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斜陽 角川文庫クラシックス
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 角川グループパブリッシング/角川グループパブリッシング |
| 発売年月日 | 1950/08/01 |
| JAN | 9784041099063 |
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斜陽
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商品レビュー
4.4
23件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
お母さまが弱って死んでいく過程、場面の描写が秀逸でした。静謐な空気が流れていました。 かずこが上原さんに自意識過剰な、前につんのめった感じの、もうストーカーっぽい手紙を送った頃は、あー、もうお母さま死にそうなのに何やってるの…と大層心配しました。 上原さんにはそんな気は、かずこを愛人にする気はないのかと思いきや、ほれちまった、なんて言われて意外でしたが、多分あれはその時ちょっとそう言っただけで、ちょっとそんな気がしてみただけで、別に惚れていたわけでは無いのではないかな。 お母さまが死んで、直治が死んで、多分上原ももうすぐ死んで、かずこは赤ちゃんと生きていくというのは、赤ちゃんがいるのは、もしかしたら光なのかもしれない。一人ぼっちじゃないですからね。 6年後に再開した上原があんなにもみすぼらしく、醜く描いてあるのは、何故ですか、太宰さん。
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これはとてつもなく暗い作品です。 零落した貴族というのも悲しさが漂いますし 母親が弱り、あっけなく死に行く様も暗いと来ています。 主人公もとかく悲しい目に遭っています。 そう、離婚という。 そして行き着いた先は傷つく恋… 全部に陰鬱が漂います。 この作品は死の1年前に書かれた...
これはとてつもなく暗い作品です。 零落した貴族というのも悲しさが漂いますし 母親が弱り、あっけなく死に行く様も暗いと来ています。 主人公もとかく悲しい目に遭っています。 そう、離婚という。 そして行き着いた先は傷つく恋… 全部に陰鬱が漂います。 この作品は死の1年前に書かれたそうで。 きっとこの時期から彼の死の渇望は あったのだとおもいます。
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※このレビューにはネタバレを含みます
没落していく旧家が描かれ、無常感漂う作品であった。貴族として生きていくことはしたくない、だが貧乏人の中で戯れていても、自分の貴族的な面が際立つ。自分はどこにも所属できない。という弟君の苦しみは、運良くインテリ集団に入ってしまったが、彼らの考えになじめず、だからといって田舎でチャラチャラしていてるかつての友人と付き合える気もせず、どこにも所属意識を持てない自分と重なった。 主人公が『経済学入門』を読み、以下のように述べていることが印象的であった。 人間というものは、ケチなもので、そうして、永遠にケチなものだという前提が無いと全く成り立たない学問で、ケチでない人にとっては、分配の問題でも何でも、まるで興味の無い事だ。それでも私はこの本を読み、べつなところで、奇妙な興奮を覚えるのだ。それは、この本の著者が、何の躊躇ちゅうちょも無く、片端から旧来の思想を破壊して行くがむしゃらな勇気である。 主人公が旧来の人間であることを差し引いても一面の真理を表しているように思う。「近代経済学が前提とする個人が量産された場合(事実、量産されつつある)、文化なるものは残るのか?」ということを考えさせられる。
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