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派遣のリアル 300万人の悲鳴が聞こえる 宝島社新書
792円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 宝島社/ |
発売年月日 | 2007/08/24 |
JAN | 9784796660297 |
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派遣のリアル
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派遣のリアル
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商品レビュー
3.9
15件のお客様レビュー
派遣の実態が俯瞰された話と、実際の派遣者の実話とを交えて、リアルに語られる。これを読むと、400万円の年収が勝ち組だということがよく分かる。解決策は、見えない。
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派遣の実態。 非熟練工を使う企業と、人材派遣会社との関係。2007年の頃執筆。つまり、偽装請負や多重派遣などがまかり通っていた頃の時代。 人材の流動性が一定線を超えたことで、企業は新規正社員を雇用する費用(イニシャル:約200万円/一人 300万円/年間)と、派遣社員を給与の1...
派遣の実態。 非熟練工を使う企業と、人材派遣会社との関係。2007年の頃執筆。つまり、偽装請負や多重派遣などがまかり通っていた頃の時代。 人材の流動性が一定線を超えたことで、企業は新規正社員を雇用する費用(イニシャル:約200万円/一人 300万円/年間)と、派遣社員を給与の1.4割増で雇う(420万円/年間)とで揺らぐ。 工場の自動化やシステム化により、オペレーターは熟練性を必要としなくなった。30分も説明を受ければプロ級の腕前だ。つまり、熟練性が不要であることで、労働市場の最安値で雇うのが経営判断となる。 すると、正社員を雇用し、すぐに辞めるリスクと、福利厚生の爆弾を抱えるよりも、材料費の勘定科目で計上できる派遣社員の方が非常に使い勝手がよいのだ。簡単に増やせて、簡単に切れる。素晴らしいシステムだ。 最も、自身のスキルが業務を通じて上がる見込みが全くない労働者は未来に絶望している。スキルアップをしていく、というのは派遣会社の煽り文句であり、実際は過半数の派遣労働者は生活費のために働いており、将来に対して不安を抱いているという。 法律に抵触している職場も少なくなく、求人広告と実態とがかけ離れているケースが大半。(これは今でも変わりない) 無知な若者を、法律で保護されるべき対価すら払わずに労使し、貧困のスパイラルに陥れることで、派遣として今後も安い賃金で働かざる負えない環境を見事に創りだした功績は大きいだろう。 これからも、今後も、無知をいいことに付け込んで、格安で働かせる。まともな契約書面は残さない、足がつくような真似はしない。 労働組合を作るにも、労働者の流動性が高すぎることで雇用側がいいように調節できる。 使う側にしてみると、とてもありがたい素晴らしい制度なんだ。 需要と供給の世界で言うと、その派遣業界で非熟練工に分類される若者たちは、200万前後の価値しかないということになる。 その通り、非熟練工は300万円の価値すらもない。まして、30代後半で体力のない、また飲み込みの遅い者は、200万円の価値すらもない。 不要なんだ。彼らは。 派遣先は、彼らにスキルを学ぶ環境は提供しない。上辺だけなら、業務を学んでスキルアップをしてもらいたいと何度も語り続けるだろうが。 熟練性を持たせない、スキルの得られない労働者を大量生産するこのシステムは、社会全体として破綻する。 社会的には狂っているとわかってていても、使わざる負えない企業。そして中間搾取も分が悪く自身の労働環境も悪化させている派遣会社。そして貧困スパイラルに落ちて派遣として生きる道しか見えない中年たち。 政治介入なしに解決は無理だ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
派遣労働者からのインタビューも含め、派遣ビジネスと派遣労働の歴史と現状についての概要。派遣労働者を半ば騙して派遣会社が契約を結んだりすることや、弱みに付け込んで違法な契約プロセスを要求する企業の存在など、派遣ビジネスの問題を提起している。 個人的には問題が矮小化されていることと、何が問題の根本なのか、解決のために何をすればよいかについての考察が薄いことが不満。 一番良く出てくる記述が、派遣会社が派遣労働者の給料をピンハネしているということ。しかし、派遣契約ではない、通常の業務委託契約であっても、社員の給与分は契約金額の3割程度であろう。そのことを考えれば、派遣労働者の給与が契約金額の半分程度であるということは特に異常ではないと思う。この問題の本質はここではないのだ。 この問題を解決するためには、なぜ企業は派遣労働者を雇うのか、という疑問に対する解を見つけるところからはじめる必要があると思う。経費が安く済む。確かにそれはもっともな理由に思える。でも本当にそれだけなのか?企業経営者の視点から派遣ビジネスの問題点に斬りこむ視点が欠けているのは残念に思う。 自助努力で負のスパイラルから抜け出す努力をしようといっても、それが簡単にできるようなら苦労はしない。やっぱり企業のサポートだって必要だ。派遣労働者をやとうことと新入社員を育てること。それぞれにどういうメリット・デメリットがあるのか。この点を明らかにし、人に投資をしない限り企業には未来がないということを示さなければ、企業は決してお金を出しはしないと思う。
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