ウェブ人間論 の商品レビュー
何と、15年強も前の本だったということにびっくり。たしかに、FacebookやTwitter、スマホが一般化する前の時代として語られている。当時でも十分にネット社会の到来を思わされていたけど、いまになってみれば隔世の感あり。特に梅田さんの予測的発言なんか、2022年のいまとなって...
何と、15年強も前の本だったということにびっくり。たしかに、FacebookやTwitter、スマホが一般化する前の時代として語られている。当時でも十分にネット社会の到来を思わされていたけど、いまになってみれば隔世の感あり。特に梅田さんの予測的発言なんか、2022年のいまとなってはどうだろうなんて底意地悪く読んでみたんだけど、けっこう的を射たこと言ってたんだなという印象。 当時にしてどっぷりウェブ社会にハマっている梅田さんと、ちょっと懐疑的に見ている平野さんの対話が面白い。平野さんのほうがだいぶ頭カタいなあという印象。自分もどっちかというと、(いまでもなお)平野さん寄りだけどその自分ですらそう思う。 でもそれって、ウェブ社会のとらえ方しだいなんだなとも思った。あくまでもポジティブに楽観的に先を見てウェブ社会の台頭を歓迎する梅田さん。平野さんが懐疑を呈しても、その切り返しになるほどそうかも、と思わせてしまうものがある。なかなかの論客のはずの平野さんがちょっと形無しな感じ。それって、従来の枠を軽く凌駕してしまう……具体的にいえば、平野さんが誰であろうと忖度せず発言する梅田さんのような……ウェブ社会の人たちならではといえるとも思う。 みんなの良心で世のなかを変えていかなければ的に述べる平野さんと、自分の楽なほう、したいほうへ向かっていけばいいという梅田さんも一見対象的。でも、ポジティブに楽観的に考えれば、みんながそれぞれの望む方向へ進んだ先がみんなにとって居心地のいい世界になる可能性もわりとありそう。つまり、ウェブ社会って根底に悪意がない世界とみなすべきってことかなと思った。 ウェブ的な世界って敬遠傾向にあるんだけど、見方が変わったというか、ウェブ的な世界をポジティブに見る視点を知った。スター・ウォーズ信奉者の集まりだってこととかね。
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2008/11/13開始 対談形式で読みやすいと思いきや、お二方とも頭の良い人なので、逆にちょっとだけ読みづらかった(笑) ウェブ進化論に関してつっこんだ内容を、平野啓一郎氏による文学的検知からひたすら語りまくった内容をログしただけの本であるが、ウェブ進化論で語られなかった部分...
2008/11/13開始 対談形式で読みやすいと思いきや、お二方とも頭の良い人なので、逆にちょっとだけ読みづらかった(笑) ウェブ進化論に関してつっこんだ内容を、平野啓一郎氏による文学的検知からひたすら語りまくった内容をログしただけの本であるが、ウェブ進化論で語られなかった部分についてもかなり深いところまで話し合われているため、梅田氏の一連の「ウェブ〜」を補完する内容としては読んでおいて損はないと思う。 特に「リンクされた脳」というセクションで語られる、その人の能力というものが、その人本人の力ではなく、自分の力を補完してくれる人や引き出しをどれだけ持っているか?というものに変わっていくという部分が、 「それが、人間観そのものにまで拡張されることが僕の危惧ですね」 と平野氏が言っているとおり、ネットの登場とその発展によって、人間の作業能力の評価というものがどれだけ人脈を持っているかにシフトしてきているのは事実だが、それが「人間観」全体にまで拡張されてしまうかもしれないというのは、かなり自分的にも危機感を感じる。実際のところ、デジタルディバイドはまさに経済格差や知的格差を生み出してしまっているが、これが人間そのものの価値に置換される日は近いかもしれない。 ネットの発展と、人間の発展。それが共存できるポイントを探して、ダークサイドに落ちないようにバランスしていくことが、今後のウェブ進化を「正常進化」させるキーポイントになると思う。
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『ウェブ進化論』(ちくま新書)の著者である梅田夫望と、『日蝕』『葬送』(ともに新潮文庫)などで知られる小説家の平野啓一郎が、ウェブ世界の可能性とそれにともなう人間観の変化について語った本です。 両者とも、インターネットのもつインパクトの大きさを認めながらも、人間の理解については...
