おはん 新潮文庫

宇野千代(著者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社/新潮社
• 発売年月日: 1975/01/30
• JAN: 9784101027029

商品レビュー

2010/05/28

どうしようもない男に…

[文庫ＯＦＦ]

どうしようもない男に翻弄される二人の女。おはんとおかよ。男はそんなに偉いのかと憤りを通り越して悲しくなりました。

2024/09/18

これは、加納屋を語り手に設定したことによって成功した作品だと思う。

物語として読むなら、正直なところ、どの登場人物にも共感できない。
でもこれが、エロスとアガペーについて書かれた寓話なのだとしたら？

おはんは、一心に加納屋の幸せを願い、加納屋の幸せこそが自分の幸せであると考えている。
一方、おかよは、加納屋の肉体を求め、とにかく自分のもとにとどまってくれることを望む。
そして加納屋は、そんな二人の間で、どっちつかずの態度を取り続ける。
でも、おかよとの生活をこのまま続けたい気持ちも、おはんと悟と親子3人で暮らしたい気持ちも、その瞬間においては本物なのだ。
本物だからこそ後悔し、悩み苦しむ。
もちろんそれは自業自得なのだけれども、そこに人間の本質というか、弱さが現れている気がする。

2023/10/20

故郷の祖母を思い出す方言や言い回しが嬉しかった。

読後感悪い。主人公の男の魅力ってどこにあったのかな・・・