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冷血 新潮文庫
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冷血 新潮文庫

トルーマンカポーティ【著】, 佐々田雅子【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/新潮社
発売年月日 2006/06/28
JAN 9784102095065

冷血

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商品レビュー

4

168件のお客様レビュー

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2026/08/30
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※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった! 犯罪抑止という目的で、加害者の心理というものに関心を持っているので、とても興味深い一冊だった。 最初にゾッとしたのは、ケニヨンの頭の下に置かれた枕だった。 的を云々という見解は非人間的な冷淡さを感じさせ、背筋が凍った。だが終盤で明かされた、そこに枕が置かれた実際の過程は意外と「普通の雰囲気」だった。正直に言えば拍子抜けしてしまった。が、それはそれで恐ろしいと思った。 逮捕後のペリーに関する心理分析も面白かった。彼は冷淡にもなれるが、ベースはとても人間的。身体的劣等感、学歴への憧れ、幻想的な思考。妙な親しみを覚えさせる人物造形だった。 ディックに関して一番興味深いのは家族に関すること。事件を起こした後に家族とテレビを観ながら爆睡したり。父はどこまでも息子を庇おうとしたり。彼は愛情を注がれてきたのだろうと考えた。 当たり前なのだけれど、犯罪者も人間である。残念ながら悪魔など人間以外の特別な存在ではいてくれない。同じ人間が悪辣なことを行うから、恐ろしいのである。おぞましいのである。 ペリーとナンシーの関わり方も興味深い。ナンシーを護るべく闘おうとしたり、ディックを待つ間にナンシーの話を聞いたり。奇妙な情の深さを感じさせる。 『冷血』という題名はその言葉の本来の意味を超えた意味を帯びているように感じられた。「冷たい」けど、「血が通っている」。彼らは自己中心的な気持ちで動いた犯罪者である。だが犯感情がある。良くも悪くも人間的である。 やっぱり人間というものは、幽霊や妖怪よりもおぞましい。「もしかしたら分かりあえるかも」という期待を持ってしまうから、かえって恐ろしいのだと感じた。

Posted by ブクログ

2026/08/23

有名な作品。読むまで小説と思っていたが、実際に起きた事件をカポーティが丹念に取材しノベルの体裁を整えて書いたノンフィクションノベルと言うジャンルだそう。 アメリカの事件なので少し遠い感覚を挟みながら読めるが、これが日本の事件だったら、身近な事件、身近な犯人、身近な酷い家庭環境に思...

有名な作品。読むまで小説と思っていたが、実際に起きた事件をカポーティが丹念に取材しノベルの体裁を整えて書いたノンフィクションノベルと言うジャンルだそう。 アメリカの事件なので少し遠い感覚を挟みながら読めるが、これが日本の事件だったら、身近な事件、身近な犯人、身近な酷い家庭環境に思えてもっとゾッとしただろう。 読んだ一番の感想は…「貧困は良くない」!!これに尽きる。 貧乏それ自体より、それに伴う貧困、教育的な環境のなさ、親の愛情の薄さ、歪んだ愛情、そして子供への教育やしつけの名のもとの暴力。 つまり「子供が逃げ場のない環境で育つこと、そしてそれに適応して育ってしまうこと」が、あってはならないと言うこと…。 二人組の犯人のうちの一人、ペリーの育った環境がまさにそれである。 ペリーは一般的な道徳観、子供を性的に襲うことに嫌悪や、優しそうな人間からはちゃんと優しさを感じ取れるといった感覚を持っているのに、無関心から来る残虐性や深層心理から来る無意識の衝動性と暴力性も併せ持つ。 もともと繊細な性格のペリーの子供時代の環境はまさに貧困と暴力と親の支配で占められていて、そこに適応して生き延びてしまったが故に歪んでしまっただろうことがよく分かる書き方になっている。ペリーの上の兄姉も若くして悲惨な最期を遂げている。 もう1人の犯人、ディックは決して裕福ではないが親の愛情を受けて育ったのに、何でも盗んで済ますといったような行動や、詐欺師のような口からでまかせを上手に喋れてしまうといったような人間で、こちらは生来の性格に問題がありそうだと思った。 少なくともペリーは(ネイティブインディアンとの混血児だったことも周囲と自分が違うと思ってたこともあるだろうが)、まともな家庭に生まれて、まともな愛情と教育を注がれていたら、殺人を犯すことなく人生を送れたのではないかと思ってしまう。 カポーティはペリーが自分と同じような環境のもとに育ったということを知って肩入れするような書き方になっているとよく言われているようなので、こうした、ペリーは貧困と親の虐待のせいで歪んでしまった、ディックはそれなりに恵まれた環境に育ったのに性根がダメだった、と読んでそう思わされるところはカポーティの術中にハマっているのかもしれないが…。 途中にある、殺人事件の前に犯した別の犯罪で収監されていたペリーに、お姉さんが書いた手紙。 それを読むと、お姉さんは同じ環境に育ちながら強く自我と信条を持てる人間であり、優しく、夢見がちではなかったのだろう。両親の離婚後、虐待的な父親と暮らしたペリーと、父親とは暮らさなかったお姉さんの違いもあるとは思うけど。同じ親から生まれて同じ環境にあっても、子どもの性格や精神は違ったりするので、その子に合った対応をする必要もある。子どもを育てるうえでの難しいところでもある。 さらに、この姉の手紙を分析したウィリージェイが鋭い。この姉は、ペリーの父親に対するのと同じようにペリーの愛憎の対象になっており、既に他人も神も信じていないペリーにとっては姉の健全さが社会への憎悪を増幅させるだけだと言っているのだ。 この事件はもう何十年も前のことなのでいたし方ないとしても、やはり貧困を無くして、親にも心の余裕を持たせ、親からの虐待もなく、子供がまともな教育を受けられる環境を、親自身が用意できなければ公共の福祉が用意して子どもの未来が悲惨なことになる可能性を少しでも減らさなければいけないのでは、とこの本から何十年も経った今を生きている我々も考えさせられる。 あとこの当時のアメリカの捜査や裁判が割としっかりしている印象を受けた。あんなに面積が広いのに周辺の州と協力して捜査網を引いたり、判決後のディックが死刑を避けようと何度も弁護士に手紙を書き、何度も控訴して、結果死刑実行を何年も遅らせていたり。 同じ年代の日本はどうだったんだろうとちょっと気になった。 あと、P97に「…夕食が終わったところで、ナンシーが後片付けをして、お皿は全部皿洗い機に入れていました」とあり、1950年代にうええなんて豊かなんアメリカ!と思ってしまった。 文章はすごく読みやすかった。さすがカポーティ。

Posted by ブクログ

2026/08/16

十分の一くらいでやめちゃった。佐藤究とかのルポっぽい小説の源流にある気がする。あんまオレは楽しめんかった。

Posted by ブクログ

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