商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 春秋社/春秋社 |
発売年月日 | 2006/10/30 |
JAN | 9784393332603 |
- 書籍
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思想とはなにか
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思想とはなにか
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
元々ほぼ日切っ掛けで吉本隆明さんのことは知っていて、なにか著作を1冊読んでみたいなと思っていたところで、図書館で確かヨシタケシンスケさんのエッセイが在架していれば再読しようと思って「よ」の棚に行ったときに、たまたまこの本を見かけたんだった。ブクログへの登録日を見ると2023年3月なので、たぶん安倍晋三銃撃事件に端を発して自分の「信仰」や「宗教」との関わりのことを考えるようになって、そこにタイトルと目次に並ぶ言葉(詩歌、文学、宗教、ナショナリズム)がヒットしたんだろう。 「思想」という言葉については、冒頭の『思想とはなにか』の章で吉本さんが以下のように説明されていた。 > 吉本 ――曖昧だけど複雑な領域が「情念、感覚」と「理念、イデオロギー」のあいだにあって、それを考えたいというときに特に「思想」という言葉を使っているようにおもいます。それでおおよそのところは尽くせるところがあって、それでいいんじゃないでしょうか。 宗教学者の笠原芳光さんが、この本の中で「宗教」と「宗教性」を分けて話をされているところが強く印象に残っている。 > 笠原 いくら科学が発達しても人間の究極な問題は解決できないと、しかし宗教がそれを解明できるといっているのはおかしなことなので、科学も解明できないし、宗教も解明できないのです。宗教が基本になっているといわれましたが、それは私の言葉でいえば「宗教性」です。宗教と宗教性は違う。宗教性は答えではなく、まあヒントですね。科学も答えを求めているわけでしょう。完全な答えというのはないのですよ。だから科学でもわからない、宗教でもわからない。それが大事だとおもうのです。それを宗教という言葉を使いたくないから、「宗教性」とでもいわないとわからない。 続けて、日本の原始的な宗教(自然=神、ほぼ神道に等しい)から、どのようにいまに存続しているのかという部分。 > 吉本 (略)どういう形でそれが存続していると考えるかというと、縁日の金魚すくいとか、京都のお寺巡りを観光でした時、本堂に入る前になんとなく手を合わせたり…。 > 笠原 なんとなくするんですよね。理由がないというのが大事なんです。 > 吉本 理由はないし、敬虔なこころもないんですよ。 > 笠原 そうそう(笑)。 私は特定の宗教を信仰しているわけではないけど、だからって無宗教かというと、それもなんか違うと感じていた。 でも、近所にある神社には思い立ったときにお参りするし、厄年であればお祓いを受ける。縁日や例大祭のことも気にかけていて、行けば息子は必ず金魚すくいをする。亡くなった親族が今年何回忌なのかを思い起こすこともあるし、お盆の時期は実家に帰省するかどうしようか、という計画を立てる。それは、特に敬虔だからというわけでもなく、なんとなく、ただ生活の中のイベントとしてある。 そういう曖昧だけど、元をたどると複雑な、日常に溶け込んだ宗教性を私は愛好しているんだな、ということを、この本のおかげで実感した。私もまた曖昧さを孕む思想を持っている。
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メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1801549814900945380?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
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労働組合委員長時代の話 岡本清一という理想主義者で平等主義者、この人が初代学長(京都精華大学) 感動的な島崎藤村の「新生」論を書いていた平野謙氏に私が感じた厚意
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