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照柿(下)
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照柿(下)
¥680
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商品レビュー
3.8
59件のお客様レビュー
「照柿(下)」(高村 薫)を読んだ。 自分の一番きつかった時代の重苦しさが否応もなく蘇るほどリアルな登場人物達の抱える苦悩の日々を描く高村薫さんの文章に脱帽である。 沼野充義氏の解説にある『高村薫は現代日本のドストエフスキーである』(解説本文より)ってところに思いっきり首を縦...
「照柿(下)」(高村 薫)を読んだ。 自分の一番きつかった時代の重苦しさが否応もなく蘇るほどリアルな登場人物達の抱える苦悩の日々を描く高村薫さんの文章に脱帽である。 沼野充義氏の解説にある『高村薫は現代日本のドストエフスキーである』(解説本文より)ってところに思いっきり首を縦に振ってしまうわ。 合田雄一郎にも野田達夫にもそこに必然というものを私は見出せずにいる。 『達夫は、暮れかけた夕焼けのどす黒いまだらと、そのなかに残る炉心のような臙脂色を眺め、そうだ、自分が郷里で目に焼き付けたのはせいぜいあの照柿色ぐらいだと冷静に思い直した。』(本文より) 露出アンダー気味の中空に浮かぶ照柿の色彩が脳裏に強烈な残像をもたらす。 あー重苦しかった。でも好き。
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(上巻より) もっとも興味深かったのは、解説かな。 「小説の土台になっているのは、スーパー・リアリズムとも呼んでみたい、徹底的にリアルな現実の描写」だそうだ。 どうも、スーパー・リアリズムは好きではないらしい。 工場や男心とか興味がないだけかも知れないが。 それと、作者はミス...
(上巻より) もっとも興味深かったのは、解説かな。 「小説の土台になっているのは、スーパー・リアリズムとも呼んでみたい、徹底的にリアルな現実の描写」だそうだ。 どうも、スーパー・リアリズムは好きではないらしい。 工場や男心とか興味がないだけかも知れないが。 それと、作者はミステリーを書いているつもりはなく、 小説を、恋愛小説とか純文学とか私小説ではない小説を書いているともあった。 良かった。 これが警察小説というならジャンルごと拒否しそうだった。 私小説でないのはわかっているが、 心情をうだうだ語っているという意味では、 同じジャンルに入れてほしい。
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