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水木サンの幸福論 角川文庫
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水木サンの幸福論 角川文庫

水木しげる【著】

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水木サンの幸福論 角川文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川書店/角川グループパブリッシング
発売年月日 2007/04/24
JAN 9784041929193

水木サンの幸福論

¥660

商品レビュー

4.1

20件のお客様レビュー

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2024/08/31

8月、特に前半は散々だった。だから癒やしを求めに旅に出た。そこでせっかくだからと寄った境港にある水木しげる記念館で水木しげる先生の半生に出会い、そして彼の言葉にずいぶん励まされた。そんなとき、この本を購入した。 水木先生の半生についてが大半を占めているこの本だが、冒頭に示されて...

8月、特に前半は散々だった。だから癒やしを求めに旅に出た。そこでせっかくだからと寄った境港にある水木しげる記念館で水木しげる先生の半生に出会い、そして彼の言葉にずいぶん励まされた。そんなとき、この本を購入した。 水木先生の半生についてが大半を占めているこの本だが、冒頭に示されている幸福七カ条には、このようにある。 第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。 第二条 しないではいられないことをし続けなさい。 第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし。 第四条 好きの力を信じる。 第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。 第六条 なまけ者になりまさい。 第七条 目に見えない世界を信じる。 よし、ではこの七カ条を早速実践しよう!と思って本当にその通りにすると、正直言って人生失敗しそう。というのも、水木先生自身、この七カ条通りに生きているとは思えないのだ。子どもの頃は絵の才能を開花させ好きなことに没頭していたようだが、想像を絶する悲惨な戦争体験と、戦後金欠で苦労した話、40歳まで全然お金もなくひたすら紙芝居や漫画を描く日々。やっと鬼太郎でまとまったお金を手にすることになり、その後は妖怪をめぐる旅に出たり、若い頃にできなかった「好き」の追求をしていたようだが、「なめけ者」といって想像するような半生にはとても思えない。 この本は、自分はそう生きることができなかった、でも本当はこう生きた方が幸せだったのはないか、という振り返りの本とでも言おうか。でも、だからといってこの本に価値がないというわけではない。というのも、この七カ条の言わんとする価値観は、実践できるかどうかを問わず、やはり大切なことだからだ。

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2023/08/30

2023.08.30 戦争を生き抜いて漫画家としても大成功した著書の語る幸福論は難しいことを言っていないだけに重い。往々にして難しいことはシンプルに表現できるのだと考えさせられる。最後に掲載されている著者の長女が自殺を考えていた少女時代のちょの教えに救われたことについて述べた部分...

2023.08.30 戦争を生き抜いて漫画家としても大成功した著書の語る幸福論は難しいことを言っていないだけに重い。往々にして難しいことはシンプルに表現できるのだと考えさせられる。最後に掲載されている著者の長女が自殺を考えていた少女時代のちょの教えに救われたことについて述べた部分も秀逸。読む価値ある。

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2023/01/02

水木しげる(本名:武良茂/1922~2015年)氏は、大阪市生まれ、鳥取県境港市育ちの漫画家。紫綬褒章、旭日小綬章受章。調布市名誉市民、東京都名誉都民、鳥取県名誉県民。文化功労者。子供の頃聞いた妖怪の話に強い影響を受けた妖怪漫画(代表作『ゲゲゲの鬼太郎』(1960年代~)や、太平...

水木しげる(本名:武良茂/1922~2015年)氏は、大阪市生まれ、鳥取県境港市育ちの漫画家。紫綬褒章、旭日小綬章受章。調布市名誉市民、東京都名誉都民、鳥取県名誉県民。文化功労者。子供の頃聞いた妖怪の話に強い影響を受けた妖怪漫画(代表作『ゲゲゲの鬼太郎』(1960年代~)や、太平洋戦争時のニューギニア戦線での過酷な戦争体験を基にした戦争漫画(代表作『総員玉砕せよ!』(1973年))を数多く残した。境港市には、水木しげるロード(1993年)、水木しげる記念館(2003年)が造られている。 私は、ノンフィクションやエッセイを好んで読み、今般、過去に評判になった本で未読のものを、新古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。 本書は、日本経済新聞に2003年に連載された「私の履歴書」をメインにして、「水木サンの幸福論」を加え、更に、水木氏・実兄・実弟の3兄弟の対談と、自らの子供時代を描いた漫画『花町ケンカ大将』を付録として付けたもので、2004年に出版され2007年に文庫化された。 私は『ゲゲゲの鬼太郎』をTVアニメで少し遅れて見た(再放送だったと思われる)世代ながら、子供の頃は、正直なところ怖くてあまり好きではなかったのだが、大人になってから、境港市の町おこしの報道や「私の履歴書」で改めて気に留めるようになり、TVドラマ『鬼太郎が見た玉砕〜水木しげるの戦争〜』(2007年)を見て、原作『総員玉砕せよ!』を初めて読んだ、かなり遅い水木支持者である。 「私の履歴書」は、(連載時にも読んでいたが)改めて通して読むと、水木氏の「奇人変人ぶり」、波乱万丈の人生が実に面白く、また、連載時から20年近く経ち、社会の閉塞感が一層強まる(ような気がする)中で、水木氏の人生(観)から気付かされることも少なくなかった。 また、氏が自らの人生から導き出した「水木サンの幸福論(幸福の七か条)」は以下で、実に水木氏らしいものである。 第1条:成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。 第2条:しないではいられないことをし続けなさい。 第3条:他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし。 第4条:好きの力を信じる。 第5条:才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。 第6条:なまけ者になりなさい。 第7条:目に見えない世界を信じる。 尚、本書を読んで、水木氏が出征時に『ゲーテとの対話』を雑嚢に忍ばせて行ったほどのゲーテのファンだったことを知ったが、氏の人生観や幸福論にゲーテが相応の影響を与えているのは間違いないだろう。(私も『ゲーテとの対話』は大好きである) (2023年1月了)

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