『ウェブ進化論』(ちくま新書)の著者である梅田夫望と、『日蝕』『葬送』(ともに新潮文庫)などで知られる小説家の平野啓一郎が、ウェブ世界の可能性とそれにともなう人間観の変化について語った本です。 両者とも、インターネットのもつインパクトの大きさを認めながらも、人間の理解については異なった意見をもっており、そのことは「おわりに」で梅田が次のような的確な表現で述べています。「私はむしろ「社会変化とは否応もなく巨大であるゆえ、変化は不可避との前提で、個はいかにサバイバルすべきか」を最優先に考える。……「社会の変容」への対応という視点から「個の変容」をとらえようとする傾向が強い。しかし平野さんは「人間一人ひとりのディテールをミクロに見つめること」によって「個の変容」を考え、その集積として「社会の変容」を考えようとする」。 とくに、実名でネット社会をわたり、そこでの反響をビジネスにつなげていくたくましい「個」と、匿名でネット上にことばをつむいでいくことでみずからのアイデンティティのオルタナティヴな可能性を発見する「個」のあり方がテーマになった第2章が、読み応えがあるように感じました。 対談本ではありますが、インターネットの急速な発展による「人間」の変化が本質的なレヴェルで論じられており、おもしろく読むことができました。
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ここ最近読んだ中で一番手ごたえを感じられない無い本でした。 私には難しかった。分かったことは、賢い人同士の対談の中には、平凡な私は入る余地無しということだけでしょうか。なんだか大人同士の難しい会話の中に付き合わされた幼少期を思い出してしまいした(笑) まあ分かる人には当然分かるも...
ここ最近読んだ中で一番手ごたえを感じられない無い本でした。 私には難しかった。分かったことは、賢い人同士の対談の中には、平凡な私は入る余地無しということだけでしょうか。なんだか大人同士の難しい会話の中に付き合わされた幼少期を思い出してしまいした(笑) まあ分かる人には当然分かるものだと思うので、私の評価は気にしないでもらわれたい。 出版されたのが今から10年以上前のものですから、当時と今では状況も変わっていると思います。この先も激しいスピードでウェブ進化は続いていき、新たな問題や変容を迫られることがあると思われます。そんな中で人はどう対応し、どう変容を遂げるのか。社会がどう変わっていくのか。これからの未来がどう変化していくのだろうかと考えれば考えるほど、なんだかワクワクもしてきますね。
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梅田望夫と平野啓一郎との対談本。 9年前に発行された本だが、梅田望夫のウェブに対する見方はおおむね合っているのかなと感じた。 細かいところを見れば確かに違う進化の仕方をしたものも見られるが、彼の主張の根本の部分はその通りであったなぁと見ます。
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対談形式。 ウェブはこれからどうなっていくのか。 やはり物はそれなりに価値を持ち続けるだろうという見解。
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おすすめ資料 第53回 「ウェブ進化」によって人間はどう変わるのか(2007.11.30) インターネットが一般に普及して10年少々、インターネットが人間をどのように変えるかということにずっと興味があったと言う文学の世界に住む芥川賞作家と『ウェブ進化論』(ちくま新書)で一躍有...
