくれるところが絲山作品に通底するところだ。こちらの作品は、九州を必死で駆け巡る2人の珍道中といったところ。ちょ...

⚫︎感想 精神病院から抜け出した男女2人が九州を駆け巡る。方言がとてもいい味を出している。 絲山秋子作品ふ3冊目。男女の友情というか、人間同士の繋がりを気持ちよい読後感をくれるところが絲山作品に通底するところだ。こちらの作品は、九州を必死で駆け巡る2人の珍道中といったところ。ちょっと切なくて、ちょっと笑えて、ちょっといい話。一気読み。 ⚫︎本概要より転載 21歳の夏は一度しか来ない。あたしは逃げ出すことにした。 軽い気持ちの自殺未遂がばれて、入院させられた病院から。 逃げるのに思いつきで顔見知りを誘った。24歳の茶髪で気弱な会社員。 すぐに「帰ろう」と主張する彼を脅してすかして車を出させた。東へ。そして南へ。 __おんぼろ車で九州の田舎町を駆け抜けるふたりの前にひろがった暑い夏の物語。

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2024/02/19

ある男女、恋愛関係でも、友達関係でもない、の二人の逃避行物語。絲山氏お得意のど直球な言い回しが小気味よい。この逃避行に楽しさ要素は全くないのだが、主人公たちがたどった道のりをドライブしたいと思った。

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2024/02/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

マレーシアからの帰国の飛行機の中で、旅の途中で本を失いまくり残った一冊 すごいよかった、なんとなくずっと積読しててあまり読む気になれんかったんやけど、切迫感と神経と自然が、読み終わった後の余韻が、 主題じゃないかもやけど男と女でも同志として共にあることの肯定がしみた

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2023/10/10

オフビートなロードムービーっぽい小説。 特に大きなイベントはなく、淡々と主人国の二人が来るまで博多から鹿児島へと南下する。 退屈と言えば退屈な話なのだが、ジャームッシュ映画のような「面白い退屈」と言えば良いだろうか。ストーリーの起伏ではなく、主人公二人の会話を楽しむ小説だ。 「...

オフビートなロードムービーっぽい小説。 特に大きなイベントはなく、淡々と主人国の二人が来るまで博多から鹿児島へと南下する。 退屈と言えば退屈な話なのだが、ジャームッシュ映画のような「面白い退屈」と言えば良いだろうか。ストーリーの起伏ではなく、主人公二人の会話を楽しむ小説だ。 「幻覚の方が実感なのだ」 精神病院に入院している主人公が幻覚を表現した時のセリフだ。健康な人間でも不安に苛まれている時は、自分の想像が現実以上に実感を伴う。 「あたし」と「なごやん」の会話が普通なだけに、病人と健常者の境界があいまいなものだと感じる。 「幻覚の方が実感なのだ」

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2023/09/10

『末裔』を読んで、このひとの本をいろいろ読んでみようと思って、二冊目に読んだのがこれでした。うーむ、まあまあでしたかね。【2023年8月29日読了】

Posted byブクログ