商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 1981/03/11 |
JAN | 9784102099032 |
- 書籍
- 文庫
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商品レビュー
3.8
18件のお客様レビュー
徳田秋声の『あらくれ』と巴金の『家』を足して二で割ったような内容かな。少し違うか。 王淵のころころ変わりやすい考えはみていて一貫性がないだけにイライラするが、この年齢の青少年の移ろいやすさというか、芯がないというか、そういう思考パターンをうまく描いていると思う。それにしても王淵の...
徳田秋声の『あらくれ』と巴金の『家』を足して二で割ったような内容かな。少し違うか。 王淵のころころ変わりやすい考えはみていて一貫性がないだけにイライラするが、この年齢の青少年の移ろいやすさというか、芯がないというか、そういう思考パターンをうまく描いていると思う。それにしても王淵の芯のなさは天下一級。うちの弟そっくりでこれまたイライラする。勝手に熱をあげて、期待がはずれて一転憎悪の念にかわるパターンなんかまさにうちの弟そのもの。いや、自分自身も意識していないかっただけでそうなのかも。そうゆうイライラするところが『あらくれ』っぽいというか、とにかく同作品を思い出させる(褒めている)。 また、清朝崩壊後の混乱期を描いた一巻は生存を賭けた必死の物語だったが、時代が進み、共産党の中国統一に近づくにつれ、次第に思想闘争の色が増してきた。しかもそれに熱をあげるのが年端も行かない青少年(王龍に対する王虎から、王虎に対する王淵)なので、これがまたイライラさせる。封建制度との闘いは起こるべくして起こったもので、その主役が青少年や女性であったことも因果。そのあたりも細かに描きだせていると思う。 ただ、やはり一巻の波瀾万丈さから巻を追うごとに退屈になってくるのは否めない。しかも王淵は好男子でお金持ちの家系の生まれなので、陳腐さも否応なしに増してしまう。
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王龍の三男王虎とその息子淵の話が殆どである。 王虎は籠城する匪賊を破り、肥沃な地の実質知事も兼ねた軍閥の将軍として大陸統一の野望を抱く。兄の薦めにより二人の女性と結婚しそれぞれ男と女の子を産む、息子の淵を後継にすべく帝王教育を施し士官学校に入れる。軍政では民衆救済の大義のもと規律...
王龍の三男王虎とその息子淵の話が殆どである。 王虎は籠城する匪賊を破り、肥沃な地の実質知事も兼ねた軍閥の将軍として大陸統一の野望を抱く。兄の薦めにより二人の女性と結婚しそれぞれ男と女の子を産む、息子の淵を後継にすべく帝王教育を施し士官学校に入れる。軍政では民衆救済の大義のもと規律徹底で、淵の前で直訴の六人を銃殺する厳格処分で後悔の種を作る。淵は生真面目で戦いよりは土を耕すことを好み父の管理から逃れて王家の故郷「土の家」に脱出する。そこでの生活に心からの平安と満足を得るが父の病気を理由に引き戻されるも、また衝突し異母と妹の住む海岸の大都会(上海)に行き、大学に入って新しい生活を始める。革命軍活動に関わり逮捕され死刑を宣告されるも父や親戚の尽力で救出される。 前半の王虎の晩年期に至る記述は内容や表現が雑で冗長さが目につく。物語の主人公が初代の王龍と阿蘭から王虎を経由して王淵に替わる、そのための繋ぎという位置付けなのであろう。概して二代目の三人に対しては冷淡である。それに比べて淵の描写は成長過程や心の描写も含めてかなり丁寧で作者の思いが十分に醸されている。 「淵にとっては学問が一番楽しかった。‥‥一番興味を持って研究したのは植物の根とか葉とかの内部構造に関する学問だった。」上海の大学でのことである。 背景も中国大陸における清の支配が崩れ、跋扈する匪賊や軍閥への国民党の北伐戦争、そして共産党による統一へと激しく動いている。社会の激動がそこで生きる個人に人間であるが故の苦悩や喜びの物語を産みどこまでも人間の尊厳を追求するという建て付けは明確である。 親子や家族の在り方も様々な登場人物を通して何度も問いかけられる。リアルである。
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この巻で メインは王虎(わんふー)の息子である王淵(わんゆぁん)に変わる。 王虎のサクセスストーリーをもっと期待していたけど、息子を溺愛し過ぎて、スン と止まってしまったのが残念。 梨花(りほあ)も良い展開があるのではと期待していたけど、スン と収まるところに収まり残念だった。 ...
この巻で メインは王虎(わんふー)の息子である王淵(わんゆぁん)に変わる。 王虎のサクセスストーリーをもっと期待していたけど、息子を溺愛し過ぎて、スン と止まってしまったのが残念。 梨花(りほあ)も良い展開があるのではと期待していたけど、スン と収まるところに収まり残念だった。 しかし、登場する女性ほとんどが性格が悪いというか、協調性に欠けるというか、謙遜をしないのは時代のせいか?国民性ゆえか?
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