商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 2006/12/15 |
JAN | 9784106101939 |
- 書籍
- 新書
ウェブ人間論
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ウェブ人間論
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商品レビュー
3.6
93件のお客様レビュー
何と、15年強も前の本だったということにびっくり。たしかに、FacebookやTwitter、スマホが一般化する前の時代として語られている。当時でも十分にネット社会の到来を思わされていたけど、いまになってみれば隔世の感あり。特に梅田さんの予測的発言なんか、2022年のいまとなって...
何と、15年強も前の本だったということにびっくり。たしかに、FacebookやTwitter、スマホが一般化する前の時代として語られている。当時でも十分にネット社会の到来を思わされていたけど、いまになってみれば隔世の感あり。特に梅田さんの予測的発言なんか、2022年のいまとなってはどうだろうなんて底意地悪く読んでみたんだけど、けっこう的を射たこと言ってたんだなという印象。 当時にしてどっぷりウェブ社会にハマっている梅田さんと、ちょっと懐疑的に見ている平野さんの対話が面白い。平野さんのほうがだいぶ頭カタいなあという印象。自分もどっちかというと、(いまでもなお)平野さん寄りだけどその自分ですらそう思う。 でもそれって、ウェブ社会のとらえ方しだいなんだなとも思った。あくまでもポジティブに楽観的に先を見てウェブ社会の台頭を歓迎する梅田さん。平野さんが懐疑を呈しても、その切り返しになるほどそうかも、と思わせてしまうものがある。なかなかの論客のはずの平野さんがちょっと形無しな感じ。それって、従来の枠を軽く凌駕してしまう……具体的にいえば、平野さんが誰であろうと忖度せず発言する梅田さんのような……ウェブ社会の人たちならではといえるとも思う。 みんなの良心で世のなかを変えていかなければ的に述べる平野さんと、自分の楽なほう、したいほうへ向かっていけばいいという梅田さんも一見対象的。でも、ポジティブに楽観的に考えれば、みんながそれぞれの望む方向へ進んだ先がみんなにとって居心地のいい世界になる可能性もわりとありそう。つまり、ウェブ社会って根底に悪意がない世界とみなすべきってことかなと思った。 ウェブ的な世界って敬遠傾向にあるんだけど、見方が変わったというか、ウェブ的な世界をポジティブに見る視点を知った。スター・ウォーズ信奉者の集まりだってこととかね。
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2008/11/13開始 対談形式で読みやすいと思いきや、お二方とも頭の良い人なので、逆にちょっとだけ読みづらかった(笑) ウェブ進化論に関してつっこんだ内容を、平野啓一郎氏による文学的検知からひたすら語りまくった内容をログしただけの本であるが、ウェブ進化論で語られなかった部分...
2008/11/13開始 対談形式で読みやすいと思いきや、お二方とも頭の良い人なので、逆にちょっとだけ読みづらかった(笑) ウェブ進化論に関してつっこんだ内容を、平野啓一郎氏による文学的検知からひたすら語りまくった内容をログしただけの本であるが、ウェブ進化論で語られなかった部分についてもかなり深いところまで話し合われているため、梅田氏の一連の「ウェブ〜」を補完する内容としては読んでおいて損はないと思う。 特に「リンクされた脳」というセクションで語られる、その人の能力というものが、その人本人の力ではなく、自分の力を補完してくれる人や引き出しをどれだけ持っているか?というものに変わっていくという部分が、 「それが、人間観そのものにまで拡張されることが僕の危惧ですね」 と平野氏が言っているとおり、ネットの登場とその発展によって、人間の作業能力の評価というものがどれだけ人脈を持っているかにシフトしてきているのは事実だが、それが「人間観」全体にまで拡張されてしまうかもしれないというのは、かなり自分的にも危機感を感じる。実際のところ、デジタルディバイドはまさに経済格差や知的格差を生み出してしまっているが、これが人間そのものの価値に置換される日は近いかもしれない。 ネットの発展と、人間の発展。それが共存できるポイントを探して、ダークサイドに落ちないようにバランスしていくことが、今後のウェブ進化を「正常進化」させるキーポイントになると思う。
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『ウェブ進化論』(ちくま新書)の著者である梅田夫望と、『日蝕』『葬送』(ともに新潮文庫)などで知られる小説家の平野啓一郎が、ウェブ世界の可能性とそれにともなう人間観の変化について語った本です。 両者とも、インターネットのもつインパクトの大きさを認めながらも、人間の理解については...
『ウェブ進化論』(ちくま新書)の著者である梅田夫望と、『日蝕』『葬送』(ともに新潮文庫)などで知られる小説家の平野啓一郎が、ウェブ世界の可能性とそれにともなう人間観の変化について語った本です。 両者とも、インターネットのもつインパクトの大きさを認めながらも、人間の理解については異なった意見をもっており、そのことは「おわりに」で梅田が次のような的確な表現で述べています。「私はむしろ「社会変化とは否応もなく巨大であるゆえ、変化は不可避との前提で、個はいかにサバイバルすべきか」を最優先に考える。……「社会の変容」への対応という視点から「個の変容」をとらえようとする傾向が強い。しかし平野さんは「人間一人ひとりのディテールをミクロに見つめること」によって「個の変容」を考え、その集積として「社会の変容」を考えようとする」。 とくに、実名でネット社会をわたり、そこでの反響をビジネスにつなげていくたくましい「個」と、匿名でネット上にことばをつむいでいくことでみずからのアイデンティティのオルタナティヴな可能性を発見する「個」のあり方がテーマになった第2章が、読み応えがあるように感じました。 対談本ではありますが、インターネットの急速な発展による「人間」の変化が本質的なレヴェルで論じられており、おもしろく読むことができました。
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