商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2007/08/01 |
JAN | 9784101063201 |
- 書籍
- 文庫
後白河院
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後白河院
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商品レビュー
3.7
24件のお客様レビュー
平安時代、つまり貴族の時代が、完全に破壊されて鎌倉時代、つまり武士の時代に移ってゆくその時に治天の君として生き抜いた後白河院。4人が語る院の姿は、激流の中で動かない巨岩のような印象を受けました。
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いつかの大河ドラマの清盛と、今やってる鎌倉殿の13人を必死で思い出しながら読んでる。難しい、観ててよかった。 権威権力は持っているけれど実力(軍事力)を持たない朝廷=後白河法皇が、 軍事力を持つ者らとどのように戦ったか。その時の大勢力に対し、対抗勢力に力をもたせ戦わせることで牽制...
いつかの大河ドラマの清盛と、今やってる鎌倉殿の13人を必死で思い出しながら読んでる。難しい、観ててよかった。 権威権力は持っているけれど実力(軍事力)を持たない朝廷=後白河法皇が、 軍事力を持つ者らとどのように戦ったか。その時の大勢力に対し、対抗勢力に力をもたせ戦わせることで牽制し、戦わせてやがて滅びていくのを見ている。不気味で冷静で、軍事力はないが権威あるものの戦い方。 後白河法皇、第一部〜第三部、言うことバラバラやん!って思ってたけど、第四部で、実は一目的は貫してるってことがわかった。
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『しろばんば』『敦煌』『額田女王』『孔子』。 これまでに読んできた井上靖作品は、これが全て。 後白河を取り上げたものがあったのか、と驚きもあって手にした。 ちょうど先日、アンソロジーで『梁塵秘抄』に触れたばかりだったことだし。 源平争乱のあの時代、白河、後鳥羽、崇徳、後白河あた...
『しろばんば』『敦煌』『額田女王』『孔子』。 これまでに読んできた井上靖作品は、これが全て。 後白河を取り上げたものがあったのか、と驚きもあって手にした。 ちょうど先日、アンソロジーで『梁塵秘抄』に触れたばかりだったことだし。 源平争乱のあの時代、白河、後鳥羽、崇徳、後白河あたりの天皇家の確執に、摂関家、武家の覇権争いが重なる。 その構図の複雑さに、どうしてもこの時代を扱ったものを避けて通りたくなる。 だから、四つの章の語り手が、平信範、建礼門院中納言(健御前)、吉田経房、九条兼実と移り変わっていくこの小説はの結構は、表現効果の見事さはわかっても、少しつらい。 近づいて来る者たちに心を許さず、自分に離反する時期が来たら切り捨てる。 こうして一人生き延びたのが後白河という帝王だった、というのが、この作品での後白河像だ。 乱世の中、語ることと書き残すことで身を支えてきた貴族社会の人々の無力感を思ってしまった。
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