おすすめ資料 第53回 「ウェブ進化」によって人間はどう変わるのか(2007.11.30) インターネットが一般に普及して10年少々、インターネットが人間をどのように変えるかということにずっと興味があったと言う文学の世界に住む芥川賞作家と『ウェブ進化論』(ちくま新書)で一躍有名になったビジネスと情報技術の最先端にいるコンサルタントとの二度にわたる対談を以下の四章にまとめたのが本書です。 第一章ウェブ世界で生きる 第二章匿名社会のサバイバル術 第三章本、ipod、グーグル、そしてユーチューブ 第四章人間はどう「進化」するのか 教養に裏打ちされた鋭い洞察力と豊かな言葉による表現力を兼ね備えた文学者と常に物事を肯定的・前向きに捉え、時には自らの体験を交えて門外漢にもわかりやすく「ウェブの進化」を説明されるコンサルタント、視点の違う二人による議論に読者はいつの間にか引き込まれてしまいます。 二人の底流にはタイトルが示すとおりの「ウェブ・人間論」とも「ウェブ人間・論」とも読める「ウェブ進化」によって変わりつつある社会と人間への興味が貫かれています。 情報の洪水ともいえるウェブ時代をどう生きるのか、示唆に富んだ刺激的な議論にあなたも参加してみてはいかがでしょうか。
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「ウェブ進化論」の梅田さんはバランス良くネット社会を冷静に見つめていて非常に示唆を受けたが、この本はちょっと極論というか、「あれ?」っと感じることが多い。 対談なので、「売り言葉に買い言葉」みたいな表出の仕方をするものなのかも知れない。 「ウェブ進化論」が非常に良かっただけに...
「ウェブ進化論」の梅田さんはバランス良くネット社会を冷静に見つめていて非常に示唆を受けたが、この本はちょっと極論というか、「あれ?」っと感じることが多い。 対談なので、「売り言葉に買い言葉」みたいな表出の仕方をするものなのかも知れない。 「ウェブ進化論」が非常に良かっただけに、少し残念。
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これは間違いなく「トンデモ本」だ。その爆笑性ゆえに5点満点である。2006年刊行であるため8年たって「トンデモ本」になってしまったともいえるが、何せ梅田何がしという「はしゃぐ猿」のはしゃぎっぷりがそもそもトンデモない。まず言っている事すべてが猿でもできる後知恵でしかない。刊行当時...
これは間違いなく「トンデモ本」だ。その爆笑性ゆえに5点満点である。2006年刊行であるため8年たって「トンデモ本」になってしまったともいえるが、何せ梅田何がしという「はしゃぐ猿」のはしゃぎっぷりがそもそもトンデモない。まず言っている事すべてが猿でもできる後知恵でしかない。刊行当時はそれこそ未知なものとしてのインターネットの権威としてかなりの人数をわかったような気にさせたことは想像できるが、8年たってのこのWEBを取り巻く世界がひとつも、本当にただのひとつも想像すらされていないところがともかくトンでもない。「10年から15年先のことは正確に予想できる」と自慢げに語り、グーグルのすべてを理解していると胸を張る梅田某が、次から次へと語るに落ちて、ボロボロと皮がはがれていくさまは爽快感すら覚える。平野はさすがの作家たる想像力で、LTEやスマホの普及や、形而上的な予想されうる「闇」について言及しているが、いちいちその鋭い洞察をわきに押しやって、おだてられるままに木にどこまでも登っていく「はしゃぐ猿」梅田。 声を出して突っ込みを入れながら、2014年の今こそ爆笑できる一冊である。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
作家とITの中枢にいる、まったく出自の違う二人による、インターネット時代の社会論、人間論。二人の考え方の違いがわりとそのまま対談で描かれていて、その緊張感が面白い。ザックリ言うと、楽観主義と悲観主義。梅田さんの言葉を借りれば、同時代や近未来に興味があるか、過去や歴史に興味があるか、ということか。僕はどっちかと言うと平野さん派なんだけど、印象に残ったのがブログ語りなどが全盛の時代に、「自分を語ることは自分を知ることではあるが、同時に自分を誤解することでもある」という一節。 自分の言葉が通じるかどうか、が知らないうちに「多くの人に認められるような語り」に変化したりすることはありそうなことだな、と。「語ること」は安易にはできないな、と普段良く思っていることを再確認。で、「思ってて語らないこと」をどう記憶にとどめるか、という問題が出てきて・・・堂々巡り・・・
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