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恋人選びの心(1) 性淘汰と人間性の進化
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恋人選びの心(1) 性淘汰と人間性の進化

ジェフリー・F・ミラー(著者), 長谷川眞理子(著者)

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恋人選びの心(1) 性淘汰と人間性の進化

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/岩波書店
発売年月日 2002/07/17
JAN 9784000228237

恋人選びの心(1)

¥3,080

商品レビュー

3.5

5件のお客様レビュー

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2019/11/09

性淘汰にスポットライトをあてた進化心理学の古典の一つ。2000年に原著が書かれた。 性淘汰は自然淘汰と異なる。自然淘汰はランダムで進化の方向性は行き当たりばったりである。一方で性淘汰は、より人為的な品種改良に近いプロセスである。一度性的に装飾形質として好まれるようになると、その...

性淘汰にスポットライトをあてた進化心理学の古典の一つ。2000年に原著が書かれた。 性淘汰は自然淘汰と異なる。自然淘汰はランダムで進化の方向性は行き当たりばったりである。一方で性淘汰は、より人為的な品種改良に近いプロセスである。一度性的に装飾形質として好まれるようになると、その形質は限界に突き当たるまでエスカレートしていく。 筆者は人間の脳、言語、道徳、芸術といった、人間固有と思われるような特質は、自然淘汰ではなく性淘汰によって発生したと考える。というか自然淘汰で発生したと考えるには、あまりにも高コストで役に立たたないからだ。 この問題を最も際立たせるのが、脳の進化した時代背景である。脳は250万年前から10年前までに3倍の大きさになったが、しかしこの期間で明確な脳の用途は見つかっていない。脳が役立つようになったのは10万年よりも最近、サピエンス全史では認知革命と定義される、10万年以降におきた変化からである。しかし自然淘汰は、生存に役立たない形質を進化させることはない。そもそも人間以外に地球上のどの生物もこれほどまでに高コストでエネルギーを消費する巨大な脳を進化させていることはない。現在の知識からみると、これほどまでに有用な脳を進化させることは極めて合理的に思えてしまうが、しかし数百年前の人類にとって、巨大すぎる脳は単なる金食い虫でしかなかった。その状況で自然淘汰が脳を進化させるとは考えられない。そこで筆者が持ち出すのが性淘汰だ。 人間の言語、ユーモア、芸術、その他脳によって生み出される特別な何かは、すべて配偶者へのアピール、性的装飾形質として進化した。これが筆者が一貫して本書で主張する仮説である。 その性淘汰を筆者は3つのプロセスに分解している。 一つはランナウェイ理論、感覚バイアス、そして適応度指標による好みだ。 <ランナウェイ理論>孔雀の尾羽のように、一度それが性的に魅了する性的装飾形質として扱われるようになると、その長さは限界まで際限なく伸びていく。尾羽の長い雄を好む雌は、より尾羽の長い子どもを産み、この形質はより強調されていく。 <感覚バイアス>古くは別の用途があった感覚受容器の好む刺激パターンが、性的にアトラクティブな形質としてみなされるようになる。 <適応度指標>適応度の低いライバルには持つことのできない特質、それが周囲に対する自身の適応度の喧伝になる。適応度の低い、余裕のない個体にはその指標をアピールすることができない(コストが高い)。だから信用に足る指標になる。 これらのうちで、ランナウェイ理論は有用であるものの、基本的には一夫多妻制のもとでなければ進化がおきない。また無目的である。感覚バイアスだけで説明するのは無理がある。筆者が一番重視しているのが適応度指標である。この考えでは、ウィットに富んだ会話、信頼性のおける道徳性、作成に多大な修練とコストがかかる芸術、こういったものは、すべて自身の適応度を周囲にアピールするためのものであり、より優れた配偶者を探すことがこれの進化を促進していった。 ザハヴィによるハンディキャップ理論にも多くを負っている。 最近の進化心理学の本を読むと、本書で提示された仮説のいくつかは自明のものとして扱われ、またいくつかは全く顧みられていない。

Posted by ブクログ

2017/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2002年刊。全二巻中の第一。◆雄の孔雀の無駄に見事な羽、また、環境適応に必ずしも必要とは言えない人の言語・芸術の才。これらがいかに進化の過程に乗ったのか?。この疑問に対し、ダーウィンは進化のメカニズムに自然選択の他に別の回答を用意する。それは性選択・配偶者選択仮説。◆本書は、叙述がやや冗長で重複も多いが、この性選択仮説が一旦消滅し後に復活した過程、この内容とこれを基礎づける脳のランナウェイ進化・装飾の適応指標度との関連・感覚のバイアス等を解説。ただ、環境適応度が単線的な指標で序列化できるように読める点。 (人が備える環境適応要因は複数あり、人によりそれらの優劣には多様性があるとの疑問)あるいは、配偶者選択をしているのは雌だけ(特に人)と読める点(雌ほどではないにしても、雄だって配偶者を選んでいる)には疑問もあるが、ともかく、単純なハンディキャップ仮説だけではない分析がいい。また、コンピュータプログラムによるモデル分析以外、数理分析が難しい領域だろうが、その点も可能な限り意識しているのもいい感じかな。

Posted by ブクログ

2015/12/17

人は何を基準に恋人を選んでいるのか。人を魅力的に見せる、身体・装飾・言語・美術・スポーツ・道徳性・創造性といった、深く人間性に関わっている特徴は,どうして生まれてきたのか。自然淘汰の理論ではどうにも説明がつかなかったこれらを.恋人選びという視点に拠りつつ,ダーウィンに提唱されなが...

人は何を基準に恋人を選んでいるのか。人を魅力的に見せる、身体・装飾・言語・美術・スポーツ・道徳性・創造性といった、深く人間性に関わっている特徴は,どうして生まれてきたのか。自然淘汰の理論ではどうにも説明がつかなかったこれらを.恋人選びという視点に拠りつつ,ダーウィンに提唱されながらも省みられなかった性淘汰理論で、長年の進化の謎を解き明かす。前半部は良質の性淘汰理論の総説。   ――2009/08/31

Posted by ブクログ

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