冷血 の商品レビュー
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カンザス州のホルカム村で起きた一家4人惨殺事件についてのノンフィクションノベル。 おもしろく夢中で最後まで読めたが、実際の事件を元にしているためおもしろいと言ってしまっていいのか躊躇う。 被害者家族の視点、犯人たちの視点、捜査官の視点などに切り替わるため、それなりにページ数がある作品だが中弛みしにくいように感じた。 それぞれの生い立ちや思いも伝わりやすかった。 事件が起きてからも、しばらくはなぜ犯人たちがそんなことをしたのかがわからないようになっている書き方もよかった。 なので、これが完全にフィクションだった場合はおもしろい小説だったと言えるけど、ノンフィクションとなっているためやはり楽しいという気持ちだけでは読めない。 それと、ノンフィクションとはいうものの、創作された部分や作者の憶測などもかなり混ざっているとは思うので、中途半端な作品と感じる人もいるかもしれない。 最後の方に死刑囚が他にも何人か登場するが、本当にこういう人たちがいるんだとゾッとすると同時に、死刑制度の是非も考えさせられる部分はあると思う。 切ないながらも爽やかな終わり方で、作者の小説家としての技量はやはりすごいんだろうなぁと感じられた。
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【作品紹介】 ノンフィクション・ノヴェルの金字塔。散弾銃による一家4人惨殺事件を綿密に再現。 待望の新訳! カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。このあまりにも惨い犯行に、著者は5年余りの歳月を費やして綿密な取...
【作品紹介】 ノンフィクション・ノヴェルの金字塔。散弾銃による一家4人惨殺事件を綿密に再現。 待望の新訳! カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。このあまりにも惨い犯行に、著者は5年余りの歳月を費やして綿密な取材を遂行。そして犯人2名が絞首刑に処せられるまでを見届けた。捜査の手法、犯罪者の心理、死刑制度の是非、そして取材者のモラル――。 様々な物議をかもした、衝撃のノンフィクション・ノヴェル。 目次 I生きた彼らを最後に見たもの II身元不詳の加害者 III解答 IV“コーナー" 訳者あとがき 本文より その月曜日、一九五九年十一月十六日も、カンザス州西部の小麦畑がひろがる小高い平原は、典型的なキジ猟日和だった。雲母(うんも)のように輝く麗しい蒼穹(そうきゅう)がひろがる一日。過去何年か、そんな日の午後、アンディー・エアハートは親友のハーブ・クラッターが営むリヴァーヴァレー農場で、キジ猟にふけって過ごすことがよくあった。……(「II身元不詳の加害者」) 「訳者あとがき」より カポーティは『冷血』の執筆に先立ち、三年を費やしてノート六千ページに及ぶ資料を収集し、さらに三年近くをかけてそれを整理している。当然、膨大なデータの取捨選択を行っているはずだが、その中でも家族にかかわるデータをことさら丹念に拾い上げているように見える。加害者、被害者、捜査官はもちろん、点景という趣の人々にいたるまで家族の構成とその間の絆をことこまかに記しているのだ。 ――佐々田雅子
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ノンフィクション・ノベル。惨い事件を起こし死刑が当然なようだが、どうしても犯人の生い立ちにいたたまれなさを感じる。家族が崩壊していて幼い頃から居場所がなかったペリー、深い孤独があっても、見知らぬ人の生命を奪っていいことにはならないが、辛い……。犯罪はなにが引き起こすのか。 訳者あ...
ノンフィクション・ノベル。惨い事件を起こし死刑が当然なようだが、どうしても犯人の生い立ちにいたたまれなさを感じる。家族が崩壊していて幼い頃から居場所がなかったペリー、深い孤独があっても、見知らぬ人の生命を奪っていいことにはならないが、辛い……。犯罪はなにが引き起こすのか。 訳者あとがきからは、カポーティのこの著作にかける思いをうかがい知ることができた。
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実際にあった事件を元にしたノンフィクションノベル。カポーティは犯人の1人に惹かれていたとの情報も出てきます。真実はどうか知らないけれど、確かにこの犯人については同情させるような書き方をしている。犯人たちは死刑になりましたが、カポーティとしては納得いかなかったんじゃないかな…という...
実際にあった事件を元にしたノンフィクションノベル。カポーティは犯人の1人に惹かれていたとの情報も出てきます。真実はどうか知らないけれど、確かにこの犯人については同情させるような書き方をしている。犯人たちは死刑になりましたが、カポーティとしては納得いかなかったんじゃないかな…という印象。実際の事件を検索してみると本当にひどい。被害者たちには何の罪もなかった。
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映画「カポーティ」、ドキュメンタリー映画「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」と観てから、カポーティの人生の変遷を知る上で鍵となっていた本作を手に取った。 取材を通して得た情報を元に、物語として再構築しているが、そのために作者の想像や考えで補完されている印象。虚実入り混じる点...
映画「カポーティ」、ドキュメンタリー映画「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」と観てから、カポーティの人生の変遷を知る上で鍵となっていた本作を手に取った。 取材を通して得た情報を元に、物語として再構築しているが、そのために作者の想像や考えで補完されている印象。虚実入り混じる点で当時は読み手に混乱もあっただろうし、賛否両論あったことも頷ける。 一貫して取材者のカポーティ自身の気配は感じさせないように書かれているけれど、取材を通じて犯人と切り離せない関係性を築いたため、終盤では消しきれないカポーティの息遣いを感じる。 犯人が処刑台に登るときを息を詰めて見届け、なにか本人の中の糸が切れてしまったのかなと感じた。
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物語風でありながら中身は完全に事実というニュージャーナリズムの源流と呼ばれるノンフィクション。確かに、途中で作品紹介を読むまでは、殺人犯の複雑な心情をテーマに描いたサスペンス系の小説だと思っていたが、フィクションと知って驚いた。ただ個人的には、外国人の名前が覚えにくく、かつ同じ人...
物語風でありながら中身は完全に事実というニュージャーナリズムの源流と呼ばれるノンフィクション。確かに、途中で作品紹介を読むまでは、殺人犯の複雑な心情をテーマに描いたサスペンス系の小説だと思っていたが、フィクションと知って驚いた。ただ個人的には、外国人の名前が覚えにくく、かつ同じ人間を様々な呼び方で表現するため、誰が誰かが分からなくなり何度も挫折しかけた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
はるか昔に読んだ。犯人にある種の親しみを持ちそうな怖さ。読みごたえがあった。 読むのにエネルギーが必要な本だった記憶があるので再読するかは迷うところだがあの頃年に数冊しか本を読む習慣がなかったのにこれはなんかすごい本だぞと思った記憶。
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保育者が日々のいろいろを考える時によんで欲しい本 教育・保育論集で図書館が紹介した本です。 ーーーーーーーーーーー 宮代キャンパス 配架場所コード:2F:文学 分類記号:933 ーーーーーーーーーーー
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読了後3日経った。今でも、ここに何を書き残すか悩んでいる。ズシンとくる重みを感じている。 犯人2人による、銃を使用した殺害事件。金目当ての強盗が、裕福な家庭に、夜中に押し入った。その結果、父、母、子ども2人が亡くなった。 精神科医による鑑定と裁判の結果、2人は犯行時に「正常な...
読了後3日経った。今でも、ここに何を書き残すか悩んでいる。ズシンとくる重みを感じている。 犯人2人による、銃を使用した殺害事件。金目当ての強盗が、裕福な家庭に、夜中に押し入った。その結果、父、母、子ども2人が亡くなった。 精神科医による鑑定と裁判の結果、2人は犯行時に「正常な状態」にあったと判断された。その後、死刑執行。 しかし、私はこの件の裁判が公平だったのか、分からない。裁判員の中には、裁判の前から死刑に賛成する人物がいた。鑑定を行った医師は、YESオアNOクエスチョンに答えるように求められた。実際は、説明が必要だった。犯人に精神疾患の症状が認められたからだ。しかし、その機会が与えられなかった。犯人を知っている人物による証言は、話の途中で打ち切られた。 裁判制度とは何なのか?死刑制度に値する人物とは?精神鑑定の意義は?突き詰めると、人の心とは何なのか?
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ノンフィクションノベルは初挑戦でした。時系列、登場人物の性格、実にリアルに描かれていて物語に入り込んでしまった。
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